紙の本
川のほとりにあるものは
2003/10/03 20:57
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投稿者:佐倉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
秘密を守護する少女
秘密を忘却した少女
秘密を共有する少女
秘密を覗き見る少女
ただひとつの事実に対して、それぞれの真実がある
死とはその真実を深い海に沈めるということ
失われたおおきなものと残されたそれぞれの真実
一巻(一部)ごとに語り手の成長ステージが上がるポイントで、次の語り手に話が引き継がれていく構成
物語の佳境と見事にマッチしているのはさすがです
ひとが死んで謎がある
その謎に対して、登場人物はそれぞれ秘密を抱えています
謎解きとあやうく不安定な少女少年たち
恩田陸さんが好んで使われるお得意の設定
懐かしいような身近なような儚い世界へ誘ってくれます
真実はどこにあるのでしょう
それぞれの生命の中に無数にあるのです
紙の本
余韻の残る物語
2003/08/28 20:27
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投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あれだけ各章で余韻を残し惹き付けておいてラストはどうするのだろう?と少々不安もあったのですが文句ない最終章です。
二部の終わりの香澄の突然の死により物語の語り部は「真魚子」に代わります。
そして舞台は揃い、香澄の母の死の真相、暁臣の姉の死の真相が語られる事に・・・。
真魚子が加わることで物語に心の内部、憎しみ・嫉妬・愛情・憧憬など二部までにない深さが出てきます。
恩田さんの作品は文章を読んでいると川の流れる音や木漏れ日、少女達の風景などが驚く程鮮やかに浮かんできます。何となくこの「蛇行する川のほとり」と共に私の一夏も終わった感じ・・・。
恩田さんの作品で言えば「木曜組曲」と「ネバーランド」を合わせたような雰囲気。
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久しぶりの活字です。
少女期独特の綺麗さとか、切なさとか、汚さとか、そういったものがぎゅっと凝縮されて詰まっています。
少女たちの姿は現代というよりは、少し前の、という感じがしますが。
ただ、三作に分けることもなかったかなーと思います。分けたことで、一冊ごとの内容が薄くなってしまったような気がしないでもない。
ミステリ色を強く求める人にはあまりおすすめできません。
ただ、高校生の夏の、独特のあの何とも言えない雰囲気を感じることが出来ました。恩田さんの本を読むと、いつも高校生に帰りたくなります。
きらきらしてて、どこか切ない感じのする。
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全ての謎が明らかになる、第3部。
真相については、ああ、やっぱり…という感じですが、この話のおもしろさはそれ以外のところにあるので!
とても面白かったです。
さあ、もう一度読もうっと。
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各巻で語り手が変わり、それぞれの視点から物語が展開される。謎解き要素ももちろん面白いのだが、少女たちの内面の描写が見事。一冊は1時間もあれば読み終わってしまうほどのボリュームなので一気に読めます。(2004.11.30)
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彼女たちは、何かを隠している。何か大きくて、重く冷たいものを…。書き下ろし学園ミステリー完結篇。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200506030000/
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真魚子視点。
毎回意外な人物からの視点。
最も第三者が重要な回だったので、適役。
ぜひ彼女と月彦の関係の発展を願う。
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真魚子視点。2が芳野視点だったので、3は絶対に香澄視点だろうと思ったんだけど・・・。事件の真相が解明する。でも、本当の最後で・・・。全体的にミステリーがメインの話なんだろうけど、高校生のある夏の話という面での描写が素晴らしかった。
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おぉ(゚〇゚)!!
「不安な童話」以来の大満足だ。
話に引き込まれて夢中で読んだ。
なんでか分からないけど、読み終わってほっとした。
ふぅってため息が出る感じ。
登場人物の間にヘンな緊張感が漂ってたからか、単に集中し過ぎて疲れたのか。
昨日書いた「黒と茶の幻想」の高校生バージョンって言うのが、我ながらぴったり当たってると思う。
それぞれに隠し事をしている男女が集まって一緒の時を過ごすとことか、みんなで腹のさぐりあいしてるとことか。
あと、日常を描いてるんだけど舞台設定は非日常(黒茶は旅先、これは夏休みの合宿)なとことか。
でも「黒茶」みたいな最後のダラダラ感がない分、こっちの方が好き。
「終章」がいいんだなぁ。
ちゃんと締めつつ、哀しさを漂わせる終わり方。
あぁ面白かった!
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もう怖い!だけど気になる!そんな感じの3巻は少女たちのもつ狂気にせまります。ぜひ夏休みに読むことをおススメします。
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恩田陸の描くティーンエイジャーたちは、みながみな壊れそうなくらい綺麗で透き通っていて、それでいて驚くくらい残酷。特にそれを感じるのは「麦の海に沈む果実」だけれど、この作品にも通じるものを感じます。眩しすぎて思わず目を細めてしまう。美しく脆い少年少女たちの、ひと夏の物語。
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本当のことは毬子しかしらない終わり方がきれいやった。
霧がかったような部分が話が進むにつれてクリアになっていくから、ぐんぐん引き込まれていって、一気に読んじゃった。
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2007/2/21.
サラバンド。真魚子視点。いきなり視点が真魚子になって少々びっくりしたけど。終わらせるには第三者が必要で、それ故なのかしら。また、話のカタチが違って見えた。一つの物語が終わってしまう。真実は闇に葬られ。推理するしかない。その推理での真実も十分美しかったのだけれども、事実はもっと素敵だった。読者と毬子と香澄だけの秘め事。
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三部作ミステリー。
幼い頃起きた事件、そして少年少女たちの一見楽しそうな夏休みの合宿・・・。いったい彼らに何が起こったのか…!?
これはすごい。物語が始まってすぐに恩田ワールドに引き込まれていきました。風景描写や心情がわかりやすく書かれているので、私自身がその場にいるような臨場感を味わうことができました。
1巻は毬子の視点→2巻は先輩の芳野の視点→3巻は第三者である真魚子(毬子の親友)の視点、と視点が一冊ごとに変化する。この効果は絶大です。
この3冊を一言でいえば「綺麗で、恐ろしい物語」。大満足です♪
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第三部。
最後は解明編といった感じでしょうか。
全体的には、柔らかい雰囲気の中にも恩田ワールドがしっかりある作品。
もう何度も再読しているので、面白いというよりも安心して読むことができますなぁ。
恩田作品でもお気に入りの1つに入るでしょう。