紙の本
映画を見ているような感動
2004/01/26 23:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょいかごねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「亡国のイージス」が非常に良かったので、本作も迷わず手にとった。内容はというと、得体の知れない秘密兵器、特殊な艦船に集められたいわくありげな乗組員、陰謀、そこに繰り広げられる男のドラマ、とこれまた前作とそっくり。なんだ同じじゃないかと思うけれど、それなら前作と同じような感動が味わえるに違いない、と逆に期待は高まり、果たして期待通りに感動してしまった。
あえて前作と比較すると、本作ではかわいい女の子のヒロインが出てくるので、前作よりはちょっと雰囲気がいいけれど、半面、無骨な海の男の物語に水をさしているとも言える。個々の人物のキャラの深み、という点では前作に一歩譲るように思うけれど、イメージの鮮明さ、ドラマの仕立ては前作以上である(ちょっと筋立てに無理があるけれど)。
前作も含めて、これらの作品の特徴として最も強く感じるのは、場面場面の情景が、映像のように非常に鮮やかに目に浮かぶ、という点だと思う。構図までばっちり決まっていて、まるで映画の1シーンのようである。多分本書を読んだ人は10人が10人とも、ほとんど同じ情景を思い浮かべるのではないか。視覚イメージに受動的に従って、迷わず一気に気持ちよく読めるので、こんなに分厚くても全然気にならない。これぞ極上のエンターテインメント、といえると思う。
紙の本
あと一歩で大傑作なのに
2003/05/09 21:46
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投稿者:竜巻小僧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうして最近の小説家こうも長いんでしょうね。たしかに本書は作者にとっても,近年の日本冒険小説界においても,記念碑的作品たり得ているとは思います。SF的アイデアを用いながら,リアリティある潜水艦戦術&戦闘描写,登場人物一人一人にいたるまで,各自の心理と背景をおろそかにしない書き込みの見事さ。いずれも素晴らしい。しかし正直,長すぎて一気読みするには疲れました。いろいろ書きたかったのも作家心理として分かる気もしますが,なんでもかんでも書けばいいというものでもないはず。もっと刈り込めばこの2/3程度の分量でシャープな傑作になっていたのではないでしょうか。
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正直、最初の100ページちょっとまでは読むのが辛かったのですが、物語が転がり始めると、読むのを止められなくなりました。
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第二次世界大戦末期、「あるべき日本の終戦の形」のために五島列島沖に沈んだドイツの極秘兵器「『ローレライ』を回収せよ」海軍のエリート大佐浅倉から秘密裏に下命を受けた絹見艦長以下、潜水艦『伊507』の乗組員たち。しかし秘密裏の作戦ということもあって、彼らはその胸のうちに何かを秘めた者ばかりの寄せ集め部隊だった。
その彼らは「ローレライ」がどのような兵器なのかまったく知らされぬまま米艦の追撃を受けながらも回収し、驚愕の事実を知る。だが、それは浅倉の理想とする「あるべき終戦の形」へのほんの序章に過ぎなかった…。
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戦争・・・
もはや原因も定かではなく、
誰ひとり自信も確信も持てないまま、行われている戦争。
あらかじめ敗北という選択肢を持てなかった戦争。
茶番と括るには、あまりにも重すぎる戦争。
――その潜水艦は、あてどない航海に出た。
太平洋の魔女と恐れられた兵器“ローレライ”を求めて。
「彼女」の歌声がもたらすものは、破滅か、それとも――
長いです。非常に長いです。
始めSFなのかなと読んでいたら
当時の軍事専門用語とかバリバリだったです
途中苦痛になるかもしれないです
実際僕も大変でした
ぶっちゃけ飛ばしながら読んでいた個所も幾つかあります
でも、、終わった時は「もう終わりか・・・」って感じでした
理由は後半の物語の加速が凄いからだと思います
この本読み終わった後、暫くの間椰子の実の唄聞くだけで泣きそうになりました
テーマは今まで作品の中で一番重いと思います
色んなものが交差しています
太平洋戦争にて既に敗戦が決まりきっている中での登場人物達の苦悩
何のための戦争なのか。何になるというのか。戦うものの本音。
戦争から日本人が学んだ事とは?
戦争とは?命とは?国家とは?
「戦争を知らない世代」である僕らが学ぶべきことは?
この作品には戦争はいけないとかではなく、
その時その時を必死に生きる人の「今」が描かれています。
戦争を知らない僕達が生きる「今」と比べてください
悲鳴の無い海を目指すもの。
希望という名の椰子の実たちは大海に乗り出して行きます。
映画化が決まってる作品です
第24回吉川英治文学新人賞。第21回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞。
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下巻の途中まで読むのがしんどかったです(^^; テーマとして重たいのはわかるんだけど、ちょっと重ねすぎかな?もっとスマートに持っていくこともできたんじゃないかなぁ?けど、ラストはいいね。長々と読まされてつまんなかったら最悪やけど、終わりがよかった、ほんと読み終えてよかったです(^^; ほんと、途中でやめようとおもったもん(笑)
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2005年に映画化が決定したが、そのことがかなり不安である。なぜなら、この原作がすばらしすぎるからだ。普段ハードカバーはあまり買わない自分が、買ったというだけでそれほどの魅力がこの作品にあったのだろう。表紙がまたすばらしい。
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無駄が多すぎる。日本語に懲りたい気持ちはよくわかったけれども、稚拙だ。いまだにハードカバーに高いお金を出したことを後悔している。筋がよく考えられているのは認めるが、馬鹿馬鹿しくて最近読んだものの中で一番の駄作。
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今、話題の映画と同名小説。映画とは筋書きが違うようですが、業を背負って生きている人間達の心の葛藤を芯に、任務遂行を果たそうとする人たちが絡み合い、最後は日本人だなと納得してしまった結末。長いですが、一気に読めますよ。映画も期待しています。それにしても役所広司の絹見艦長は渋そうですね。
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時代は第二次大戦末期。死を美徳とし負けを知らない日本。
戦利潜水艦<伊507>に収集された搭乗員達のドラマが細かい。
まずなにより装丁に目を惹かれて買ったというのが本音(笑)。中身はそれに負けないくらい濃かった!
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下巻だけでも話は分かりますが、下巻に続く大きな役割を果たしています。たくさんの設定が、この世界をより引き立てています。
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よく福井サンの本を「リアリティに欠ける」と評する人がいますが、福井ワールドはファンタジ〜*なんです。ローレライも例に漏れずファンタジ〜*だと言う事を念頭に置いて読んでください。バリバリ軍事物という先入観だとを持って読むとガッカリする様です。
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分厚いわりにさくさく読み進められました。最初はしんどいなーと思ってたんですが(人物があまりに多くて)気づいたらあっという間でした。特に下巻が。
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戦争を知らない私にとって、あまりにも重過ぎる。でも投げ捨てちゃ駄目だと思わされる。あの時代の上に生きているんだと、自分を叱咤し懸命に生きなければと思わせてくれました。
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映画「ローレライ」の原作です。映画は、主要キャストがリストラされて役割を兼任してる人がちらほら。メッセージは共通で、海戦シーンが小説ならではの技でダイナミックに描かれています。読後に福井氏のHPに行かれると楽しいですよ☆
子供に未来を残す、それが大人なのです。ハードカバー版上下完、文庫版全4巻。