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2012 2/17読了。つくば市立図書館で借りた。
朱川湊人のデビュー作を含む、昭和テイストの強いノスタルジック・ホラー短編集。タイトルのとおり、セピア色の都市伝説。
不気味な話と胸に来るような話が入り交じっている中で、「昨日公園」という2作目の話がひどく切ない。
全てを悟った父は、自分と同じ悲しみを抱えることになる息子に、お前のことはわかっているからと伝え包む。
凄く悲しい、でもひどく温かい話。
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ちょっとだけホラーな短編集。
初めてこの著者の作品を読んだけど、すごく器用な書き方をする人だという印象を持った。
「アイスマン」「昨日公園」「フクロウ男」がラストそうきたかっていう感じ。登場人物のディテールがしっかりしていてイメージしやすかった。
「昨日公園」はちょっといい話。
他2編はイマイチ入りこめなかったなぁ。
ていうかこの本タイトルで損してませんか?
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そこまでホラーではなく、題名通り「都市伝説」
「昨日公園」が特に好きだった。何となくずっと後を引いて心に残っていくような感じだった。
「月の石」のお母さんの一番印象に残っているところ。何かわかる気がする。
心を温めたり、明るませたりするものって、そんなに大したことでなくても良くて、ごくごく普通のなんでもない景色だったりするから、なおさら生きるって面白いと思ったりもする。
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朱川湊人氏初期の初期、の作品。
この頃は「人情、切ない甘さ」みたいなレトロホラーではなく、苦しさ怖さ・・・人の醜さとか、そういうのを全面に押し出したレトロホラーです。
多分、表題のもとになった「フクロウ男」は個人的には好きじゃないんですが、
・・・この本の中では「昨日公園」が一番好き。
「死者恋」も、ゾッとしました。10代の頃だったら、夜中、悪夢を観たかもしれない(笑。
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知らずに手にとったが、これがなかなか面白い。フクロウ男…本当に都市伝説としてありそう。タイトル通りどこか噂話のようなストーリーだが、全てに捻りが加えてあるのでラストまで飽きることがない。良い意味で毎回裏切ってくれるので謎解きものが好きな人にはかなりお勧め。全体的に淡々としていたかな。
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都市伝説を題材とした5編の短編集。
子供の頃に感じた怖さの中に見え隠れする憧れにも似た感情。
懐かしい気持ちを呼び起こされます。
『昨日公園』が特に好きです。
繰り返される哀しみに揺れ動く純粋な心が良く描かれていて、その優しさと切なさ、やりきれなさに心動かされます。
『月の石』は読み終えてから、私の目に映るのはどんな姿かと暫し考え込んでしまいました。
都市伝説を題材に置きながらも様々な形で語られるので、バランス良く楽しめました。
タイトルに「セピア」という言葉が入っていますが、作品の色を良く表してると思います。
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アイスマン:描写がちょっと気持ち悪いというか不気味というか。ホラーだなあ、と。
昨日公園:一番好き。オチは読めた。
フクロウ男:「人間の『変態能力』」のくだりが面白かった。最後については、そんなことできるものかなあ?
死者恋:全員気持ち悪いホラー。アイスマンとは違って精神的に。
月の石:最後がこの話で良かった。
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泣 い た!まさかホラーで泣かされるとは…!!
短編集で、全部で5篇収録されています。
ぞっとするお話もあるのですが…やはり朱川さんのお話は、根底に愛を感じます。
朱川さんは本作に収録されている「フクロウ男」で2002年にオール讀物推理小説新人賞を受賞されていますが、こちらは狂気の殺人者たる「フクロウ男」がある人に手紙で事のあらましを告白するという斬新な書き方で引き込まれました。
そして他収録の「昨日公園」。これもぐいぐい引き込まれる内容で、凄いです。泣いた…!
