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生い立ちの記を書いた「変光星」の続編とも言うべき本で
高機能自閉症である本人が書き綴った高校生からの記録
この本を一方的に鵜呑みにしてしまうことの危険を感じる
むしろ誰にも見ることのできない自閉症というものが
本人の心の中で巻き起こす詳細をさらけ出してくれているのだと言う見方を含めて
読み進むべきだと思う
多数派である健常者と自ら呼んでいる人々の保身的固定観念や善悪観から
外れている些細な行動によって
多数派である我々が怯えたりあきれたり馬鹿にしたり哀れんだりした結果の
盲目的無視やイジメをなくすためにも
この本にあるような憶測をはるかに超える自閉症の内実を知れることは
人々の掛替えのないコミュニケーションの進展を促すだろう
しかし読み方しだいではどちらかの一方を非難してしまいかねないし
何の解決も進展も得られないことになってしまうだろう
小中高とどんどんエスカレートしてわけのわからないイジメ環境に迷い込んでいく人々
しかも一人として気を許せる人間と出会えないという状況からすると
森口さん自身の気持ち(強迫観念)を緩めることを平行して考えないと
保守的な社会環境だけに原因を求めてもラチガアカナイだろうと思えてくる
つまり
自閉症という特殊な状態がもたらす無理解を
関係全体として広くとらえなければならないと思えるのだけれど