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半分以上が著者なりの小説を書く事に関しての考察。言っている事が矛盾しているので微妙。「物語の体操」の続編みたいな本。
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何故、雨宮一彦の解剖シーンが私にとってショッキングだったか
に対する答えの手がかりがある。
物語の中で人を死なせるにはどうすればいいか、とか。
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元ネタのキャラクターを一度抽象化する
名前や年齢や性別やキャラクターが属する「世界観」を全てとっぱらっていって「7つの顔を持つ探偵」であるとか「頭がスケルトンの男」といった程度のキャラクターの固有性が消滅するレベルにまで抽象化する。その上で、そこに改めて元ネタとは全く異なる外見や性別や名前や時代背景を与えてあげる。キャラクターを別のキャラクターに「変換」する
y=f(x) ex. 雨宮和彦=7つの顔を持つ探偵(多重人格、美形のにーちゃん、元刑事) 多羅尾伴内=7つの顔を持つ探偵(変装の名人、おっさん、元怪盗)
主人公の外見上の個性からいかにドラマを導き出すかがポイント。キャラクターの外見と物語を結びつける。中核となる設定はひとつでいい
なんの根拠もなく「冷酷で非情だ」と設定するからキャラクターの性格が不安定になる
オリジナリティとはパターンの組み合わせである
お話には法則がある(アラン・ダンダス)
①何かが欠けている
②課題が示される
③課題の解決
④欠けていたものがちゃんとある状態になる
基本となる法則:欠乏→欠乏の解消
サンドイッチの具:
課題→課題の達成
禁止→違反→結果
欺瞞→成功
脱出の試み
脇役の欠乏と欠乏の解消
「おもしろさ」
①他人の私生活や読者が知らない未知の体験のもたらす「おもしろさ」
②お話の法則に支えられた「おもしろさ」
たいてい2つのミックスで成り立っている
「世界観」の発想法
今の世界とちょっとだけズレた世界を作る
象徴的なものではなくあくまでも「外的な目的」であることが求められる。頭の中に漠然とあるものではなく、より具体的でなくてはいけない。「夢を求めて」なんていう具体性のない目的は却下される。主人公の持つ「目的」にいかに具体的な輪郭を持たせるか、が「私」を作る上でハリウッド映画がもっとも重視する作法。ただ「私」があればそれで済む日本の「私小説」との違い
世界観及びルールを作るゲームデザイナー、その中で成立する具体的な一本一本のお話を管理するゲームマスター、ゲームマスターにリードされて役割を演じるキャラクター
「細部」が作品の主題と結びついているかが主要なポイント
ストーリーの構成要素(ニール・ヒックス)
①バックストーリー
②内的な欲求
③きっかけとなる事件
④外的な欲求
⑤準備
⑥対立(敵対者)
⑦自分をはっきりさせること
⑧オブセッション
⑨闘争
⑩解決
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個性的な創作のメソッドを説く大塚さん。
「仮想現実のキャラクター」や箱書きの書き方について勉強になりました。
実践できればいいけど……
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読み終わった瞬間、少し戸惑った。面白すぎる。内容が七色に様変わりし、軽い導入部から一気に文学論までを痛快に書き上げた本作品。著者が巻末で述べるように、この本は「実用書」であり、「同時に新しい文学入門書であり、本気の文芸批評」であった。
y=f(x)と数式化することで機械的にキャラクターは生み出されるのだというノウハウを、手塚治虫氏の方法論と共に展開させていく。入り口はとても軽い。私でもこれなら作れるんじゃないかしらと思わせる書きぶり。そして、民謡から現代のハリウッド映画でも共通する公式を、鮮やかに読者に見せつける。しかし、そこから「壊れやすい人間」「分野の固有の方法では描ききれない限界」「世界観」「細部にテーマという神を宿らせること」等、いきなり話は難易度を上げていく。ここでは、もうすでに創作を手がけている人向けの内容に踏み込まれている。抽象的なことを著者は述べているようだが、具体例も鮮やかに並べられ、説得的で面白い。頁をめくるのが楽しくなる。
鬼気迫る物を感じさせる、一番最後の「文芸批評」は、ライトノベルという線引きされ、いわゆる「文学」とは格下のジャンルというレッテルに対する、著者の肉薄した叫び声を感じた。また、そう批評されても仕方がないと、多くの作家志望者の安易なキャラクター小説の作り方に対する痛みを伴うアドバイスを綴っている。
