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人類最古の哲学 みんなのレビュー

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みんなのレビュー38件

みんなの評価4.1

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/01/23 18:21

神話を生き直す

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書の序章にこうある。
「あらゆる神話には、ひとつの目指していることがあります。
それは空間や時間の中に拡がっておおもとのつながりを失ってしまって
いるように見えるものに、失われたつながりを回復することであり、
互いの関係があまりにバランスを欠いてしまっているものに、対称性を
取り戻そうとつとめることであり、現実の世界では両立することが
不可能になっているものに、共生の可能性を論理的に探り出そうと
することです。」

神話は、常に現実との接点において人々の生活の中に太古から存在して
きたものであるが、熱狂のうちに理想的な始原の状態が「ありうる」とする
宗教と違って、あらゆる区別がなくなることなど「ありえない」という
前提の下に、それでもそういう状態を思い浮かべることを願って、
神話的夢は紡ぎ出されてきた。

感覚を離れた観念的論理が一人歩きする宗教やイデオロギーは、
異なるものとの対立の中に接点を見出せずに袋小路に陥ってしまい、
現実の日々が理想から離れすぎて凄惨なものとなって、にっちもさっちも
行かなくなってしまうのだが、神話は、そんな現実に苛まれる生きた
五感を、再び日々の生命の中に解き放つための論理を再構築しようとする。

シンデレラやオイディプス王のような古典的神話の雛形が広い範囲で
残っているのは、人類がその身体感覚において同じ類であることの証で、
話の筋が微妙に違ったりするのは、ある地域での暮らしが他の地域とは
やっぱり違うということで、それはつまり人間が自然や天や冥界と
どんな距離感で持って生きてきたかの証である。その価値はこれから
薄まるどころか、知恵の宝庫として今後ますます発掘が進むことに
なるのだろう。人類の神話は、まだ始まったばかりなのだ。

神話を読むということは、神話の中に語られていることを五感で
感じ取ることで、だから神話の最良の読み方は、それを己の感覚として
生きることである。天地とのつながりの中に己の居場所を見出すこと、
見出そうとするうちに、己の神話は駆動しているのだ。

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低い評価の役に立ったレビュー

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2002/04/24 22:15

宗教的熱狂とは似て非なる神話的思考の魅惑

投稿者:藤崎康 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 中沢新一の強みは、彼が「超越的なもの」に魅入られた「使徒」であるにもかかわらず、いわゆるニューエイジかぶれの「神秘主義者」やオカルト・マニアとは一線を画す、しなやかな現実感覚と幅ひろい宗教学・思想・文学の知見をバランス良く身につけている点だ。こうした中沢の武器は、このたび刊行された「神話学入門」というべき本書でも、おおいにその「通力」を発揮している。
 中央大学の講義をもとにしているという本書は、旧石器人類の思考から一神教の成り立ちまで、「超越的なもの」について、およそ人類の考え得たことの全領域を踏破することをめざしたシリーズの第1巻だという。そして、とりわけ、中心テーマのひとつである「シンデレラ物語」のさまざまな異文(異なるヴァージョン)を比較検討していく部分は、著者の手堅い資料調査と奔放なイマジネーションとが相乗効果を上げていて、ひじょうに読みごたえがある。
 中沢によれば、民話には現実の世界では解決できない矛盾を、はなやかなしつらえを通して解決してみせようとする、さまざまな機構が発達している。「シンデレラ」でいうなら、シャルル・ペロー版よりグリム版のほうが、よりナマのかたちで神話的思考が露出しているが、それは後者では、恵まれない境遇といった負の要素をその反対物である幸福や調和へと結びつける「仲介機能」が総動員されているからだという。さらにポルトガル版では、水界を介して死者の領域とのあいだに通路が開かれ、シンデレラ物語の最古層が見え隠れするという刺激的な分析がつづく。そしてさらに、中国や北米インディアンのミクマク族のシンデレラの異文が、あざやかに分析されていく。また、終章「神話と現実」では、現在の日本のゲームソフトにみられる形骸化した神話的思考が、現実の世界とのつながりを失い、バーチャルな宗教的思考に取り込まれる危険をはらんでいる、という中沢の指摘には、オウム事件をくぐり抜けた宗教学者の言葉ならではのリアルさがある。中沢はまた、神話は現実に熱狂(オージー)を求める宗教とちがって、つねに理知の制約を受けていて、非合理の水際に限りなく接近しながら、そこに溺れてしまうことはない、という。もっとも、チベット密教の修行を積んだ中沢にしては、この発言はやや腰が引けているように思うのは、こちらの邪推だろうか。ともあれ、続編が鶴首して待たれるシリーズ第1弾である。 (bk1ブックナビゲーター:藤崎康/現代文化論・映画批評 2002.04.25)

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2010/09/04 19:11

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2011/02/22 20:36

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2011/03/02 00:29

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2011/10/28 00:28

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2012/02/21 20:52

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2012/05/19 12:01

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2012/06/21 01:24

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2012/11/05 18:18

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2014/09/24 11:50

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2017/05/02 22:20

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