でも一番泣いたのは最後の一編「月の石」だったかな…
とても哀しくて温かいお話です。私なら…って置き換えて考えてしまうような…
とにかく、短編なのに一話一話が濃い。
しっかりまとまっていて、読むのがとても楽しかったです。
こういう本に出会うと、読書っていいなぁとしみじみ思います。
作家読み決定!な本でした。
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短編集でした。朱川さんらしい不思議な話ながらどぎつい暗さはなく、ホラーとまではいかない怖さは薦めやすくていいかもしれません。
・アイスマン
雰囲気はいいけど特筆することはないかも。
・昨日公園
この中でいちばん好きな作品。切ない。これだけなら★4くらい。
・フクロウ男
ほうほうほう。おもしろいのにラストが蛇足。
・死者恋
好きな雰囲気なのにいまいちハマらなかった。
・月の石
私には誰の顔が見えるんだろうと考えると背筋が冷えた。
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話の仕掛けと言うか核心部分が好きになれなくてモヤモヤした。
人間の(異常な)執着を扱っているところは好きなんだけど、オチが安っぽく感じられるのが原因かもしれない。
少年期の好奇心にフリークスという劇物を掛け合わせた1話、ループ物に鉄板の孤立無援の奮闘が切ない2話の感触がわりと良かっただけに、残りの話が残念だった。
それにしても、都市伝説が流行っていた時代は、今はもうセピア色のおぼろげな記憶なんだなあとしみじみ実感する。
刊行自体が10年前だ。このころに読んでいたら年齢的にもっと楽しめた気がする。
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【図書館本】世にも奇妙な物語でリメイクされる、というニュースで『昨日公園』の存在を知り、その評価の良さに興味を持った。
久しぶりの大ヒットだった。ホラーというか都市伝説、まさしく“世にも奇妙な物語”だった。
とても読みやすい文体と、切なかったり愛おしかったりする読後。一つ一つの余韻に浸りたくてなかなか次へと手が出せない不思議な感覚。
期待通り、『昨日公園』がとても好み。
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1話目の「アイスマン」は特筆することのない凡庸な内容でしたが、
その他の話は面白く、引き込まれました。
ただ「フクロウ男」と「死者恋」の最後は蛇足に感じます。
本のタイトルはもう少しどうにかならなかったものか…。
確かにセピアでしたけど!
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内容(「BOOK」データベースより)
人間界に紛れ込んだフクロウの化身に出会ったら、同じ鳴き真似を返さないといけない―“都市伝説”に憑かれた男の狂気を描いたオール讀物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」をはじめ、親友を事故で失った少年が時間を巻き戻そうとする「昨日公園」など、人間の心の怖さ、哀しさを描いた著者のデビュー作。
懐かしさと優しさとホラー風味の味付けという今に通ずる方向性からホラー風味を強くした感じのデビュー作です。結構救いの無い話もあるので今の作風とは違いますが、真正ホラーからするとかなりほんわかなのでどっちつかずと言えばどっちつかず。、今のほんわかレトロ路線で正解であったであろうと思いますです。
その中にもグッとくる話がいくつも有り、「昨日公園」はいいですねー。助けたいけど助けられないジレンマの切なさと、数十年経った後の結末がさらに切ない。
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この作家さんの作品をきちんと読み直そうと再読。
意外に忘れていて十分楽しめる。。
ウィキだとホラー作家 というカテゴリ。
ほのぼの系ばかり今まで読んでいたので知らなかった。。
アイスマン / 昨日公園 / フクロウ男 / 死者恋 / 月の石
友人についてだとか、精神状態とか、この世の見方が面白い。
『月の石』のお母さんがまさかの足が速い、というエピソードが好きだ。。
両親を思い出すとき、老いた状態のイメージが強くなっていくので。。
マイノリティな考え方や趣向を持つ人は、それを我慢したり隠したりして生きていく人と
きっかけが無ければそれに気づくことなく終わる人もいるのかもしれない。。とか思ったり。
アイスマン、ラスト数行でそういう人物だったかと驚いた。。
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今年のオール読物5月号に掲載された「死なない人」がとても面白かったので、作者のほかの作品も読みたくなって本書を図書館で借りた。
「死なない人」と同様のヒューマンホラーな内容の短編集だが、どれもよく練られた内容で読み応えがある。ただ、この中で最も有名な「フクロウ男」は私には一番つまらなく感じられた。