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原書房に出版元が変わってからというもの、このムックの内容の充実振りには目を見張るものがあり、今年もその例に漏れなかった。
まず評価したいのは表紙のデザインが変わった事。デザインとしてはシンプルだが、今まで続いていた何の脈絡も無いおどろおどろしいイラストから解放された爽快感だけでまず十分である。前年までの装丁ではホント、屋外では読めなかったよね、変人扱いされそうで。
あとそれぞれのコラムに「創元語」とも表現すべき小難しい言語が一掃され、非常に読みやすくなったこと。前年もそうだったかもしれないがこの効果は非常に大きい。
しかし残念なのは相変わらず海外本格ミステリの扱いの小さいこと。もっと真剣に取り上げてよ!!今の本格読者のシーンに足らないのは古典ミステリや海外ミステリを読まないで日本の新本格のみを溺愛する傾向にあることは既にメンバー員の中でも周知の事実であり、その弊害が所謂「脱格」系の新人作家を生むことになったことを憂いているのにこの扱いはないだろう。この辺が勿体無く思うのだ。
あと映像関係のマニアックさ、同人誌の紹介などマニア向けの企画が続いているがこれは仇花だろう。これが故に五ツ星になり得ないのだけれど。