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アトリーのグレイラビットシリーズでは特に著名な挿絵を提供しているというマーガレット・テンペストの絵も見たくて、手に取った。
お話は細部までしっかり書きこんであり、お子さんが大いに楽しめそうなのも、あらためて言うまでもないが、絵もやはり上品で色使いも美しく、見事な作品とのコンビネーションになっている。
こうした上質な作品を、幼い頃に手に出来る子ども達は幸せだと思う。(もちろん、大人になってからでも…笑)
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8歳娘に大ヒット
絵に釘付けで、グレーラビット、ヘア、スキレルそれぞれの性格も振り返りゲラゲラ笑った
スキレルのしっぽのリボン、
しっぽで顔を拭く仕草はたまらない様子
ある事件に悲鳴をあげたものの
仕返しにはまたゲラゲラ。
続きが読みたくてせがまれたけれど
また明日ねと言ったら
朝起きてすぐがいいと言った
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小さくて薄い本だけれど文は多く、ふりがなのない漢字もあるのでまずは読み聞かせから。
大人も子どもも夢中になれると思います。
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「何もかも、凍っていました。森のはずれの小川も、厚い氷が張っていました。灰色うさぎのグレー・ラビットの家は、小川の畔にたっています。78年評論社刊「グレー・ラビット スケートにゆく」の挿絵、翻訳を見直して復刊。」
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先日、古書店で見つけて、思わず買ってしまった、本書のタイトルにあるスケートは、スケートでも、アイススケートなので、いつ読もうかなと読み時を探っていたら、ブク友の111108さんと奇跡的な偶然の一致を果たしてしまい、それならば私もと、本棚から呼び起こして読んでみました(ちなみに台詞については、読みやすさを考慮して漢字を使用し、本文と表記が異なるので、ご了承下さい)。
大うさぎの「ヘア」、りすの「スキレル」と一緒に暮らしている、「グレー・ラビット」は、日々の家事をきびきびと楽しくこなす、動くのが大好きな優しい灰色うさぎで、今朝は特に寒かったせいもあり、早速ヘアから、「寒いから暖炉の火を強くしてくれないか」だの、「これって、絶対にしもやけだぞ」だのと注文の多いこと。内心、自分で出来るだろと思いつつ、これでも大分ましになったことが、「グレイ・ラビットのおはなし」を読んだ私には分かるので・・要は、甘えたいんだよね。
そして、しもやけを治すために、一度外に出たグレー・ラビットに対して、今度はスキレルが、「今朝は氷がはっているのに、あなた、玄関のドアをあけて、北風をいれたでしょ。おいだして!」と言う始末。まあ、これもいつも通りのことで、要は、グレー・ラビットを信用しているってことなのです。
そんなこんなで、今日も賑やかなグレー・ラビット家に、牛乳配達に来たはりねずみから、みんながスケートしている事を知ると、常に一番にこだわる、ヘアが、「早くぼくたちも行こう」と皆を急かしつつも、なぜか過去の自慢話をしようとして・・いますよね、こういう人(笑) しかし、そのいなし方を知っているグレー・ラビットから、やんわりと「あとでね」と言われてしまう一方、スキレルはスキレルで、皆が来るだろうからと、「しっぽの手入れと、一番良い服に着がえること」に執心し、これは皆と一緒なのが嫌なだけなんだけど、結局二人は、自分のことだけをやる中で、グレー・ラビットだけが、皿洗いに床掃除、暖炉の火の始末、明日の薪の準備、自分のベッドを整えてからの、お弁当を作ったり、帰ってきてからの夕飯の準備と、残り一切の仕事を一人でこなして・・すごいでしょ。彼女がいなかったら、他の二人はいったいどうなっていたのか、想像すると面白そうな気もするが。
おっと、そんなこと書いていたら、ヘアが「飲み物の代わりに、持っていくつもりで、集めてきた」と、かごにいっぱいのつららが。その細長いものをしゃぶっている絵だと、千歳飴に見えるのがちょっと面白いけど、ヘアもいいとこあるじゃん、というか、早く出かけたいんじゃなかったの、あなたは。
お願いしますよ。
そして、スキレルはスキレルで、おしゃれなリボンに気がいきすぎたのか、服から頭を出せずにもがいている中、ようやく着替えが終了したが、パーティーに出掛けるような格好に対して、ヘアは、「おまつりさわぎだな」と辛辣なコメント。もう少し言い方ってものがあるでしょうよ、と思いながらも、実はスキレルも密かにヘアの事を、「生まれつきの自慢屋」と言っており、お互い様なのです、というか実は気が合いそうだよね、あなたたち。
まあ、色々ありましたが(長すぎて、すみません)、ようやくおでかけとなり、その道中で出会うのは、「グレイ・ラビットのおはなし」でもお馴染みの、もぐらの「モールディ」に加え、初めて知る、友達のかわねずみ「ウォーター」と、合流する仲間たちも続々と増えていき、そして・・・
