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チェルノブイリの現地レポートや東海村のレポートを通して具体的な被爆地の状況と原子力の怖さがよくわかる。
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原子爆弾、原子力発電事故、核実験などの理由で汚染された地域の被害状況とその経過をまとめてある。
放射線の人体への影響、事故の詳細な経過、国際的な放射線に関する取り決めは勿論のこと、
現地の詳細な数値もあるので分かりやすい。
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放射線調査の専門家が、核実験や核関連の事故の起きた場所を調査し、その結果をまとめている。過去には、原発事故のチェルノブイリ以外にも、核実験等で核汚染されている地域が多く、それられについても知ることができた点は良い。核汚染があっても、時間が経過するにつれ、汚染はよくなっているとのこと。
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我が国は原子力をエネルギー政策の最重要課題として推進してきたが、一方、放射線被曝とその防護法に関する教育はあまり行なわれていない。読者は、第Ⅰ部で放射線被曝の基礎知識に関して学んだ後、第Ⅱ部で、実際に著者が世界の放射線被曝地を訪れ実測したデータから、放射線被曝の実態を知ることができる。第Ⅲ部では「特別章」として、「家族のための放射線防護」の工夫が紹介されている。東日本大震災が起こり、福島第一原発の事故がまだ予断を許さない状況にある以上、本書から得られる核災害に関する知識はとても有益である。(師啓二先生)
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広島大学原爆放射能医学研究所の研究者として、世界中の核汚染地域の現地調査を続けて来た高田純氏の渾身のレポート。セシウムで汚染したキノコを平気で食べているくだりには、ちょっと驚いた。
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福島原発事故より前の本ですが、チェルノブイリ事故、東海村事故、広島・長崎の原爆、世界の核実験について知る事ができた。
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放射線事故に関する知識を得るために入手。読みにくい本ではあるが良書。著者は広島大学原爆放射線医科学研究所を経て現在は札幌医科大学教授。線量評価、放射線保護、医学物理学が専門。
世界の放射線被曝地(ビキニ環礁、チェルノブイリ、東海村、カザフスタンの核兵器実験場、シベリアの核爆発産業利用実験場、ロシアのプルトニウム製造企業における核災害発生地)を実地調査し、残留放射線量や、住人の被曝状況を評価している。(特に、旧ソ連の各国での調査には色々な困難が伴い、苦労がうかがわれる。一方、極寒の中で地元住人とウォッカを痛飲する楽しそうなエピソードなども書かれている。)
放射線被曝に関する基礎知識、原子力発電システムの概要、使用済み燃料の処理方法、放射線事故が発生した場合に一般家庭がとりうる措置などについてもページを割いている。
【以下は、個人的考えも追加した覚書】
◆ベクレル、シーベルなどの基本的な線量測定単位について詳述。
◆広島の爆心地でも、満員のバスの真ん中にいた・地下室にいた、などの理由で生存した人たちが相当数いる。戦後、この生存者の健康状態と死因を追跡調査した結果、一般人と比較して死亡率増加は認められていない。
◆事故直後には人が住めない線量レベルとなった地域も、調査を実施した時点では線量が減衰し居住可能となっているケースもある。自然半減していることに加えて、風・雨・波によって拡散している。
◆体内被曝のメカニズムを詳述。ストロンチウムは骨・歯に蓄積されるため人体への被曝をもたらす一方、セシウムは筋肉に取り込まれるために筋肉組織代謝により半減期(30年)を待たずに1~2年で対外に排出される、など。
◆チェルノブイリでは住人については甲状腺以外のガン発生増加は認められていない。また甲状腺ガンは治癒率が高い。
◆現在の東京の線量は、住み続けていてもまだ大丈夫と納得。
◆原子力発電システムの思想は、廃棄物処理、高速増殖炉の実用化、最深度地下処理に依存している。六ヶ所村の再処理工場ともんじゅが稼働していないために、日本の原子力発電政策は袋小路に入っていることを実感。
◆福島第一事故発生後の日本政府の住人避難対応は、チェルノブイリ事故の時のソ連政府がとった対応と比較してお粗末極まりない。
◆放射線事故発生時においては、どの政府も国民に対するまともな情報公開をしない。
◆家庭に線量計と安定ヨウ素剤は必要。
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記録としての記述が詳細で、嘘や思いつきで書ける内容ではないことは歴然。放射線被曝に限って言えば、福島の事案などどうってことないのがよく理解できる。
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自分で各地を調べて歩く、という学者魂に共感。
しかも調査結果は現地の人にできるだけ早く伝える、という点も。
ストルガツキー兄弟の作品について言及した部分があって、驚いた。
福島については、この本では直接調査されておらず、よってデータ検証もないので、続刊を期待。最終的にどういう判断が、このような科学者からおりるのかをぜひ知りたい。
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