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香菜里屋の工藤マスターの人柄がとても素敵だなあと思いました。この人柄に引き寄せられて人々は香菜里屋に集い、そして胸のつかえを取っていくのだなあと。わたしも香菜里屋で四種類の度数の違うビールを飲んでみたくなりました。謎が解き明かされた時には一抹のせつなさが残ります。ミステリの謎解きの楽しみだけでなく、上質の物語を楽しめる一冊だと思いました。
個人的には表題作「花の下にて春死なむ」と、「終の棲み家」、「魚の交わり」が印象に残りました。
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こういうタイプのお話は好き。 人も死ぬし謎も解くんだけど、あまり血生臭くないしドロドロもしていない。 最後には何となく切ない気持ちや温かい気持ちが残ります。 加納朋子と同じニオイを感じてちょっと嬉しくなりました。
6編の連作が収録されていますが、どの作品にも「香菜里屋」というお店が出てきます。
そこのマスターはとても優しくて丁寧な人で、そのうえ頭がすごくきれるんです。
カウンターの中でお客さんたちの話を聞いているだけなのに、頭の中では既に謎を解いてしまっていたり。
そういう設定も好みなんですが、出てくるお料理がまた美味しそうなのですよ。
マスターがその日に入った食材で一品作って出してくれる場面があって、それがいちいち美味しそうなの。
訳のわからない名前がついていたり知らないソース名だったりすれば想像力も大して働きませんが、ここに出てくるものは、わかりやすい説明で描かれているのですごくイメージが湧いちゃうんです。
あー食べたい(笑)。
頑張れば自分でも作れるかも?って思うようなのもあったので、いつかチャレンジしてみたいな。
度数の違うビールが4種類置いてあるというのも気になるんですよね。
このお店、実在してないのかな〜。絶対行きたい!
あ、そういえば、ところどころ少し読みにくい部分がありました。
セリフが続いて誰が言っているのかわかりにくかったり、表現がぴんと来なかったり。
最近あまり本を読んでなかったからかなー?
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北森鴻、いいですね!冬狐堂でとっても好きになりました。かのシリーズを全部読みたいものだと思っていた所にこの短編連作ミステリィをいただいたのでした。これもかなり面白い本でした。
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ビアバー「香菜里屋(かなりや)」のマスター・工藤の推理とご飯がとてもおいしそう・・・ていうかご飯が(えー)
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ビアバー「香菜里屋」のマスターである工藤哲也が、常連たちを取り巻く謎を解いていく連作短編集。いや、謎を解くというより、謎解きをそっと後押しするというべきでしょうか。
日常の謎を解いていく安楽椅子探偵ものであるためか、結論が憶測の域を出ない場合もあります。しかし、その結論はまさに最後でのどんでん返しであって、反論の余地がないものです。限りなく真実に近い憶測とでも言うべきでしょうか。
なかでも表題作「花の下にて春死なむ」はベストでは? 孤独死を遂げた俳人片岡草魚の戸籍の謎に迫り、同時にその死の床で花開いていた桜の枝からもう一つの事件まで解き明かします。
そしてもう1つ、謎解きの魅力とは別にこの短編集を通して出されるビールと料理の美味しそうなこと。こんなお店の常連になってみたいものです。
収録作「花の下にて春死なむ」「家族写真」「終の棲み家」「殺人者の赤い手」「七皿は多すぎる」「魚の交わり」
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年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋(かなりや)」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全6編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200501220000/
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北森鴻を讀むのはこれが初めてだ。
6ページほど讀みすすんで、私はこの作者は池波正太郎さんの愛讀者に違ひないと思つた。
心理の表記(表現ではない)の仕方が池波正太郎方式なのである。
さらに讀みすすめて行くと、これは確信に變はつた。
この作品の主人公はビアバーのマスターなのだが、このマスターがいろいろと美味しさうな料理を作るのだ。
まさに池波正太郎の世界ではないか。
といふわけで、池波正太郎のファンである私は、この作品が氣にいつてしまつたのである。
安樂椅子探偵ものとしては、なかなか味はひのある作品だ。
切れのある推理だけでなく、小粹な雰圍氣が欲しいといふ向きには、うつてつけであらう。
2004年2月28日讀了
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ビアバー「香菜里屋」を舞台にした短編連作集。ミステリーです。
香菜里屋のマスター・工藤さんの謎解きも鮮やかなんですが、工藤さんの出す料理がこれまた美味しそうで美味しそうで。
ビールとおつまみを用意して読みたい一冊です。
個人的には、「終の棲み家」と「七皿は多すぎる」が好きです。
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中心となる探偵役はビアバーのマスター。
でも自分ででかけていって解決するんじゃなくて頭脳だけで勝負!という感じがします。
それが単なる興味津々の噂話のような雰囲気に終わらず、
人間同士のやさしい結びつきを思わせるのはさすがだなぁと思いました。
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香奈里屋の工藤さんに会いたいっ。格好よすぎです。
ミステリだけでなく、ストーリーもすごくいいです。
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「終の棲み家」が一番好きだった。安楽椅子探偵もの。この人の本に出てくる料理は本当に美味しそう・・・。
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この本を読んだ人に香奈里屋のモデルになった店があるよって言ったら絶対に食いつくなw
表紙が好き。
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日常の、けれどその人にとっては人生に深く根ざした謎を解きほぐしていく優しく切ない短篇集。謎解きが少し飛躍しすぎではないかと感じるところもあるけれど、どのお話も洗練されて無駄な部分が無いのは流石。特に表題作は秀逸。料理の描写が素晴らしい!「香菜里屋」には是非行ってみたいです。
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良くも悪くも、何かが足りない。
話の構成、裏に隠されたもうひとつのストーリー、謎解きのトリック、登場人物のキャラクター、インパクト‥全てに於いて悪くはないが深みが足りず、という印象があった。
脚本並に簡潔なので、映像化されたらとても面白くなるかも。
西行の歌から採用したという題名が美しい。そして、作中の料理の描写はどれもおいしそうだった。
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とても読みやすい文体で、内容も複雑なものはなく分かりやすいのですいすいと読めるミステリ。
ただ、ミステリとするにはちょっとトリックもストーリーもぐぐぐっと惹かれる要素がない感じするような気も。マスター・・・すごすぎるよ。とりあえず、香奈里屋が近くにあったら足繁く通ってしまいそう。ないかなぁ、香奈里屋。