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TVで観ることのできる著者の変態っぷりからしてみると、どうってことはない駄作に感じてしまう。けれど、子供が母親に読んで聞かせて貰ったのなら、それはそれで非常に恐ろしいと感じるかもしれない。
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霊より、生きてる人間の方がずっと怖いと思う。人間の心の闇ほど、ゾクッとするものはない。淡々とした遊女の語り口が、より一層じわっとした怖さを感じさせてくれる。じわじわと、張り付くような恐怖を味わいたい方にお勧め。
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怖いーーというか、気持ち悪いーー。
どんなうへえなのも平気なあたくしが、
お昼ごはんを食べながら、読めなかったです。
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今まで読んだホラーで一番陰鬱かつ陰惨。横溝のそれを凌駕します。オール岡山弁だけど読みやすく、色んな意味で後味が悪い。先生ご本人をたまにテレビ(主にバラエティ)でお見かけしますが、大変面白い人。好きです。
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この人の描く物語は、狭く深く恐ろしい。。。
登場人物が極限に絞られている中で進むスト−リ−は濃密で、読み進めるほどに息苦しくなってくる。体がどうにか入るくらいの箱の中に閉じ込められて、隙間から漏れてくる光でどうにか読書をしているような感覚。そんな不自由な状態でも先を読まずにはいられない。。。ってな本。
明治の遊郭で働く女郎が客に語る寝物語は、湿気と血と汗とカビ臭さの混じった嫌な暑さ感じるのに、背中はひんやり。。。脳ミソがじっとりと汗ばんでくるようなお話し。
女郎の岡山弁がなんとも、「ぼっけぇ、きょうてぇ」。。。。
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日本ホラー小説大賞受賞作。そして志麻子姐さんの名を世に知らしめた代表作。一昔前の日本の風土を描いたホラー。岡山の人はどう読むんだろう。
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日本古来の因習の、独特の闇が感じられます。好みはあるかも。私は好きですが。
中でも「あまぞわい」はショックを受けました。死んでもなお、男を恨んで泣くのは、愛する男のために命を捨てた女か、愛する男に捨てられて死んだ女か・・・。男と女のどうしようもないすれ違いと虚しさを感じて考えさせられます。
最近、TVで著者をよく見かけますが、好きです。独特の語り口で少々大げさにしていますが、「男と女」の間に横たわる欲望やエロを、正面から受け止めて語れる人だと思う。
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ぼっけえ、きょうてえ、というのはすんげー怖いよ、という意味らしいですが、実際怖かったです。描かれている人間が。あと、蛇足ではありますが、たまにテレビで見る岩井さんはとても面白い女性です。この人からこの文章が生まれるのかぁ…
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精神的グロさが好きでも、途中で目を逸らしたくなるところがある。でもそこが一番いいところ。貧乏って恐ろしい。西村寿行の「怨讐わかちがたし」を思い出した。最後も、あぁーそう来たか・・・と期待を裏切られてよかった。
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岡山県出身の今ノリに乗っているホラー作家。代表作「ぼっけえ、きょうてえ」は岡山の方言で、「すごくこわい」という意味らしい。時代小説のようにも思える言葉遣いだ。ちょっと恐い大人の昔話とでもいいましょうか。こえだめに赤子を捨てるという出来事が印象的でした。
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「オチ」が無ければよいのに、そう思ってしまう。
表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」はどきどきしながら読み進めた。この遊女の語りにはすごく雰囲気がある。だけどオチをつけようとする姿が見えた途端に、なんだかがっかりしてしまった。途中あんなにあった広がりを無理に収束させてしまった感じ。「もっとおもしろくなるはず」と感じてしまう。だって中盤までは本当にすごいのだ。
一般にオチがない事を「作者の逃げ」なんて言う。だけどオチをつける事がかえって「逃げ」につながることだってある。
本書は、評論家の小谷野敦さんが、『楢山節考』より優れている、とまで評価していた。けれど、どうしてそこまで評価するのかいまひとつ納得がいかない。(けー)
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遊郭で寝付かれずにいる男に女郎が語る身の上話。良い夢は見れなくなるよとやんわり念を押しながら、女郎は自分の半生を語ってゆく。それは、貧困の上に打ち立てられた地獄であり、その中で否応無しに翻弄されてきた女郎の語る物語は淡々としながらも確実に恐ろしさを伝えている。
怪談と言える落しであるのに、その恐怖を喚起するものが、怪談の範疇ではない。今まで私が読んできた怪談と定義できる要素からは外れているものが、怖い。
怪奇をストーリー内に収めながらも、その怪奇によって恐怖を感じさせるのではなく、寧ろその怪奇の存在など軽いものだとさえ思わせるほどの恐怖を、現実を描写する事によって表現した作品。
なんとも収拾のつかない言葉の羅列となるが、私にはそうとしか言えないような秀作。
なぜここまでこの現実に恐怖を感じるのだろうかと考えたとき、「密室」という言葉に行き当たった。
建物などの内にある密室ではなく、開かれた密室とでも言うのか。この作品の時代は陸蒸気が開通して間もない頃の明治。未だ前時代からの因習や未発達な技術が露になっている頃であり、そこから考えたなら推測できる、この作品中の人々の持つ世界の狭さ。地理的にも知識的にも閉鎖的な世界が広がっており、それが土俗を生み出し、逃れられない世界が出来上がり・・・、今に生きる私にとってはその世界の閉塞感・濃密な空気が怖さを感じさせてならない。まさに広い密室。密閉感。
その密室の中で因習に翻弄されて生きる者の死や生への麻痺。
人々に纏わりついて離れないこの土俗。
それを根付かせた、世界の大きさが、怖い。
そんな世界の中で翻弄されながら、女郎が言った言葉が印象的であった。
「自分で決めた。地獄に行くとな。
堕とされるんじゃない。自分で行くんじゃ。」
逃れられない事を受け入れつつも、その中で己なりに生きてゆこうとする意志と、ふいに零した優しさを書き込んだこの下りがある事で、単なるホラーでは終わらせない余韻があると感じる。
他に「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」収録。どれも閉鎖的な社会の中でより露になる人間の業を描き、人の暗闇を方言を効果的に使いながら引きずり出している。
お薦めと言うしかない一冊。
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一度読んだはずですが、相方さんに単行本を借りて再読破!…こわ…というよりもきぼち悪い…。岡山の貧しい農村部の悲惨な情景がこれでもか!というほどリアルに生々しく描かれています…。食事前、食事後、もちろん食事中などもってのほか!コレを読むと…ああ…ワタシ白いご飯食べられて幸せ…と心から思う…。一晩や二晩じゃ忘れられないその光景は…ひょっとしたらワタシの前世の光景なんでは…?と思わせられる、とても人事とは思えない感じ…。ものすっごくうまいんだな…この作者さんは…!
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どれもまた読了後の不快感が岩井流。気分が悪い、まぁまぁ。■ぼっけえ、きょうてえ/妾の不気味な身の上話。■密告函/流行病と女、焦燥の中で狂う男の様。■あまぞわい/。■依って件の如し
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ゾクッとする怖さ。死んだ者より生きている者のほうが実は怖いのでは・・・って思わせる一冊。一気に読み終えてしまいました。