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読始:2009,6,23
読了:2009,6,23
村上春樹の世界に魅せられたけれど何から読んでいいのかわからない…そんな自身を助けるために読んでみた
でも決して全作品の要約が書いてあるようなものではない
村上春樹研究みたいな本ww
「村上春樹と聞いて連想する言葉、キーワードはなんですか?」
と問われた時あなたならなんと答えるでしょうか。
村上春樹ワールドを20のキーワードをもとに様々な切り口からみています
私自身が先の問に答えるなら
『SEX/性描写』
となるんですかね
他にも『歌』『酒』『音楽』もあげられるが一番となったらやはり上になるかなぁ
村上春樹作品に関しては既にレビューをいくつか書いており、そこに印象に残ったフレーズをピックアップしている。中には性的描写もあるが本来それは意味をなさない。
なぜなら、それらも文体や文脈上確かにそこにあるから意味をなすのであり、それだけを抜き出すことは作者の意図を無視したものであると思うから
だからレビューの抜粋は読んだことのない人にとって、または読んだ人にとってもなんら意味をなさず、結局は自身が振り返ったときのためだけに書いたものにすぎないということ
ここではもう少しセックスについて触れることにする。
性描写と一言でいうがこれは大変扱いの難しいものだと思う。
一歩間違えればただ下世話なだけの、下劣極まりない低俗な文章と化してしまうだろう
だが村上春樹氏の性描写はそんなものを全く感じさせないどころか卑猥感からも離れているように思われる。読んでもどこかすっきりするところがあるというか爽やか?な性というか…
これを可能にしてるひとつが表現方法にある
というのもペニス、ヴァギナ、陰茎、乳首、陰毛、フェラチオ、オナニー、射精、精液、性交………などと直接的な表現で書く。一見これはかなり露骨であり先に述べた一歩間違うことになりそうであるが、当たり前のようにさらっと書くことで、椅子・机・飛行機などと他のものをさすようにある種“記号”的に“無機質”に性器や行為名を受け取ることができるから卑猥な感じを排除できるのではないだろうか
性とは元来人間が密接に関わり、切り離せないもので何かしらの形で存在するのは至極当然であり、それを特別視してはなから受け付けない、拒絶するというかそういったものを否定的に捉える必要なんてないことを示しているんじゃなかろうか
オープンな性とそれをいやらしくしないところが村上春樹ワールドの特徴のひとつであり、そこに多くの人がひかれるのではないだろうか
ここでは私の村上春樹評論みたいな形になってしまったが、本誌では色々な作品をふまえたうえでいろいろな視点から村上春樹ワールドを眺めていて大変面白い
これを行きたくなったのがノルウェイの森に登場する「(新宿)紀伊国屋の裏手の地下にあるDUG」という店。現在でも新宿西口の地下で営業を行なっているらしい
1969年当時にあった店舗からは近くに移転したらしいが内装は当時のままだとか
new DUGとDUG(姉妹店)が同じとおりにあるが当時の内装を残してるのはnew DUGの方らしい
近いうちに行ってみようと思う