紙の本
ユニークなファンタジー
2002/07/22 20:47
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投稿者:ビンゴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハードボイルドとナンセンスなお笑いが融合したようなユニークなファンタジー。主人公は博打や酒が大好きな、ちょっとだらしない小太り気味の中年私立探偵スラクサス。でもってお約束のように美女剣士(この関係が美女と野獣を彷彿させる)も登場する。美青年や美少女が活躍する類のファンタジーに飽きた方にお勧め。ユーモア溢れる文章と共に楽しみがら読める一冊。ちなみにシリーズもののようだが続刊は出るのだろうか?
紙の本
ハードボイルド素材・ファンタシー風味・RPGソースがけ
2002/07/13 08:13
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投稿者:Okawa@風の十二方位 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「エルフの織った魔法の布が盗まれた。裏町にオフィスを構える酔いどれ探偵に依頼に来たのは、王女様。腰の周りの肉は厚いが、敏腕探偵スラクサスは、グレートアックスを担いだハーフエルフの美人剣士、マクリと共に調査に入る。手始めは、オルクが管理する動物園のドラゴンの飼育係!」
さあ、あなたはこのごった煮に、げっぷがいっぱいでしょうか? それとももう一皿いけそうですか?
なんでもおいしく食べられるあなた! あなたにはハードボイルド素材・ファンタシー風味・RPGソースがけといった、複雑で且つスパイシーな味のハーモニーが待っています。ご賞味あれ!
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ファンタジーだけど、それよりもハードボイルドな探偵小説なのですね、やはり。
飛び道具の代わりに魔法がちょっと使えるって程度のファンタジー度です。それもあんまり大した魔術が使えないので、無いよりマシって程度。
あとは腕力と体力と知力で勝負っていう、実に普通の探偵さんなのでした。しかも飲んべで賭博好きで、金が無い。更にもう若くないので、肝心要の体力と腕力が衰えつつあるっていう。ダメな中年探偵さんなのです。
最初相棒の美人剣士マクリを男だと思って嬉々として買ったあたしは、(美人剣士という設定に弱い・・・)読んですぐに、服装で引っ掛り(何ゆえブラ・・・女かっ?!)と気付いたのでした。よく考えれば、男に美人、なんて形容詞は普通使わないよな・・・と反省。普通は美貌の剣士、とかにとどめる筈。BL系読みすぎでした。すみません・・・。でもマクリがめっちゃ強くて、可愛い性格だったので、満足しました。
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こりゃ、マッハ10ノット(?)で直球ド真ん中ストライクって感じ。
そうそう。こういうファンタジーが好みなんだよ。
ヴァルデマールみたいな完全なファンタジー世界も、ドラキュラ紀元みたいな改変世界ファンタジーも好きだけど、
現実世界とつながっていないファンタジー世界での現代社会、みたいなやつが一番ツボかも。
リアルな考証なんて糞食らえ!
雰囲気がよければそれでいいんだよ。ファンタジーなんだから。
舞台であるトゥライの下水道にはワニが住んでいる。
つまり、ニューヨークか、アメリカの大都市をファンタジーに持ってきた世界というわけ。
女戦士が鎖帷子のビキニを履いている必然性にしびれた(笑)
ずーっと、どうしたら、ああいう格好が必要か考えてきたのだ。
やられたね。リアルな考証は二の次だけど、必然性は大事だよ。垣原みたいにさ。
魔法を使うけど、主人公は魔法が苦手なため、普通に探偵。
一昔前なら、ハヤカワHMから出たかも。ファンタジーブームだからかな。
お約束だけど、マクリLOVE!ついでにハナマ萌え〜。ってところか。
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ユーモアファンタジー。翻訳はこれしかでてないみたいだけど、原作はもう何冊か続編が出てます。続きは原書で。
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ハードボイルドと見せかけたファンタジー推理小説。
翻訳は訳者の手腕も取っても大事ですがこれはそこを見事にクリアしてます。
面白い。
どんなことがあったって、奴隷船でオールを漕ぐよりはましなんです。
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主人公は、かつて宮廷魔術師と活躍したが、酒と怠惰生活のせいで、メタボ体質になり、魔術師レベルが下がった(D&Dでいうとウィザード1レベルぐらい)中年魔術探偵スラクサス。
そんなやさぐれ探偵が、美女剣士(D&Dだとファイター8レベル以上?)マクリを相棒に大活躍。
というか、マクリのキャラが立ちすぎ。
ハーフエルフとハーフオルクのハーフで、すごい美人で、戦闘中毒者だったり、向学心が強く大学で哲学の授業を受けるのが夢だったり、制服がビキニアーマーのお店でウェトレスのバイトをしたり、ウーマンリブの活動をしたり、キャラが立ちすぎというか、D&Dのプレイヤーキャラクターだったら、ゲームマスターに怒られると思う。
読んでいると頭の中で、20面体サイコロが転がっているのが思い浮かぶ小説だ。
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ユーモア・ファンタジー・ハードボイルドなミステリ。駄目オヤジな主人公スラクサスといい、相棒のマクリといい、キャラは経ってるはストーリーは面白いはで言うことなし。でも続刊は訳されず。なんでだ。
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君主制と共和制が両立している時代。エルフや魔術師がいて、商人や暗殺師のギルドもある世界。
主な舞台は乱雑で治安の悪い下町。
とても好みの作風だった。
探偵が主人公のハイファンタジーは珍しい気がする。
その主人公が肥満気味で向上心皆無、うだつの上がらないオッサンなところがまた良いんだ!
些細な依頼が複雑な問題に発展し、二転三転して最後にはどんでん返し…小気味よい展開のミステリー。
ヤク中の情報屋にお堅い司教、背徳の魔術師、エルフにドラゴン、いろんな人に出会いつつ、時には剣と魔法で戦うファンタジー。
二つの要素がうまく融合していると思った。
娯楽小説っぽい要素があって読みやすかった。
エルフの赤布を狙う複数の団体が、互いの存在に気付かないまま一堂に会する場面は、完全なコメディーで笑ってしまった。
展開がやたらスピーディーだと思ったら、主人公の葛藤や成長が全然なかった。
登場人物の精神的苦悩とか社会的問題の解決とか、スラクサスはそういう問題を事実として語るだけで、自分からどうこうしようとは全く考えない。
彼の代わりに相棒のマクリが頑張っている(女性の地位向上のため、募金をしたり)。
マクリは自立した女性だし、スラクサスはある意味ブレないヤツなので、成長型主人公にモヤモヤする人に向いてるかも。
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2000年に世界幻想文学大賞を受賞した作品。
簡単に言うとファンタジーの世界でハードボイルドをやらかすと
こうなるという見本のような作品だった。
登場する人物が数多いのにもかかわらずキャラクターがしっかり
立っているし、ノンストップで続く事件のおかげか、途中だれる
こともなく、最後まで楽しく読むことが出来る。大賞受賞さも
ありなんといった感じだった。
ただ今ひとつ盛り上がりに欠けるのも事実かな。これですべての
事件が一挙に解決するクライマックスが用意されていればベスト
だったんだが。
本国では5作目まで刊行されているらしいが翻訳は今のところ
この第1作目のみ。表紙が良くなかったかな?(苦笑)。