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「いやいや、それはダメだ」とか「もうちょっと待ってなさいよ」とか、本のなかの人の人生にアドバイスをしてあげたくなる。
それは、本の中の人が生き生きとしていて、痛々しくて、なんとか幸せになってくださいよ、と思ってしまうからだ。うん。
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作家には、自分のリアルに近い作品、手のかかった子ほど可愛いものだと思う傾向がある。自分もそうだし彼女もそうだろう。しかし皮肉なことに、他者から見ればあくまで「手のかかった子」でしかない。長編なのに内容は濃くないから、正直少しダレた。そして、主人公の二人の運命性を、殆ど感じられなかった。登場人物に対する魅力もあまり感じられない。他の作品は、時にもっと読んでいたい気分にさせたが、「感情教育」についてはこの長さである必要を感じない。あるいはよく知らない作家の本であれば「へぇ」で終われただろうが、中山作品として読むと肩透かし食らった気分になった。
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<読了日;2004.10.01>
前半の二人の生い立ちの方が、後半、二人が出会ってからよりもテンポ良く読めてしまった…。
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<あらすじ>
第一章「サマータイム」では、那智の出生から結婚・出産まで。第二章「夜と群がる星の波動」では、理緒の出生からライターとして自立するまで。第三章「ブルーライト・ヨコハマ」で、那智と理緒、二人の主人公は出会い波瀾の物語は進行する。
那智は、生まれたその日に産院に置き去りにされ乳児院、養護施設を経て、田川家に引き取られる。誰にも何も期待せず、全てを諦めたような目をして常に他者に一線を置いて付き合う那智。やがて建築デザイナーの道を進む那智は、付き合う男性を狂わせるような女性になる。結婚・出産した彼女は、夫の実家で居たたまれない生活をし、自分の分身のような、そして唯一血の繋がりを持つ愛娘・れい以外に心を開かない。一方、理緒は、実父に遊園地に置き去りにされ、ホステスを天職とし男と金にしか興味のない実母にも省みられず、母の愛人の資金によって育つ。やがて理緒は有名大学へ進学、自分が女性しか愛せないことに気づく。
そんな那智と理緒という、共に孤独で報われない過去を持つ相似形の二人が出会い、恋に落ち、二人は互いが「魂の片割れ」であることに気づく。そして理緒は、感情を抑え続けてきた那智に、感情教育として那智の実母を捜すことを提案する。しかし、那智の離婚、最愛の娘・れいの親権など問題が重なり...。
<感想>
「これ一作でわたしは年老いた。一生ぶんのエネルギーを、あの恋で使い果たしてしまったように」と作者に言わしめる、小説。誰かにこの小説を薦めるとしたら、この言葉だけで充分なのではないか。作者・中山さんの身を切り刻むような恋愛を元に、那智のモデルとなったH(さん)に捧がれた恋愛小説である。作家と作品は完全に同一ではありえないし、小説という形になった時点で、あるいは言葉に置き換えられた時点で、事実は少なからず歪められてしまうものである、というのが私の言い分なのだが、ことこの物語に関しては、血がまだ止まらずに流れているような息づかいと匂いのある生々しいものがあった。それは、生々しい中山さんという作り手をすぐ側に感じてしまう、ということ。自分を切り開いて創作する、というのが痛々しいほど伝わってくる。
第一章・二章が、過酷な幼少期をとても醒めた視線で、どちらかというと早足でおっていく。個人的にはちょっと長すぎるような気もしたが、この章があったからこそ、第三章での二人の互いの大切さや「どうしようもなく」惹かれてしまうことに説得力が出るのだろう。
それにしても何とも感想のかきにくい小説。あまりにも深く、互いしか見えないような恋愛の物語について語るには、個人的な恋愛についての話をしざるをえないわけで...どうしようもないので書くが、私自身は「恋愛至上主義」的なものが苦手だ。誰かに自分の全てをわかってもらおう、ともあまり思わない。ましてや血が流れるような、ぎりぎりの所まで伝えあうのが「本当の感情の露出」なのだとしたら、そんなもの一生わからなくてもいいと思うし、そういうことに関しては鈍感でいい、と思っている。だからこそ、私はこういうエキセントリックな小説や音楽や映画を見ることができるのだと思う。そこに半分醒めた憧憬の感情を持ちつつ。「感情教育���は、私にも必要かもしれないが。
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傷ついた魂の持ち主同士が出会い、運命的な恋に落ちる。同性同士の恋愛を描いているが、恋の本質は何も変わらない。情熱に満ちた、100%の恋愛小説。
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何だろう、ヘテロには決して理解出来ない切なさだとかが今回の話では特に際立って表れず。男に抱かれていながら頭の中では女性に想いを馳せる方法で乗り切るやり方は、自分だけではないのだな、と、これは個人的な話。展開が読めてしまう話運びにガッカリ。100%純度な恋愛モノだからかな…星は2つ。
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全く別の生活をしてきた那智と理緒。ある部分は同じである部分では反対の思考を持つ二人が偶然にも出会い、偶然にも愛し合う。傑作です。
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下に同じく・・・・・。マラケシュ程の衝撃共感はなかった。何だか煮え切らないままはぐらかされたままに最後まとめられちゃった感じがした。うーぬ。3作続けたのは間違いやったかもー・・・・
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那智が捨てられたところから話が始まり、次に理緒の生い立ちが語られる。その二人が会い、愛し合うという話。好きなジャンルの話ではないが話にのめりこんでしまった。
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この物語は、本編だけでなく著者のあとがきまで含めてのものだと思う。本編を読み終わった後に、こんなに著者のあとがきが胸を突く小説を他に知らない。
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不幸な生い立ちを持つ二人の生い立ちから出会い、その恋愛を描く恋愛小説。その二人ってのがね、両方女の人なのよね。全体的にテンポいいし、生い立ちから描くことでその人の考え方とかの形成過程がリアル。同性愛だから純粋ってわけでもないだろうけど、「恋愛小説」として読むのがいいのでしょう。でもやっぱ完全に感情移入ってわけにはいかないし、それゆえあまりコメントもできないね。
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初中山可穂作品。これを読んだときに私はいろいろと悩んでいたんですが、これを読んで私と同じような人もいるんだって知りました。悩んでいた私の心に響いた作品。だから、とても思い出深い小説です。
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9/8 再読。しばらくおくとまた味があり。
恋って終わったあとじゃないといろいろわからないんだろうなあ。切ないなあ。と。
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これも女性同士の恋愛を基とした小説です。
3章に分かれています。
あたしがいちばん好きな中山可穂さんの作品です。
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内容(「BOOK」データベースより)
前世から契りあった恋人はあなたですか?
今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。
傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。
同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇。
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感情教育というタイトルに引かれて借りてみたんだけど
うーん・・・
イマイチだったかなぁ。