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アーティストが書く文章て、いい。
本人の呼吸が伝わってくるような文体。
すげ、かっこいい。
こだわりとか、そういうの、いい。
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不幸せという名の猫がいる
いつも私のそばにぴったり寄りそっている
不幸せという名の猫がいる
だから私はいつもひとりぼっちじゃない
この次 春が来たなら
迎えに来るといったあの人の嘘つき
もう春なんか来やしない来やしない
「不幸せという名の猫」作詞:寺山修司
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浅川マキが死んだ。1月17日(日)ライブで訪れた名古屋で急性心不全で。享年67歳。
今、これを、PCの中に入れてある彼女のアルバムを聞きつつ書いています。
しばらくはまるで彼女自身のレクイエムのように曲が続き、それがいきなり「ガソリンアレイ」で賑やかに歌いあげるシーンになり、そうかさみしい歌が多かったけれど、彼女は本来ワイワイがやがやの方が好きだったのかもしれないなどと思ったり。
とうとうライブには一度も出かけず、CDだけを聞いていたのですが、こんなにも暗い歌が1970年代に受け入れられ、しかもその後もずっと歌い続けられていたということ自体が、奇蹟のような感じを抱きます。
たしかに、井上陽水も岡林信康もみんな暗い歌を歌っていたのですが、そのあと彼らは時代の流れにそって明るく世の中に受け入れられるように変貌していった訳ですが、彼女だけはぽつんと取り残されたように70年代のままだったこと。
けっして上手い歌手だとはお世辞にも言えないと思いますが、女の身一つ世間からはみ出して、女のありていの幸せのかけらも望まず、気ままに全身全霊をブルースまみれに生きる、それが彼女の選んだ人生で、すばらしくきらめいていたのだと思います。
本書は、30年以上に及ぶ雑誌掲載のエッセイを集めたもので、その時その時の感情や気分を日記風に綴ったりしたものや、ビリー・ホリディにむけた思いとか、ともかくここにはこれはというメロディも気のきいたフレーズもありませんが、やっぱり歌を聞いているような雰囲気になる極上の逸品とでもいうべき本です。
流れる曲は「サントジェームス病院」を経て、終曲「あたしのブギウギ」に入っています。
♬今じゃみんな嘘みたい・・・そんな歌詞が聞こえて来たところで、筆を置きます。
おさらばです、永遠の歌姫・浅川マキ!
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