ついに辿り着いた、そこだけ見開きの一枚絵で描かれた、寒々とした感じというよりは、どこかほのぼのと温かみのある、自然の作り出した素朴な美しさが印象的な、スケートリンクに、早くもたくさんの動物たちが楽しそうに滑っております。
さあ、三人も滑り始めますが、早速ヘアは難しいことをやろうとして、初っ端からすっころんで、グレー・ラビットに助けを求めて・・だから、もう少し学びなさいよ、あなたは。その後も結局、乱暴な滑り方を続けて、まあ、自分を曲げないのはいいところなのかな。
スキレルは、そつなく優雅に滑っているものの、やはり、しっぽの大きな緑のリボンが目立ってしまい、グレー・ラビットは上手く滑れない子うさぎたちと一緒に手を繋いで滑ってあげてと、こういうところでも、はっきりとそれぞれの性格が出るのが、また面白いですよね。
そして、滑り疲れたら、皆で待ちに待ったお昼ごはんとなり(言いだしっぺはヘアだけどね)、ここで印象的だったのは、いつもお腹を空かせているカラスの分も作ってきていたグレー・ラビットの優しさと、それに報いるように、カラスたちも靴を履かせるのを手伝ったりする、そんなお互い様の関係が、生きていく上で楽しいものになっていく事と、はりねずみの息子の「ファジペグ」の無邪気な言葉を、そっと諭す、ヘッジおばさんの『おつきあいのおぎょうぎ』に見える、相手を思いやる気持ちの大切さですが、ここでのお行儀には、グレー・ラビットの優しさを知っている、ヘッジおばさんの気持ちがそうさせているのだと思うことで、決して上から目線の無理矢理やらせている感の無い点に、子どもに読ませる絵本としての思いも感じさせられます。
また、その思いは、悪さをしたことに対して、ふくろう博士が諭す場面も印象的で、本書の場合、実はスケートの後も話の続きはあるのですが、そこで教えてくれることは、グレー・ラビットたちのそうされた事への率直な悲しい思いを、我慢することなく吐き出すことによって、きっと読んでいる子どもが、まるで自分事のように、そういうことをしてはいけないんだと心に誓う、そんな物語の構成にもあるのだと思います。
それから、もちろん物語の面白さも健在で、それは本書の原題『Squirrel Goes Skating』を見ることで、本書の主役はスキレルであることが分かり、実は彼女のあの格好は、クライマックスの伏線となっていて、彼女が精いっぱい勇気を振り絞って行動に移す、その思いに、他の二人も共鳴して息の合ったところを見せてと、いざという時には、やはり表紙の絵のような仲良しの三人なのです。
そして、その後に訪れるエンディングの場面には、幸せとはお金で買えないものなのかもしれないなと、改めて実感し、例えばそれは、見返しの「マーガレット・テンペスト」の白と青だけで描かれた、それぞれの存在感が際立った、田舎風の家と木々と鳥たちの美しい絵や(もちろん本編の絵も、どこか品の良さを感じさせる点に動物たちへの畏敬の念が)、作者「アリスン・アトリー」が、『グレー・ラビットの暮らしは、いなかの暮らしです。このお話をかいた、わたしの暮らしとそっくりなのです』と書いた、「まえがき」に見られるように、アトリー自ら、幼い頃に体験した、ささやかながらも決して退屈しなかった、その自然に満ちた世界では、手軽で便利な物は少なかったのかもしれないが、その分、自然からしか得られない素晴らしき恩恵や、仲間たちとの心通わせる交流によって築かれていった、辛いことも素敵なものへと変わる思い出たちは、きっと何者にも代え難い、かけがえのないものなのであろうと思わせる、そんな暖炉で燃え続ける火のような、原始的な暖かみを感じさせられたのです。
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グレー・ラビットとヘアとスキレルがいっしょに暮らし、アイススケートを楽しむ。
それぞれの性格がなんとも言えず…
えっ全ての家事は、グレー・ラビットにおまかせなわけ?と思わなくもないが、ところがこれがスムーズにいってるわけで。
部屋が寒いと言って、暖炉の火をつよくしてくれないか…から始まりしもやけの手当てをしてくれというヘア。
今度は、スキレルが寒いと言って玄関のドアを開けたことに文句を言い手があかぎれだとマッサージをしてもらう。
そんなこんなでの始まりからスケートに行くってことでグレー・ラビットは、お弁当の用意やら疲れてかえってきたあとの食事の用意までササッ済ませる。
ヘアは、飲み物かわりに凍ったつららをカゴに入れ、スキレルはおしゃれに時間を費やす。
なかまたちとアイススケートを楽しむが、そこでも各々の個性が爆発している。
楽しんで疲れて帰ったらなんと部屋の食事もなく、荒らされていて…。
悪いラットを捕まえることなく協力して追っ払うというのも知恵。
そのあと、モールデイがスケートの一日のおわりは、ごちそうの会にしようとたくさんの食べ物を持ってきてくれる。
なんとすてきな仲間たち。
ヘアやスキレルといった性格の人っているよなぁとか思いながら楽しめた。