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舞城作品の中では一番好き。
千と千尋のパロディだとかなんとか言われてもいるけど別に俺は評論家じゃないので面白いもんは面白い、それでいいです。書やらカニバリズムやら秘境やらないまぜにして最初から最後まで舞城、最高速度で突っ走っております。面白い。
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背中に立派な鬣(たてがみ)を持つ中学生・成雄。足はめっぽう速くオリンピック代表チームに誘われるほどだ。だけど鬣を持ち異常に走るのが早いなんて馬みたいじゃないかと悩む成雄は、馬が出来ないことをやって人間性を証明しようと書道を習い始める。先生は父親の知り合いの書道家・杉美圃モヒ寛。モヒ寛を紹介するくだりがおもしろいので抜粋。
<モヒ寛は若い頃に、何を思ったか頭をモヒカン刈りにして周りの人間をビックリさせて、杉美圃大寛という立派な名前を以来モヒ寛に変えてしまった奇人である。僕が最初に出会った頃のモヒ寛は髪もすべて生え戻っていて普通の白髪頭だったが、奇人ぶりは相変わらずだった。なにしろ相撲好きが昂じて家の玄関脇の一室の床をはがして土俵を作らせたと思ったら「これがホントの一人相撲やなあ」とか言いながら裸になってマワシを巻いて架空の弟子力士たち相手に毎晩何十番もの稽古をつけていたくらいである。「おっしゃこあーい!」と叫んで自分の下っ腹をピシャーンと叩いて屈んで「おいさー!」という掛け声とともに自らすり足でズリズリ後ろに下がって土俵際、「おーらもういっちょー!」と声をあげながらそこにはいない力士をうっちゃりでヒョイと投げる。(中略)正直言って僕には、相撲が好きで土俵まで作ったけど相手がいなくて淋しくて、その淋しさを紛らわすのに必死であるオッサンだとか、それとも志半ばで死んだどっかの相撲部屋の親方の霊に取り憑かれて、同じく無念の若手力士の霊魂相手に稽古をつけてる自失したオッサンだとか、単にちょっと頭のねじがどっかに飛んでいってしまったオッサンだとか、そんなふうにしか見えなくて、どれにしても可哀想なオッサンにしか見えなかった。西暁みたいな田舎町のさらに山奥の、最も近い民家からも二キロ以上の距離を空けて、家に続く道も舗装されてないどころかほとんど獣道のようで自転車も通れず、正式には住所もなくて住宅地図にも無視されるような場所に小さな家を建てて一人暮らしをしていて、その家の玄関の脇の部屋には土俵があるという訳の判らない家の中で、一人で相撲をしている男の姿なんて、悲しみと切なさ……の前に狂気が漂うほどだった。>
まだまだエピソードは続くのだが、成雄はこんな愉快なモヒ寛と毎日相撲を取ったり追いかけっこをしたりしていたのだった。ところがある日モヒ寛が何者かに襲われ瀕死の重傷を負ったことから、不思議な世界へ成雄は飛び込むこととなる―。
これは…舞城王太郎版『千と千尋の神隠し』では?思春期の閉塞感や不安がすごーくストレートに描かれている。この人の小説って中身は本当にストレート。なのに一瞬で色調を変えちゃうようなセンスがたまらない。
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疾走。そんなイメージ。ただ今までの舞城作品よりは上品に行こうとしたのか?って感じであまり良さは感じられず。
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舞城作品としてはマイルドというか普通です。免疫の無い人には読みやすいと思いますし受けが良いと思いますが、私は物足りなさを感じます。
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代々背中に鬣を持つ快足高校生しみともなるお。オリンピック強化合宿を断り,山で習字の練習
ある日、人ボン=人肉の週間をもつ
団体に師匠が襲われ、なるおの活躍で師匠を救い出す
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また何時もと一味違って、地味に(舞城にしては)おもしろい。けど、ラスト、、もうちょっと大きな結末、というか、結果があっても良かったのにな。
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擬音が印象的「しゅりんこき しゅりんこき しゅりんこき」「がじゃじば」←ツボった これで「SPEEDBOY」にリンクするのかなー
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個人的な満足度で★5つ。
主人公の成雄には鬣(たてがみ)が生えている。
ひとにはすすめられん作品。アイデンティティつったら大げさだけど、自分をどう捉えるかみたいなとことも関わって来るんだと思う。
成雄の鬣みたいな、ね。
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こんだけ私には合わない話を、最後まで読ますあたり、やっぱり舞城は凄いのかもしれない・・。と、自分に言い聞かせてみる。
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カカカカニバリズム・・・!!(笑)「みんな元気。」を読んだ時にも「カニバリズムやー」と思ったけども、こっちはもっとすごかった。前半は全然気配もなかったのに、後半がバリバリのカニバリズムって不意打ちうわぁ。それにしてもこのひとの書く小説すきです。合う合わないあるけども、なんというか、思想がすきなのかもしれない。読んでて「こういうことあるなあ」とか「ああ、こういう考えもあったんかー」とか思わされる。モヒ寛!それからオノマトペ。独特だな。
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なんか分かるようであり・・・よく分からんかったなんか、舞城くんもブンガクブンガクっぽいのも書くんだなぁ。女体盛りとかまで出てきて、えっとこれ元ねたなんだったっけ・・・。
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何がすごいって、擬音語。これに尽きる。よく既存の常識にとらわれずに、こんな擬音語思いつくなっていつもいつも思います。毛を剃る音は、なかなか忘れることができるものではない。舞城風神話的世界を存分に味わうことができますけれど・・まぁでもこれもうちには何が言いたいのかよくわかんなかった話です。
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スピード感は抜群。一気に読める。
でも、それだけしか俺は感じられなかった。
あくまでも個人的感想だけど、俺には何がいいのかいまいちわからなかった。
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成雄ヤバイ。超ヤバイ。
背中に毛とか生えちゃってる。そんですごい足速い。
で、異次元行っちゃう。超ヤバイ。
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いつもの舞城王太郎。
鬣、トンネル、人食……
人生の普遍に関する暗喩であるような、
ただのノリのような。
でもこの作者はただのノリで書いて普遍に届いちゃうような天然系能力者ではないと思う。
仮にもミステリ作家だからね。
だから、あれこれ意図して書いたんだと思うけど、
いつものクセで途中からストーリービルドを投げ出してしまうから
その「意図」は物語の中に霧散して無産となる。