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インフォアーツ論 ネットワーク的知性とはなにか? みんなのレビュー

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紙の本

ネット生活のお伴に

2003/01/28 23:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:桃屋五郎左衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ネット掲示板を見ていたり、メーリングリストに参加していると、極端な意見が飛び交ったり、特定の見解が場を圧倒して多数派意見のように錯覚され反対派を沈黙に陥らせたり、ある種の話題が他の何にも増して当面考えるべき問題であるかのように見えてしまったりする光景に遭遇する。本書ではこれらをリスキー・シフト現象、沈黙のらせん現象、メディアの議題設定機能といった社会学でマス・メディアや流言を分析する用語を用いて説明する。筆者は、ネット上のコミュニティもまた人が集まる空間であるという認識に立っているがゆえに、このように社会学的な分析理論を駆使してヴァーチャルなコミュニティを考察することが可能だという。しかも、こうした認識によって、現実世界とヴァーチャルな世界を分離して考える視点からは設定しづらい、ネットを通じた市民の育成とコミュニティ形成の可能性といった課題が取り出されることになる。

 インフォアーツとは、「市民として自律的に思考し、行動するのに必要とされる基礎的な教養・教育」であるリベラルアーツを源流としていて、インフォテック(情報技術)の対抗概念として提示されている。が、両者は単に排他的な関係にあるのではなく、後者を前者が包含するものとして捉えればいいだろう。本書では、メディア・リテラシー、情報調査能力、コミュニケーション能力、シティズンシップという四つの柱からなるインフォアーツという概念を駆使して、ネット・コミュニティ、情報教育、市民的公共圏といったテーマが取り扱っていく。

 最初の二章では、初期のネット・コミュニティがガバナンス原理に基づいて一種の市民主義的文化を合意形成してきたものの、それが匿名性の増大、統制主体の欠如、大量性によって崩壊しつつあることが指摘される。次に冒頭で紹介したネットの言説空間の諸現象を説明しているくだりが続くが、この部分はメーリングリストや掲示板の管理者にとって大いに参考になる視点を含んでいるのではないかと思う。第三章では高校の情報教育が俎上に上せられ、それがインフォテックに関する教育に限定されることへの危惧が表明される一方で、初期のネット社会が有していた市民育成の機能をインフォアーツの理念に基づいて情報教育に託す方向性が示唆される。
 筆者の考えるネット社会を生きていく「市民」のあるべき姿(眼識ある市民)が具体的に論じられるのが第四章であり、これに続く二章がこの「市民」像の具現化の手段、つまりインフォアーツの実践のための具体的な提案に充てられている。著者はインフォアーツ教育の場として対面集団を想定していて、そこから、大学であれば授業クラスごとのメーリングリストの開設や掲示板などの活用、さらに一般社会では生協、PTA、NPOなどのローカルな組織がふさわしいと提案する。さらにネット・コミュニティにおける「専門家」の果たすべき役割についても言及される。

 ネット・コミュニティの現状に対する分析は、私たちが日頃感じていることを明確に指し示してくれる。それよりも興味深いのは筆者の提示するネット・コミュニティの未来像で、いつでも参加者が対面できるローカルで小規模なグループを「苗床」としてインフォアーツの育成に活用するという筆者からの提案は、充分に実現可能なものだと思われるし、「苗床」が成長すれば次にそれらを相互にネットワーク化することで「分散的知性」の連鎖を実現するというヴィジョンも楽しい。
 本書は情報教育に携わる人、あるいはこれから携わろうとしている人にとって大いに示唆されるものが含まれていると思う。また、メーリングリストや掲示板の運営者だけでなく、その参加者、多くのネット・ウォッチャーにとっても、特にメディア・リテラシーの面で刺激をもたらすだろう。

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2005/05/03 17:32

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2007/04/08 20:27

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2010/05/28 20:44

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2015/04/16 15:56

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