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新しい発生生物学 生命の神秘が集約された「発生」の驚異 みんなのレビュー
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紙の本
若い人はこのような本を読むで、学問に志して欲しい
2003/08/17 17:12
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ＤＮＡによる遺伝子暗号の解読依頼、生物学は面白くなった。ＤＮＡと蛋白質の分子レベルで、生命現象が解明され、説明できるようになった。受精卵から個体が形成される発生の過程についても、いろいろな事が分ってきている。この本では、球対称の卵から、頭から尾、前後、左右の軸が、どのような蛋白質の濃度勾配から生まれ、各細胞の位置関係関係と、どのような蛋白質とＤＮＡの相互作用の連鎖反応で形成されていくか、最新の知見が述べられている。さらに各組織や器官の分化の過程も解説され、これらの機構に関わる物質が、人間とマウス、両生類、あるいは蠅までも共通である事が示される。また、発生と癌との共通性と違いにも、言及する。発生という生物固有の複雑な生命現象が、分子レベルに還元され、系統的に解明されている事が解る。しかも、発生現象全体に比べれば、解明すべき事柄がまだまだいくらもある事も解り、興味をそそられる。若い人はこのような本を読む事によって、この分野の学問に志して欲しいものである。
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