紙の本
収穫の季節にミステリを想うということ。
2003/10/13 18:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る
真剣に取り組んでいる証拠に、俺の腹筋は六つに割れている。
ベンチプレスは80キロは軽い。たった80キロと笑うやつは、
自分の体重以上のバーベルを持ち上げるのがどれほど困難か、
一度試してみてから文句を言いやがれ。
(——P016)
成瀬将虎。ガードマン。PC教室講師。探偵。「何でもやってやろう屋」。
あたりはしんとしている。雲はあんなに動いているのに、
木立の葉が風に騒ぐことはない。鳥や虫の声も絶えてない。
(——P008)
しゃれこうべの眼窩からバラバラとこぼれ落ちる、10銭玉、
50銭玉、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、百円玉——。
男はしゃれこうべを放り出し、四つん這いで振り返る。
雲が切れて丸い月が覗く。白い月が男の顔を照らす。
(——P036)
繰り返されるイメージ。たれ込める不安、欲得の世界。
湿気を吹き飛ばすのはキャラクター。
細部まで研ぎ澄ませた分だけ、本書はネタバレに弱い。
歩いてきた道にそって、そして目の前にも、
無数に仕組まれた「装置」。伏線は時限爆弾。
「解決編」で無事に「装置」が、いっせいに炸裂すると、
爆風は世界を一気にひっくり返す。
こんな瞬間を目撃させてくれるなら、たとえミステリに
どんな欠点があろうとも、私は何度でもイエスと言いたい。
秋。収穫の季節。ぞくぞくと質の高いミステリが出版される今。
本書は、私にとって2003年で一番驚いたミステリ。
どうしても、「まっさら」な気持ちで、味わいたい一冊。
投稿元:
レビューを見る
オチがすべて。興味のある人は決してググらないほうがいいですよ。この本について語る時はネタバレ必死なので。
投稿元:
レビューを見る
最後に「えーっ」ってなりました。
いやーやられたやられた。
ところどころ疑問に思うところはあるんだけど、ちゃんと繋がってるし、綺麗にまとまってるし、評価が高いのも頷けるなあといった感じです。
新本格ブームの頃には若干地味目だった歌野氏ですが、家シリーズから読み返したくなりました。
投稿元:
レビューを見る
やられた…どんでん返しに思いっきり巻かれた…何ともグロテスクな事件全貌だけど、虎ちゃんがすごくヨイので爽やか。
投稿元:
レビューを見る
またもや読みの浅いわたしは騙された!!こーゆう読者がいるからミステリーという分野は成り立つんだろうなぁ。(違)登場人物にちょっとイライラするばーさんがいて、もうこのばーさんのすることなすこと全てムカついて、お前みたいなヤツは死んでしまえ!と思うのに、そんなばーさんに「死ぬな」と言える主人公がすごいと思った。「このミス大賞」とっただけあって、面白い話。
投稿元:
レビューを見る
文もそれなりにこなれてて、布石もそこそこんなんだけど、インパクトに欠ける。こういう手法に飽きたからかなー。
投稿元:
レビューを見る
あらすじは書きません
てか、書きようが無い
んー、ラストのこれは好き嫌いがあるんだろーな
推理ミステリーばっか読んでる人は途中で気付くんでしょうけど
というか本の帯びの「騙される」「騙される」って要らないですよ
変に期待して肩張って読んでたから、小説として読みづらい読みづらい
色んな話が交差しすぎるのと、長いので途中で訳判んなくなって疲れました
投稿元:
レビューを見る
なるほど最後はあれあれっといった感じだった。
サクサク読めて最後には人生の深みを考えさる
いい感じの一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
恋愛小説のようなハードボイルドのような、
それでもやっぱり本格ミステリのような。色んな要素が混然と。
タイトルが凄い綺麗。
投稿元:
レビューを見る
残念ながら、既にネタばれをくらっていたので、最大のトリックについてはほとんど驚きを覚えられなかった。これから読もうとする人は、予備知識をできるだけ無しにすることを薦めます。
投稿元:
レビューを見る
この本の解説は苦しい(^^;
「ロートレック荘の殺人」並みです。
書いちゃうとネタばれになっちゃうから感想もないにもなし。とにもかくにも2004年版このミステリーがすごいで1位になった作品。一度は読んでおいて損はしない作品です。気持ちよくだまされてください(笑)。ヒントは映画化できない作品になったと言うことです。2003.2.13
投稿元:
レビューを見る
去年の「このミス」で一位だったそうな、これもびっくり系と聞いて読んでみた。別にそんなにびっくりしないけど、面白かった。若々しくアクティブな元探偵がいろいろとインチキ商法の会社と対決するという話。叙述トリックものというよりは単純にエンタテインメントとして面白いという感じ。別に「慟哭」や「殺戮にいたる病」のような業の深いテーマがある訳ではないので。
投稿元:
レビューを見る
ものの見事に作者の用意した仕掛けにハマってしまった。「成瀬の物語は過去の出来事を断片的に見せながら、現在の事件を追う形で展開、そこに古屋節子パートが挟み込まれる構成で、徐々に物語が絡んでいく」引用。不要というか差別的というか、そういう観念に邪魔された。しかもこの部分の騙りが古屋節子パートとの関連性のミスディレクションになっているし、成瀬将虎の過去の部分(またこの部分も不可能犯罪と論理的解決のあわせ技がすごいんだ)の伏線にもなっているという超絶技巧。しかも後から考えるとしっかりと伏線が敷かれているという。気持ちよく騙されたと同時にその巧さに絶句。
投稿元:
レビューを見る
なんちゅうかやられましたの一品。
いろんな感想がおありと思うけれど、先入観を抜いて一読してくださいませ。
そして、とっくり騙されて頂きたい(笑)
私は結構満足です。
投稿元:
レビューを見る
大どんでん返しが命ともいえるミステリー作品。しかしこれはやはり変化球でしょう。確かこれって「このミス」の一位をとったんだよなぁ。それってどうなのだろう、と思う。