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紙の本
サッカー批評という冗談
2002/07/15 00:17
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投稿者:じゃりン子@チエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやあ、何というかこういう本大好きです。
戦略的な分析や、一次リーグ突破の為のあれこれなんてのは一言も載っていませんが、サッカーを無責任に楽しむことの面白さがこの本には凝縮されています。
オープニングは選手名鑑。バティストゥータ、ジダン、ベッカム等々という人選はスタンダードなものの、行間に漂うファンのエゴは思わず笑いを誘います。
マルディーニに添えられた「そう、DFは顔が命なのである」「独り秋田のみがいつでも人の一人くらい殺せますぜ、と言うディフェンダー顔をしているが」。
そう言われてみるとあるある! ディフェンダー顔! 稲本なんて天地がひっくり返ってもDFにはならない顔してるし。
「ジダンの頭頂部が禿げているのは偶然ではない。現代サッカ−の頂点に広がる不毛を物語る暗喩だ」。こんな勝手な書き出しから始まるページで、著者(この回は小田嶋隆)は何を主張するのでしょう。かつてのわがままで放埒な王者達の名を並べ、真面目に守備に徹する愛妻家のジダンに著者は、「いい人とはほど遠いんだけどそれこそ王者と言わせてしまうようなエゴ」をすすめます。こんなん。
「ジズーよ。キミは王だ。黄金の才能を持った本物の天才だ。王様らしく好き放題にやれよ。な。手始めに… そうだな、まず、女房を殴れ」。
大きなお世話だっちゅうの。しかし、全編この調子のこの本は楽しい。抜群に楽しい。スポーツの楽しみ方なんて所詮勝手なものなんですってば。
金子達仁も村上龍もカトリーヌあやこもスポーツを自身の欲望に当てはめて見て、その欲望をもとに金稼いでる点で同じなんですが、金子達仁や村上龍とこの本のライターが違うのは所詮河岸の人間のお遊びにすぎない「批評という行為」に対してどれだけ自覚的であるか、その一点でしょう。そう言う意味でこの本はケンキョです。くだらないトピックスもたくさんあります(キャプ翼の今後の展開とか、あだ名で呼べば通っぽい!とか)。でも、いいじゃん面白いんだから。
この本は「愛」と言う名の下に赦された大いなる冗談です。で、私冗談大好きです。だからこの本良書です。
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