紙の本
植物の寿命を動物のそれと同一視してしまっている人はぜひ読もう
2002/06/14 05:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
植物と動物の細胞などの構造や、生長システムの違いを解説して、なぜ一部樹木の寿命が長く見えるのかというのを紹介しています。
植物の構造・進化などについてまとめてあるので、高校レベルの生物を押さえてさらに知識を整理するのに便利ですね。抜けを補充して全体像を再認識できました。
東北と九州では同じ樹木でも倍ほど最高樹齢が違う、針葉樹はなぜ腐りにくいのかと木質の進化との関係、導管と仮導管の性能と寿命のトレードオフ、などなど盛り沢山。
巨木の数値データ・分布などの資料も参考になります。どうして長生きなのか、最高樹齢と地域差・気温差の影響についての実証データ、なども書いてありますしね。
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最近ご無沙汰だったブルーバックス。動物と植物の寿命についての対比本がないかな、とずっと探していたのがドンピシャであったので、驚きとともにやられましたわ〜〜。安さと読みやすくて面白かったので迷いなく購入。やっぱ侮れないわ・・・
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この書籍は動物と植物の寿命について書いてあるのですが、すごく解かりやすくて、面白かったです。
個体として見た植物や動物の寿命や細胞レベルでみた寿命や、また何故その寿命なのかと言った所まで踏み込んだ所が面白かったです。
また難しい文章や単語を使わずにここまで説明出来るのなら、理科の教科書ででももっと踏み込んだ内容まで教えて欲しかったと思いました。
それくらい読み易かったです。
特に私は、前半の細胞の説明や、育ち方の違いを読んでいる時にこの書籍に夢中になってしまい、最後まで一気に読んでしまいました。
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私が知りたいことが、あまり書いていなかった。
あまりにも散漫なテーマの取り上げ方で、
「博物学的知識」という感じです。
寿命とは一体何か?
何故死んでしまうのか?
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植物と動物の違いから始まり、いろいろな植物(針葉樹や広葉樹など)の構造の違いなど、知っていたようで深いメカニズムや深みがあることを教えさせてくれた。若干、読み物というよりも専門的ではあるが、スラスラと読み進められた。
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寿命とは何か?杉の老木が何年と言った時に、芯の部分は既に死んでいる。菌の場合だと、どんどん分裂していくが、元の菌はどれか?人間の場合だと、個体が何かわかるような気がするが、他の生物ではよく分からない場合がある。そういうことを考えさせてくれながら、植物の構造について詳細に説明してくれる。読み終わって少し見方が変わった。
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そもそも動物と植物を同じ土俵で比べることはできないようだ。
というのも、動物の体はほぼ全て「生きている細胞」からできているが、植物にはいくつもの死んだ細胞ありきで生きている(例えば道管は水分を根から葉へ送るために、中空状態で硬化した「死んだ」細胞らしい)。
そうなるとそもそも生きてるって何だっけ?となる。また生死を仮定しようとすると「どこからどこまでが個体か」という問題にぶちあたる。
そのあたりを自問自答させることが著者の狙いのような気がする。
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植物はテロメラーゼを生殖器以外の部分にも持っていて、細胞分裂の際にテロメアが減らないから、無限に新しい細胞を作れる?
植物の体はほとんど死んでいる細胞でできている。樹齢千年を越える木も、生きている細胞のそれ自体の寿命はそんなに長くない。ずっと同じ細胞で生き続けている動物の脳みそや心臓の寿命のほうが長いのだって。それを思えば、うまくいけば百年そこそこ生きる人間はけっこう頑張りますねと慰められるかも。
植物は細胞壁があるからガンが転移しないというのをうらやましく思った。
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実際には、人間の感覚で「5000年生きている」のとはちょっと違うようだけど…。
ともかく、動物とはまったく異なる発想で生き続けている植物のお話。