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怖ぁ…めっっっっっちゃ怖あ!!トラウマだわ!!絵が!!いや内容も!
ショウタくん頑張りすぎだよ!
本書のあとがきに位置する文章で、「この小説はあまり子ども向けっぽくない」なんて殊能センセが言ってますが、あまり、なんてものじゃない。こんなの少年少女に読ませたら教育上悪くないですか…?
話の大筋は、よくある男女関係のもつれとか、小学生の日常とか。でもそれをショウタくん視点で見るとこんな風になっちゃうんだ!という驚き。子どもの描く絵とか、行動とか、時に狂気を孕んでいるというか、常軌を逸してると感じるとき、ありますよね…
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【真相言及】
・王様=何かしら問題のある(引きこもりの友達の)父親、ということには容易に気付いてしまうでしょう。そこからもう一ひねりあるかな?(たとえばこれがミスリードだったりして!)と思ったまま読んだので、勝手に期待外れを起こしてしまいました。よくある自爆です
・小学生の社会が上手いこと描かれていて、「大人の児童書」の要素としては申し分ないように感じました。ただ、これ要るか?というような描写に妙に力が入っていて、疲れたというか困惑したというか…単に私に小学生男子並みのエネルギーが無いということでしょうか(笑)
・少年の勇敢な行動を追いながら、しかしそれだけではない深みがありました。「母親」「父親」「大人」「子供」「好き」「嫌い」「善」「悪」でラベリングされた単純で愛すべき世界から徐々に踏み出し、ラベルの下に隠された複雑な現実に気付いて成長していく主人公…とまとめてしまうと安っぽいですが、こうした流れを引っかかりなく読ませてくれる作品でした。
・ミステリとしては物足りないけど、物語としては好きでした
*住宅地図の塗り替えによる団地棟の誤解
*自転車チェーンロックで窓からの転落を防止、王様は墜落死
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子どもの作り話、強盗、不審者などのガジェットがどう収束するのかという謎解きよりも少年の冒険譚に比重が置かれていますが、ヒーローものやテレビ番組の話題がダラダラと書かれていて内容は乏しいですし、子供が罪悪感を持たないで終わるというのも引っ掛かるものがあります。お話自体は面白いものの、ジュヴナイル・ミステリーとしての評価は微妙と言わざるを得ません。
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「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」と銘打たれたジュヴナイルシリーズ、講談社ミステリーランドの一冊。
名物編集者と呼ばれた(らしい)宇山日出臣氏企画なのだそうです。
森博嗣、島田荘司、乙一など錚々たるメンバーが顔を揃えているのでいつか原シリーズを読破してみようと思います。イラストも期待できそうなのです。
この作品は『ハサミ男』の次に触れたので少し戸惑いましたが、コンセプトを考えれば雰囲気の違いは納得すべきものでしょう。
団地を部隊にした子どもたちの冒険、スリルとサスペンス。
しかし、どうにも緩い出来と言わざるを得ません。
私は子どもの頃から今に至るまで、"主人公がどうしようもないところでやらかすバカ"が大嫌いです。"物語の都合のため"が透けてみえるのが大嫌い。
クライマックスとなる対決の場面。
殊能将之本人も鍵っ子だったとあとがきにありましたが、私の知る限り私の世代から下の鍵っ子たちはたいていの親からドアチェーンも必ずかけるよう口を酸っぱく言い聞かせられていました。
こんなに落ち着いた頭の良い子が、なぜ「子どもの王様」がすぐやってくる事をわかっていながらトモヤの部屋で警察に電話をするの?自宅へ帰れば母もいるのに?トモヤの部屋に駆け込むまで、ドアが開いて大人が手助けしてくれることを願っていたというのに?
潜在意識下で「殺すしか無い」と決めていたうえでの行動だったとでも?
ジュヴナイルで究極の暴力によって問題の解決をはかり、あまつさえ自分を許さないであろう友人を自分は許し応援する、となんの内省もなく自らをヒーローであるかのように考える主人公は、私の個人的感覚からは違和感を拭えない存在です。
でも、著者はこのように描きたかったのでしょう。
そして賛美する読者もきっと多いのでしょう。
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小学生の頃読んだらトラウマになりそうな。。。
整っていないイラストの怖さ。。。
でも子供の時に読んだら、このやるせなさ感は無いかもしれない。。
庇護下にある子供は、たとえ庇護されていなくても その環境を自ら変えることは出来ないので、受け入れるしかない。。
下手したら、疑問すら抱かずに過ごしてしまうかもしれない。。
主人公の男の子は母親に事あるごとに「大きくなったら何になりたい」と尋ねられている。
彼が、”子どもの王様”の正体を知った後の回答、
「大人になりたい。」
この”大人”に込められている意味を考えると、
自分が果たして大人か考えると、自信が無く、後ろめたくなってしまう。。。
ラスト、笑顔で終わらないのもまた、単純なヒーローものではないのだな、と。。。
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〈講談社ミステリーランド〉叢書から刊行された作品。「大人にも子どもにも楽しめる本格ミステリ」の内容であるから、これまでの著書からしたら引用や蘊蓄やガジェットが控えめでとてもライト(頁数も少なめ)。ただそこは殊能将之作品、言うまでも無く巧妙なトリックがあり、結末近くの盛り上がりは絶品。子ども向けジュヴナイルとして見事にまとめられている。まあ本格ミステリに飢えて殊能センセーを求める大人は少し物足りなさが残るが、あとがき「わたしが子どもだったころ」で著者の幼少期の姿をほんの少しうかがえることで満たされるのでは。
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著者の作品、ブクログ登録は初めてです。
著者、殊能将之さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
殊能 将之(しゅのう まさゆき、1964年1月19日 - 2013年2月11日)は、日本の推理作家。生前は覆面作家だったが、死後、本名:田波正と発表された。
49歳にて亡くなっています。
今後の活躍が楽しみだっただけに、残念です。
で、今回手にした、『子どもの王様』。
その内容は、次のとおり。(コピペです)
団地に住む、少年ショウタと親友トモヤ。トモヤは学校に行かずに、部屋に籠もって本ばかり読んでいる。
そんな彼がするのは、いつも奇妙なつくり話。団地に住む魔女の話や、子どもの国を支配する残酷な王様の話……。
だが、ある日ショウタは、トモヤが言ったとおりの格好の男を目撃する。まさか、子どもの王様は実在した!?