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イスラム教の入門書として最適。ユダヤ・キリスト・仏教など他宗教の比較を通してイスラム教のエッセンスが分かりやすく解説されている。今日のムスリムの胸中を垣間見ることができるだろう。
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「なぜ日本にはイスラム教が広まらなかったのか」という問いからまず衝撃的だった。世界史を勉強していたが、そんなこと考えたこともなかったし、言われてみれば東南アジアにも広まったイスラム教が日本に来ていてもおかしくないと思った。そんな問いから、次から次へとわくわくさせるような疑問を挙げて、イスラムだけでなく他の宗教
比較を通して、宗教の知識がない人にも分かりやすく解説しているところが小室さんのすごいところだと実感した。もともと世界史を勉強していただけに、単語だけで覚えていたものがこういう繋がりがあったのかと発見することが面白かった。また、現代の問題、特に9.11テロ以降のキリスト教世界とイスラム教世界の対立や、イスラム圏の国が近代資本主義化をできない理由なども宗教の考え方が根底にあるとことには驚いた。無宗教であることは、宗教を知らなくても良いということに繋がらない、もっと宗教を勉強しなくてはと考えさせられた一冊だった。
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日本ではどうしてイスラム教が広がらないのか?を起点にして、日本人の「戒律を嫌う」宗教観から他の宗教との比較、ひいては欧米社会(特にアメリカ)とイスラム社会はどうしたら分かり合えるのかが軽快な語り口で綴られている。
特にオススメなのが宗教比較。「キリスト教は信じれば(=信仰心があれば)救われるという考えをベースにし、行動規律を持たない。一方イスラム教は律法を守ることで、アッラーへの信仰心を表わす」など。イスラム教はもちろん、諸宗教のアウトラインがざっくり掴めるのは良いです。
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◆本書の評価として
Amazon、ブクログでも評価の高い本。
ただ、後半は特にキリスト教をバカにした書き方が目立ってきます。
このため、完全に納得していた前半部分についても、内容の信憑性が気になってきました。
別の書籍も少し確認した方が良い気がします。
※Amazonでもわずかに本書に対して低評価のレビューがあり、そのレビューも同様の点を指摘していました。
◆面白かった点
前半は、部分的ではあるがユダヤ教・キリスト教・仏教などとの比較がされていてなかなか面白い。テロリストのものの考え方もわかった。
最初、日本の宗教として仏教しか出てきません。
「神道」という言葉は本書を1/4ほど進んでから初めて出てきました。そこには、日本の宗教はもはや「日本教」であり、「日本固有の神道をベースにして、仏教や儒教の教えなどがミックスされて作られた」という表現がされています。この説明は的確だと思います。
また、イスラム教が日本に浸透しない理由も非常にわかりやすかった。
その理由は一神教であること以外に、
日本人は「空気」に合わせて行動が変わり、「戒律」が定着しない。それがゆえに、戒律を重んじていた仏教も日本に入ってきて戒律がそぎ落とされ、「日本仏教」と形を変えた。イスラム教は戒律(規範)に従わないこと(行動を伴わないこと)が、即、信仰していないことになるため、戒律がそぎ落とされることは許されない。ゆえに日本にはなじまない、ということでした。
◆イスラム教で近代資本主義が発生しなかった理由まとめ
理由1:
キリスト教では、貪欲は罪とされている。そのため、その抜け道を探すように、「同価値のものを交換することは問題ない」という発想から、商売が発展していった。禁止される方が抜け道を探して発展していく力が強い。
イスラム教では、商売自体が禁止されていないため、必要以上の力にはならなかった。
理由2:
キリスト教でもイスラム教でも、神と人との契約(タテの契約)のみが説かれている(結婚式でも「神に誓う」となる)が、
キリスト教は無規範宗教であり、心の中での信仰のみが求められる。そのため、行動面でのルールがなければ生活がままならない。また、「神を愛せよ」という命令のほかに「隣人を愛せよ」という命令がある。これらのため、キリスト教では人と人の契約(ヨコの契約)を守る発想が生まれ、これにより近代化資本主義が発生した。
イスラム教では規範があり、神との契約(タテの契約)が守られていれば人との契約(ヨコの契約)はなくてもよい。そのため、イスラム教では人同士の約束が守られないことはザラである。
本書の最後の方にもまとめられていますが、イスラム教がその教えのため近代化できない、というのは衝撃でした。
◆本書を読んでイスラム教に対して思ったこと
