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紙の本
人生論漫画
2002/06/02 16:26
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投稿者:たっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
しりあがり寿『双子のオヤジ』(青林工藝舎、本体1300円)を読んだ。
山奥の奥の奥、双子のハゲオヤジが住んでいて、自分たちの想念だけを遊び道具に生きている。存在、時間、自分、幸福、夢、神様、民主主義など、テーマはいろいろ。
「ホメる」というタイトルのがいちばん気に入った。
ひとりが本を読んでいると、もうひとりの存在が薄くなって、絵もぼやけてくる。読書していたハゲオヤジ、双子の片割れが気になって、
「なんだかオマエ薄いぞ」
「存在を無視されると存在濃度が薄くなるんだよ」
本を読んでいたほうのオヤジ、存在が薄くなった片割れがさびしがらないように、チャブ台やタンスをそばに置いてあげる。ところが、存在感ますます薄くなり、
「だってオレなんだかかえって疎外感感じるもん」
「いったいどーすりゃいいんだ?」
「オレをホメてくれよ!!」
というわけで、存在濃度が薄くなっていたハゲオヤジをホメちぎると、どんどん濃度が濃くなる。最後のコマでは、白隠描くところの達磨の絵の如くに太い線で素描され、
「ふーっこゆくなったー」
「辛いもの喰いてえ」
となる。
三木清『人生論ノート』(新潮文庫)のパロディーのようでもあり、哲学的で、それでいてわかりやすく、双子のオヤジが可愛く、装丁も素敵です。
最終章のタイトルは「そして…」ハッとさせられる。
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