そして、文学入門書の箇所は、近代文学の脈動をぴりぴりと肌で感じることが出来た。限界を自覚すること、その苦悩と新しい物への融合、戸惑い。連綿と受け継がれた文学界で、人々の息吹が感じられた。
正直、酸いも甘いも噛み分け尽くし、文学の世界で生き抜いてきた著者の肉声を、すべて理解できたとはいえない。自分が行き詰まったところで何度も触れ、その深みを理解していけたらなと思う。
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こういう新書にしてはすごく読みやすかった。キャラクター小説に限らず小説全般に通じる話もあって、面白い。書く人だけじゃなくて読む人でも楽しめる。
2010/5/26
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既読の『物語の体操』は、この本の第二弾だと聞いて、こちらも読んでみました。
マンガ、アニメ、ゲーム、「スニーカー文庫」のことが延々と登場します。
キャラクター小説とはなんだろう?と思いましたが、それは「スニーカー文庫」の一連の作品群のようです。
ただ、スニーカー文庫の定義をライトノベル前身ととらえて良いのかよくわからず、すこし曖昧なまま読んでいきました。
『物語の体操』よりもわからない作品が取り上げられており、マニアックな感じがしました。
オッドアイが、このジャンルにおいてそれほど多用されているとは知りませんでした。
私が知っているのは『ローゼンメイデン』くらいですが。
ほかに、ピンクレディーの「ウォンテッド」の歌詞、「ある時謎の運転手 ある時アラブの大富豪 ある時ニヒルな渡り鳥 あいつはあいつは大変装~♪」は、映画の多羅尾判内の名台詞を借用したものと知り、驚きました。それは、著者の作品に登場する名探偵、雨宮一彦のキャラクター設定にも転用されているそうです。
「キャラクター作りとは方程式である」として、パターンの組み合わせでキャラクターを特徴づけていく方法は、明解でした。
『物語の体操』のように、ここでもカードとエンピツだけで実践できる小説のカード化、「カード&プロット法」が紹介されていました。
後半で、著者は日本文学を自然主義からのリアリズムに支えられた「私小説」と、まんが的非リアリズムの「キャラクター小説」に二分して批評しており、明解ながらもかなり思い切った極端な分け方に驚きました。
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「サイコ」や「マダラ」など有名マンガ原作者が
キャラクター小説の作り方を解説した本。
極めて論理的に書かれていて、読み進めていけば
キャラクター小説の作り方の全貌が見えてくる構成。
新書でコンパクトですが、内容はぎっしり詰まってます。
良い本だ。
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[ 内容 ]
物語の舞台や登場人物をどう設定するか。
オリジナリティ、「おもしろさ」とは何か。
みるみる書ける小説入門。
[ 目次 ]
第1講 キャラクター小説とは何か
第2講 オリジナリティはないけれどちゃんと小説の中で動いてくれるキャラクターの作り方について
第3講 キャラクターとはパターンの組み合わせである
第4講 架空の「私」の作り方について
第5講 キャラクターは「壊れ易い人間」であり得るか
第6講 物語はたった一つの終わりに向かっていくわけではないことについて
第7講 テーブルトークRPGのように小説を作る、とはどういうことなのか
第8講 お話の法則を探せ
第9講 「世界観」とはズレた日常である
第10講 主題は「細部」に宿る
第11講 君たちは「戦争」をどう書くべきなのか
最終講 近代文学とはキャラクター小説であった
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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前半のハウツー的解説はなかなか理論的で面白い。それだけに後半、まとめに近づくにつれて作者の主義主張が激しくなる部分は「なぜ今そんな話を?」と思ってしまう。物語の基本構造の話などためになる部分も多いので、一読の価値はあり。
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やっぱり、ボードゲームが話にかかわってこないといけません。
1話で1つボードゲームの紹介が入るような話。
主人公は、じゃあ、ボードゲームをする人。
うーむ。欠けたものの設定をしなければ。
欠けているのは、……一般常識……って、それは、わたしのことか(爆)。お金…(生なましい話になりそうなのでパス)。やっぱり、一緒に遊んでくれる友だちあたりが無難か。
じゃあ、遊ぶ場所はあるけど、人がいないことにしよう。
そうすると、主人公は、どうするのか?ゲームサークルを作る?