イスラム教はよくできた宗教だと思いますが、イスラム過激派が存在しているように、「人を殺さない」といったような教義が含まれていなかったのが個人的に残念に思う点です。
それがあると宗教として矛盾点が出てくるのかもしれませんが…。
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もう何十年かぶりに 小室さんの著作を読んでいるような気がします
logical な思考です それでいて「講談」のような語り口も、小室さんならではかも…
(ミ`w´)彡━━┛~~ ' ぷっくぷく~~~
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久しぶりの小室本でしたが、いつもながら、日々仕事の課題で覆われたアタマに心地よい刺激をもらいました。
著書の他書と同様、ウエーバーのプロテスタントと資本主義の理論をベースにして、なぜこれほどまで論理的で中世世界をリードしたイスラム教が、近代化に遅れ、現代の状況にあるかを説く。同根のユダヤ教、キリスト教のみならず、仏教、儒教との比較がわかりやすく、これまで読んだ中で最強の宗教学本と思いました
マレーシアでビジネスに関わっていた際に、イスラムの世界と少し触れる機会がありましが、敬虔で真面目な人々の暮らしからは、欧米世界でチマタで言われるような過激さは全く感じませんでした。それが全てとはいいませんが、先入観なしに異文化と付き合ってみようとすることは、海外の人々とのコミュニケーションの第一歩だと思います。
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小室直樹面白い
私は宗教というものを軽々しく考えすぎていたと思った
あまり宗教に絡んだ生活をしていないイメージだったが
宗教により生まれた思考が自然と身近な生活にあふれ、
思考をする際の常識になっている部分がある
そうやって考えると宗教というものを学ばないと
何がもとから人間固有のもので
何が後天的に生まれたものなのかわからない
さらに考えてみると
そういった考え自体も間違いなんじゃないかという気もある
そこはひとまず考えてから検討するべきだ
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●本書を読むまで、イスラム教について何も知らなかったんだなぁと痛感させられるほど、詳しくわかりやすくイスラム教について書かれている。
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日本人には馴染みの薄いイスラム教について、キリスト教やユダヤ教、そして仏教など他宗教との比較を通して、噛み砕いた表現でわかりやすく解説した良書。
最初はフラットな視点で解説しているが、読み進めていくうちにイスラム教贔屓になっている傾向はあるが、そうなるのも分かるくらいに、イスラム教に対するイメージが覆った。
そして9.11が起こってしまった理由、さらに現在の資本主義を中心とした世界経済の中で、イスラム諸国が強国になれない理由も理解できた。
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2002年刊。2001年のテロ事件を受けて書かれたであろうことはうかがえる。ただし、小室直樹師これ以前に『日本人のための宗教原論』を書かれていて、その中で「イスラム教がわかれば宗教がわかる」「一番完成度が高い宗教はイスラム教である」と何度も繰り返している。書かれるべくして書かれたのでしょう。ヴェーバーを下敷きにし、同じ啓典宗教であるユダヤ教、キリスト教徒の比較、のみならず時に中国の歴史とも対させながらの解説はとてもわかりやすい。わかりやすすぎて「ホントか?」と思うところがあるくらい。僕自身は、他の書籍からイスラム教へのうっすらとしたイメージをつかんでいたが、やっと一つのまとまりになったような気がする。
ただ、これも小室さん的な見方かもしれない。よく考えたら僕が読んできた書籍の著者は、小室さんの薫陶を受けた人が多いのだった(笑) 他の人の本も読んでみないと、と考えつつ、博覧強記の小室さんから学んだことが、そう簡単にひっくり返るとも思えない。
イスラムを知りたければ是非とも読むべき本。ただし、キリスト教徒は胸くそが悪くなるかもしれません。前半はキリスト教をぼろくそに書いているところがあるので。最後まで読めば、その意味がわかるとは思いますが。
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密教の特徴は呪術性にあると私は考える。鎌倉仏教はむしろ日本密教と呼ぶのが正確だろう(ただし禅宗は除く)。祈祷(呪法)・曼荼羅(絵像、木像)・人格神の3点セットが共通している。
https://sessendo.blogspot.com/2020/03/blog-post_96.html