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文庫にして約1700ページ。京極堂シリーズで一番好きな本である。京極堂の薀蓄が少なかったせいか、それとも私が慣れてきただけなのか、一回読んだだけで話を理解できた。しかし二回目に読んだ時に私は驚いた。二回目で、やっと話の意味を全て理解できた気がした。この本は二回目が面白い。自信を持ってそう言える。また今作に登場する織作茜に親近感を抱く。いや、似てるんだよほんと
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京極堂シリーズで一番気に入ってる作品。
桜散る中、神道基教etc入り混じってのオカルティックエッセンスに惚れ惚れ。
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「操とは一度立てた志を変えぬ事なのです。元々は時代を越えて不変に美しきもの、と云うような意味なのです」
「解らないわ。頑固ってこと?」
「つまりあり得ないもの、幻想なのです。貞女とはそのあり得ないものを護り続ける人なのです」(605p)
前巻と対応するかのような分厚さ、そして今度は女ばっかり!
初めから犯人が分かっていても読ませるこの凄さ。登場人物勢揃いの感があってこの巻からいきなり読んだら混乱すること請け合いです。
この巻から益田くんも薔薇十字探偵者の下僕に。マチコさん、いさま屋もさりげなく活躍しているのです。
桜が綺麗!
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妖怪シリーズ第5弾。
長さは鉄鼠と同じくらい、でもこちらは少々飽きるかと思われ。
正直犯人への手がかりというか、納得できるまでの確実さが足りなかった気がする。
ただアンドロギュヌスのあたりとか、そのへんに興味をそそられたってのは、あります。
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京極堂シリーズ第5作め。このあたりになると、かなり分厚くなってきますが、それが嬉しく感じてきたら、もうあなたも京極のとりこ。
この作品は、何だかキレイです、すごく。京極堂シリーズの中では3番めに好きです。
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物事すべて、こうであるべきだ。ぶちまけられたさまざまの事柄が糸をよるように最終地点に帰結していくその様はまさに京極マジック。
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ノベルス版以来、約20年ぶりの再読。初めて『姑獲鳥の夏』を読んだ頃は既に『鉄鼠の檻』まで出ており、リアルタイムで発売日直後に購入した初の京極作品となる。遂に〈後で聞いた話である〉の前口上すら無くなってしまった百鬼夜行シリーズ第5弾であり、関口不要論が囁かれてもおかしくない構成なのだが、逆に考えればそのお陰で登場人物中唯一蜘蛛の糸に絡め取られていない特権的地位を獲得出来たともいえ、おまけに今作をシリーズ最高傑作と見る向きも多いというのはなんたる皮肉だろうか。
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2005/9/ 3 読了 (紹介・小説)
京極堂シリーズ第5作
めちゃめちゃはまりました♪。
(詳しいレビューはまた後から・・・)
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京極堂シリーズ5弾 閉鎖的な学園内で起こる奇妙な事件。著者の作品の中では、私的にはこの作品が一番好きだったりします。
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よくある良家の姉妹と奥様にまつわる話・・・に見えるんだけど、それぞれのキャラがすごく立ってるんだなぁ。自分がよく知るマンガとかのキャラクターをキャスティングして、頭の中で映像化することができる。それって逆に言えば没個性的なテンプレートキャラクターじゃないのって話になるかもしれないが、それは知性的な会話の応酬で解決されている。小難しい台詞の端々が面白い。
ただ、あまりにも精緻で意匠を凝らした展開であるため(そうする必要のある話でもあったため)、わざとらしさ、後ろで筆を動かす作者の影がチラついて、少し醒めるところもある。
最後の京極堂による薀蓄も、いささか精彩を失っていたのではないか。論理や洞察力ではなく、予知じみていた感じがする。
だけど、読んでいる最中に幾通りか考えていた結末は、凡そ外れていた。先の読めない展開も多くて、エキサイトした。
何と言ってもこの話の見所は、ヒロイン役ともいえる織作碧の可憐さ。儚さ。その裏表。まあヒロインと呼ぶには語弊があるやもしれぬけども(笑) ベストキャラクター賞を差し上げたい。何だそれ。でも本気で彼女には入れ込んでしまった。何とかしろ、京極!って感じ(笑)
あと京極の文章は、地の文がかなり笑える。ほとんど三人称のくせに、著者のツッコミみたいな笑い要素が入ってて、シリアスな場面なのに笑えてしまうところがあって好きだ(笑)
先を読み進む快感のある話だった。量の割には、それほど多くの活字を読んだ気はしない。これはぜひともオススメしたい。
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本が重い。すごく重い。話も重い。女学院の雰囲気が個人的には印象的。事件の仕組みは途方も無く壮大だなと思った。
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京極堂(妖怪)シリーズ5作目。
これも私的シリーズ内でベスト3に入るくらい好き!
ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが
この犯人私は結構好きだったり(苦笑)
今回は関くんが殆ど出てこない珍しいお話‥。
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約1400ページの大作。これを無理やり一冊の文庫本にするのはどーなんだ、といまさらだけど問い詰めてみたい。分厚すぎて持ちにくい。カバーがよじれる。
それはともかくレビュー。
それぞれ違う場所で起こった、犯人も被害者たちの共通点もまったく違う連続殺人。その場にいあわせることになった登場人物たちが、事件を追うにつれてたどり着くのは「蜘蛛」。蜘蛛とはいったい誰なのか。全ての事件はこの蜘蛛が操っているのか。
京極堂は、蜘蛛はなにも犯罪を犯していないはずだ、という。ただ、丹念に、綿密に糸を張っただけなのだ。そこにかかった者は、いや事件に少しでもかかわった者は、糸に絡められ、もがいてももがいても、もがけばもがくほど身動きが取れなくなる。想定外の要素が入り込んだとしても、蜘蛛のシナリオは決して崩れない。織物の糸のように縦横に交差したそれらの糸は、京極堂たちを少しずつ絡めとっていく。
京極堂がいうように、いくら一つ一つの事件を解決しても、それは蜘蛛の描くシナリオの進行具合を少し早めるだけなのである。登場人物の奔走にも関わらず、次々と犠牲者が出、そして蜘蛛のシナリオが完成して結末を迎える。
読者としては、蜘蛛の糸というより、京極道の話術に絡め取られたような気がしないでもない。
一部、綾辻氏の館シリーズのような閉塞感と、全体に漂う虚無感が、物語をいっそう暗く、重くしている。しかしそんな中でも登場人物たちの会話は、ひそかにニヤリとしてしまうほど軽快。
このシリーズの今までの事件さえも絡まった今回の事件だが、一部つながりがはっきり理解できないところなどあり、☆4つで。
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冒頭での、犯人と京極堂の会話―このシーンが個人的にとても好きです。 女学院が舞台になったりと、少し魍魎の雰囲気も感じました。女って恐いですね;;
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妖怪の特性になぞらえて進む殺人事件の傑作は、今回もまたそのページ数の多さに見合うだけの面白さを与えてくれる。タイトルに妖怪名がしっかりと入っているため、おおまかなあらましは分かっている。分かっているのに詳細はわからず。ただあらゆるところで出てくる蜘蛛の二文字が、物語の収束を暗示し、そこにたどり着きたい欲望をつなぐ。張り巡らされた蜘蛛の巣が、多発的に発火し、真ん中に棲む蜘蛛の仕掛けは探偵と古本屋をして、介入は無駄であると言わしめる。そして、古本屋と真犯人の最後の会話は、実に冒頭に描かれる。そこで心をわしづかみにされたまま、今回も京極夏彦の語りに巻き込まれていってしまった。