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紙の本
殺しなさい、あなたが生きるために・・・
2006/02/09 14:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クリオール - この投稿者のレビュー一覧を見る
記憶を失った主人公は、洗脳教育のエキスパートであるサイスマスターにツヴァイと名づけられる。
その日から彼の人生は変った。彼はアインと呼ばれる少女に暗殺術の基礎を叩き込まれる。
自分より小柄な女性アイン、しかし彼女は犯罪組織インフェルノのヒットマン”ファントム”だった。
冷血にして無慈悲、その凍てついた瞳に光はなく、まるで機械人形のような印象を受ける。
そんな彼女の下で指導を受けたツヴァイは少しずつ、しかし確実にアインに勝る能力を身に付けていった。
摘み頃と思ったサイスマスターはツヴァイに一つの試練を与える。
初めての殺人、それは彼にとって造作もないことだった。だがまだ非情になりきれていなかった彼は、殺した後罪悪感に苛まれる。
苦しむ彼のこめかみに突きつけられる銃口。
「どうしてほしい、わたしに?」
そう呟くアインに哀れの瞳はなく、表情が欠けている。
殺してくれ、幾度となく彼は心の中で呟いた。
落ちる撃鉄、しかし弾はでない。あらかじめ弾を抜いていたのか、それとも不発だったのかは分からない。
「苦しむのが嫌なら、あなたがあなたでなくなればいいの」
その日から過去の彼は死んだ。
そして数ヵ月後、いつしか彼は本当のツヴァイ、二代目ファントムとしてインフェルノに君臨する。
奪われた記憶、血に染まる手、枯れ果てる涙、戻れない道程、あがなえぬ罪、胸を抱く面影、遠い日の約束。
虚淵玄が織り成すハードボイルドアクションノベル。
二代目ファントムを待ち受ける悲劇と真実。そして惹かれ合うアインとツヴァイを待ち受ける結末とは。
バイオレンスロマンの最高峰がついに誕生!
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