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映画監督になることを夢見ながら太平洋戦争に徴兵され、南方に散った25歳の青年が、軍演習場で書き続けた日記。殺伐とした時代に、彼が描く人や景色はひどく美しい。生きていることの素直な喜びに満ち溢れている。
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当然のことなのかもしれないが、60年前の若者も今の若者と何ら変わりない。お金が無いけど、欲しいものは沢山あるし、お金があれば気の合う仲間と飲み歩く。戦争なんていう非日常の世界に急に参加させられれば、表面上は勇ましいことが言えても内心はそんなものじゃない。私は、これを読んで彼にとても親近感を覚えた。そんなものである。
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「秋風ガキタ。
オマエ、カラダ大事ニシテクレ。
虫ガ、フルヨウダ。」
戦争を描いた小説がある。映画がある。絵がある。
世の中にいっぱいある。
俯いても、涙を流しても、届かない解らない。
私達はそこで生きたことがないのだから。
だけど、この人の言葉は
私達に生きたまま届いてくる。
彼にとって、書くことは、生きることなのだろう。
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今まで戦争について歴史であの時代のことを勉強してきたけど、20代の方の言葉でもそこはどこか遠くの手に届かない世界だった。
この方の言葉は遠い世界ではなくてもっと身近な世界で言葉が生きたまま届いてくる。
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映画監督を志す普通の青年が軍隊に入っても書き続けた詩や日記。
軍隊に入るまでのありふれた学生生活は自堕落で気ままな生活でダメだなぁと思ったり笑えたり、きっと誰にでも身に覚えがあるもの。
軍隊に入ってからは厠で隠れて綴っていたという日記はやりたいこともできない自分の思いと、戦争に対する思いとで葛藤しているような、複雑な思いに揺れるのが読み取れる。
(その割に訓練をサボったり芸術話しがわかる仲間を見つけて嬉しくなったり、という変わらないところも)
いわゆる戦争体験記とも違う、戦地へ行かねばならない普通の青年の思いと、戦争の辛さが分かる貴重な一冊。
「物事を、ありのまま書くことは、難しいどころか、できないことだ。書いてなお、そのものごとを読んだ人にそのまま伝えることになると、絶対できない。
戦争がある。その文学がある。それは、ロマンで、戦争ではない。感動し、憧れさえする。ありのまま写すというニュース映画でも、美しい。ところが戦争は美しくない。地獄である。地獄も絵に描くと美しい。描いてる本人も、美しいと思っている。人生も、その通り。」