これって、「アクア・ステップ・アップ」やん!
……中略……
これって、「遊戯王」やん!
すいません。嘘です。書きません。
でも、後半が、おもいっきりアジびらになっているあたりが大塚さんらしい。
まあ、おもしろいんだけど。
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911以降の「物語」を票集めに利用したアメリカ・ブッシュ政権
そんなものを例に挙げるまでもない
神話の時代から、物語はいつも政治の道具だった
人々は、物語の中に正義を見た
戦う理由を見つけては、アドレナリンを上げてきた
結果として民衆は、為政者の思うがままに動かされてきたのである
現実と物語の区別もつかないままに
それが現代に到っても続いている
そういう意味では現代人も、キリスト教に教化された野蛮人も、
精神的なレベルにおいて大きな差はないと言える
だがそんなことでいいのだろうか
人類の意識は、新たなステージへと高められるべきではないか
そのためには、お仕着せの「物語」に抗するだけのものを
各個人がオリジナルとして作れるようにならなければならないのである
しかしそのようにして細分化された物語は、小さな対立を大量に生み出すだけだ
細分化された「小さな物語」の残骸は、
やがてそれを回収する「大きな物語」の呼び水となるのである
(それを描いたのが「バトルロワイヤル」だった)
あくまで「大きな物語」を拒絶したいと考えるならば
部屋に引きこもって、独自の「小さな物語」の世界にひたっているしかない
実際、現実に関係ないところでオリジナルの「小さな物語」を構築するテクニック
というものがある
例えば、ある漫画のストーリーに、別の漫画のキャラクターを当てはめるような
この本は、そんな「二次創作」の手引書として出発し
それが「大きな物語」の縮小コピーでしかないことを看破したうえで
読者を、読者自身の現実取材によって構築される世界…
すなわち「一次創作」の世界へと導いていこうとする
ただ、よくわからないことにこの作者は
「二次創作」を「一次創作」よりも価値のあるものと考えているフシがあって
…ちょっと混乱する
両方のよいところを取り入れろということなのだろうが
それってどうやっても二次創作にしかなりえないような…
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この本を読み始めてみて最初の方は小説の作り方についての話で、久しぶりに小説を書いてみたいなぁと感じた。ところが読み進めていくうちだんだん、小説の作り方というよりも批評、キャラクター小説のあり方についての著者の意見になってきた。それはそれで面白かったけれど、「キャラクター小説の作り方」というタイトルをみて購入した人は、ちょっと期待外れと感じるのではないだろうかと思われた。
この本が、キャラクター小説の作り方の本として優れているかどうかは別として、本の内容自体は様々なキャラクター小説、漫画、文芸作品について触れられていて興味を持って読むことができた。サブカルチャーという文化を眺めて見るという格好で、この本を読んでみるのも面白いのではないかと感じた。
ところでこの本で戦争、テロについて触れられているが、これを読んだ今日が偶然9月11日だった。別にだからどうということはないが、今日がそういう日であることはほとんど忘れていた。
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その実用書の装いを侮るなかれ。中身は射程の長い超骨太の「これからの文学」に関する理論書。いくつも出版社を変え刊行され続けてきた理由も納得。中身は手塚等の図表の引用も満載で読みやすい。前半は実用書の装いを全面に出し読者を引き込み、後半に持論を圧倒的に展開していく様は圧巻。
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キャラクター小説の作り方 まだライトノベルという言葉が定着していな買った時の本。あとがきでようやくライトノベルという言葉がでてきた。時々テーマから逸脱しているような気もしなくはないけど、それなりにためにはなりそう。 http://bit.ly/aPnYeT