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紙の本
まさしく、映画のような。
2004/01/04 03:27
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kbn1215 - この投稿者のレビュー一覧を見る
完結後に、全巻揃った段階で読破したタイトルだった。
表題「バナナフィッシュ」は、ある麻薬の名である。
これに関わる人間の物語だが、主人公の少年・アッシュの人生を描いたと言っても良い。
アッシュは、その経歴が語られる以前に、裏街道の強者として登場する。暴力で成り立っているような世界で、彼は能力こそ高いが、むしろ弱い立場に見える若く、きれいな少年だ。
彼の才能は、天性のものである。実際には、彼は多くの教育を受けていたのだが、「天才」として、努力で得られる以上の天賦の才を持って生まれた。
彼と、唯一心を通わせた日本人の青年(平和に生きてきた彼は、過酷な過去を背負うアッシュと同世代に感じてしまうが)・エイジは、あまりにも掛け離れた成長の過程から、酷く価値観も考え方も異なる。
しかし、彼らは互いに絶対的な友情で結ばれた。
他人の目からも「証拠」となるような出来事はないままに終わったが。
長い物語であるが、実際に彼らの中で過ぎた時間は、非常な程に短いのである。
すべてが済んだ後には、幻だったとさえ思える、奇跡のようなアッシュの存在に、彼と関わった人間は皆、それを忘れられない。
とりわけ、エイジには。彼は、アッシュへの邂逅と、いくつかの後悔の想いを長く長く、抱き続ける羽目になるのだから。
19冊に及ぶ漫画なのだが、その少女漫画らしからぬ冷たささえ感じる描写の切り口は、一気に読破すれば1本の良く出来た映画を観た気分を味あわせる。わたしは、これを連載中にだらだらと続きを待ちながら読まずに済んで、良かったと思ったくらいだ。
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