石原さとみファースト写真集 みんなのレビュー

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投稿者：光森長閑　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

2002年のホリプロTSCグランプリ・石原さとみちゃん待望のファースト写真集です。文藝春秋と美少女タレントの写真集というのは少し意外な取り合わせという感じがしますが、中身は極上の出来。根本好伸、熊谷貫、原田達夫の3人のカメラマンがそれぞれの個性を出しながらグランプリ受賞直後からの彼女の表情を追いかけていくというなかなか興味を引く作りになっています。デビュー当初はロングヘアーを束ね額を出すヘアースタイルで割に古風な印象でしたが、最近では髪を切って少し今どきな雰囲気に。芸能活動を始めたばかりの今が一番変わっていく時期だけに、わずか半年あまりですが大きく成長していく姿をレンズはしっかりととらえています。その秘めている大いなる可能性から「原石」をひっくり返して芸名にした彼女ですから、この写真集における方向性も極めて明確で、肌の露出で人目を惹こうなどという思惑は一切ありません。いたずらに水着ショットを増やして男性ファンを釣ろうとする写真集がはびこる近頃ですが、濁り一つ無い彼女の存在感だけで勝負しようとする制作者たちの意気込みには賞賛を送りたくなります。また、実際どこを切り取っても彼女の純粋無垢を絵に描いたような存在感に圧倒されるばかりで、やはり力のある人には何の小細工もいらないのだということが改めて実感されます。TSC出身者でデビュー当初同じように純粋性を前面に出した展開を取った人には平山あやがいますが、さとみちゃんと異なる点は、どちらかというと素朴性に重きが置かれ、原石性はあまり重視されなかった傾向があったことでしょう。したがって高校卒業で重しが取れた現在、バラエティ展開の傾向が強くなりました。そういった原石性重視という観点から、今後深田恭子的な路線を継承していく可能性が強く、特に深田恭子が20代になった今、ホリプロの10代の女優部門のエースとしての期待感はますます高まっていくことでしょう。ただ、一瞥しただけでわかるとおり、深田恭子とでは方向性がまったく違うことから、昨今のホリプロには例がない石原型の女優をブレイクさせられるのかという采配には大いに注目していきたいところです。いずれにせよ、これだけの存在感を放っているさとみちゃんですから、その実力を遺憾なく発揮さえしてもらえれば何の心配もなく、これからもその魅力を見続けたいと思うばかりです。