紙の本
遂に復刊された最高傑作
2003/01/03 03:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:榎本秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『隣り合わせの灰と青春』でゲームノベライズの世界に新風を巻き込んだベニー松山(以後ベニ松)の最高傑作といえるのが本作である。
『隣り合わせの灰と青春』はただただストーリをなぞっていくだけのノベライズ作品に対して、著者独自の大胆で、それでいて外れのない解釈をぶちこむことによって新風を吹き込むことに成功した作品だ。
そんなベニ松が次に長編として取り込んだのが本作だ。
作品としてはゲームのシナリを元にしているのだが、詳細な設定と描写でベニ松サーガを形成することに成功している。
発売当時、なんと10日で完売となり、諸事情で絶版になり、入手困難となった本書がこの度、復刊され、さらに『不死王』まで収録というのは大変喜ばしいことだ。
これら三部作を読むことで、ベニ松なりの解釈ゲーム世界と影の主人公とも言える『不死王』の魅力が浮かび上がってくるのだ。
是非、ベニ松には新章を書いてもらいたいものだ。
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後から冷静に思うとハチャメチャな展開づくしなんですが、読中はとにかく手に汗でした。「不死王」も必読。
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コンピュータRPGの元祖である「Wizardry」のファミコン版III(IIとの関連性もあり)を原作にノベライズした傑作。その復刻版で上下巻。本作品には絶版となった同名作品の他に、関連した短編を加えています。
さて、コンピュータゲーム(コンシューマ含む)をノベライズした作品は、大抵箸にも棒にも掛からない駄作か、良くても凡作だったりするのですが、これは本当によく完成されています。また最近ではゲームの原作者が「マルチメディア展開(死語?)」と称してゲームのシナリオをそのままなぞってノベルに書き起こしたような、どう好意的に解釈しても「小遣い稼ぎだろ」と邪推してしまうような内容の物が多いですが、そういう輩には作者のベニー松山氏の爪の垢を煎じて飲んで欲しいものですね。
逆を言えば原作者でもないのに、ここまで「Wizardry」という閉塞した世界観をここまで広げて、しかも破綻していないのは本当に凄いと思えます。ひとえに作者のWizardryに対する愛のなせる業なのでしょうねぇ。
ちなみに本作には「隣り合わせの灰と青春」というファミコン版Wizardry Iを原作にした前作に当たる作品があります。これも興味があれば読んでみる価値はあるかと(完成度は本作より落ちますが)。
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ファンタジーRPGの傑作Wizardryの
Legacy of Llylgamynを小説化した
ハイファンタジーノベル。
ゲームの雰囲気を余す事無く堪能できる
一冊
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Wizノベライズ物の名作といわれる逸品。うわさにたがわないクオリティ。
ゲームを知らずとももちろん不都合など無い、爽快なファンタジーになってます。
主人公の忍者は強いですが、ピンチにつぐピンチで「どーせ主人公Pが勝つにきまってるし」といった安心感を抱く隙を与えない。何せ元がWiz、必ず全員生き残る保障なんて無いですから!ゲームのルールを忠実に再現したと言える戦闘シーンも見所かと思います。
あと、あまりやりこんでない身としては、使える呪文が、わかりやすい効果描写つきで出てくるので、自然に復習できて良かった。
先にこちらを読んでしまったけど、前作「隣り合わせの灰と青春」も近いうちに読む予定。
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なくしたと思った本が復刻された、ってのがなにより! なにより、ね! ほんと本屋で見つけたとき嬉しかったです。
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ゲームの小説化?らしいのですが、原作を知らなくてもすんなり入り込めました。まさにファンタジー!な作品。全体的に重い雰囲気ですが、そこがまた大好きです。
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聞いたことのない作家だ、どうせコンピューター・ゲームを基にした三文小説、などと努々侮ることなかれ。
確かにRPG「ウィザードリィ」の世界を多少なりとも知らなければ理解し難い箇所や表現もあるだろうが、それを抜きにしても一級品の小説である。
小説という様式を何も外すことなく踏襲しつつ、それでいて幸か不幸か(この本のケースでは明らかに幸の方だろうが)魅力的で伝統的な原典を持っているところが、何より物語の生命力をより強化している。
語彙の選び方、章の積み上げ方、随所随所の盛り上げ方なんかに表れている筆力はともすれば名の通ったミステリー作家たちに遜色がないどころか凌駕している。
デビュー作「隣り合わせの灰と青春」のカラーそのままに、さらに戦闘力が上がっている。
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ウィザードリィというタイトルに心トキめく世代として、この小説版のタイトルも同じく心に残るタイトルな訳で…
でもいまだ読んだ事はないんだけど。
何か言葉に出したくなる、詩的なタイトルだよね。
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この小説は隣り合わせの灰と青春の続編で、私の気に入っているWizardryというゲームをベースとしています。小説自体の完成度はそれほど高くありませんが、ゲームをプレイしたことのある人には頷けるような小説の内容となっていて、読んでいてうれしくなります。この本を物置から出してきて読むとついWizardryをプレーしたくなってしまいます。新しいパーティを組んで迷宮探検に出たくなってしまいます。
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序章が主観視点と客観視点がぐちゃぐちゃに入り乱れていて非常に読みづらく、この先どうなることかと思ったが、二章から面白くなってきた。ただ、構成が「砂の王」に似ているような気がするのが気にかかる。
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ベニー松山氏による、『隣り合わせの灰と青春』の続編。
ウィザードリィ世界をベースにした、ファンタジー小説の最高峰。
内容のおもしろさはもちろんのこと、文章を書いて生きていくことを決定付けた土台のような存在。