投稿元:
レビューを見る
収録作品
・『バビロンの塔』
・『理解』
・『ゼロで割る』
・『あなたの人生の物語』
・『七十二文字』
・『人類科学の進化』
・『地獄とは神の不在なり』
・『顔の美醜について――ドキュメンタリー』
全ての短篇が一級品。
特に『バビロンの塔』と『あなたの人生の物語』と『地獄とは神の不在なり』のビジョンは強烈。
是非読むべき。
しかも、今のところ、これがチャンの全作品。
投稿元:
レビューを見る
もしかしたらSF史上最強かもしれないテッド・チャンの唯一の作品集(お願いだから早く書いて……)。アイデアを熟成させて濃厚なストーリーを紡ぐテクニックはプリースト級(もしかしたら凌ぐかも?)。表題作はあまりにも完璧すぎるので、たまに読み返すと、ほら、いまでも鳥肌が立つ。
投稿元:
レビューを見る
今のところこれ一冊(しかもこれは短編集)しかない作家ですが、早くも21世紀最高レベルのSF作家の称号が確実視されそうな勢い。素晴らしい。
方向性としては認識・意識の問題を扱っていると言う点でイーガンと近いものがありますが、イーガンより優しい。
SFとファンタジーの境目のような短編もあります。
チャン版アルジャーノン(またか)「理解」や、異星人の言語習得を通して認識が変容してしまった表題作などなど、どれも水準以上の仕上がりで解説の仕様もありません。
難しくて理解できないような理論も出てこないし、とにかく自分を小説読みと思っている人は絶対読むべし
投稿元:
レビューを見る
どの作品も素晴らしいSF短編集。それぞれ、過去や現在を舞台にしているのだが、その発想と展開のうまさに驚くばかりです。
読んで損はない一冊。
投稿元:
レビューを見る
これも久しぶりに読んだSFだ。主人公が言語学者で点対称の構造をもつ異星人(ヘプタポット)の言語を研究している。小説中の時制はすべて未来形である。認知言語学的に読める言語SFの傑作の一つだろう。点対称の構造であれば、前後ろというメタファーは存在しない。したがって、時制もあり得ないという考えが底にある。
投稿元:
レビューを見る
どの話も「面白くなりそうだ」と盛り上がり、
消化不良を残して閉じたように感じた。
しばらくしたら読み直したくなるかもしれない。
そういう本だと友人は言っていた。
投稿元:
レビューを見る
この人の作品は、なんとなく、『編む』とかいう言葉が似合う気がする。毛糸とかじゃなくて真っ白なレースとか。あ、あと「理系…!」って思った(典型的文系視点)。
投稿元:
レビューを見る
「理解」すごい。普通の人間の何倍も知性を強化された主人公が目指すものとは? 終盤、場面はほとんど動かず居間に立ってる人物と、回転いすに座っている人物だけ。しかし中身は思わずページをめくる手に力が入る対決シーンなのだ。読まないと味わえない興奮。しかもSFの味。あー面白い。
「あなたの人生の物語」
新しい言語は新しい世界認識をもたらす。異世界の言語は時空の認識をも変えてしまう。言語の設定をマニアックに積み重ねて読ませる部分と、娘に愛を語るパート。こういう語り口調だと、何となく娘パートには用心してしまう(いわゆる泣かせ系じゃないかと)。でも「バビロンの塔」から順に読んでいって、すでに作者の虜になってる読者は強引に泣かされてしまうのだ。最後に物語の構造に納得がいくというおまけ付き。
ほかSFというより辛口ファンタジー(もしくはバッドエンドファンタジーというのだろうか)というテイストの話も全部おもしろかった。
投稿元:
レビューを見る
ジャンルでいえばSF短編集になるらしい。
SFを好んで読んだことはなかったけど、非現実的な設定はどうも苦手、という感覚は全くなかった。
むしろ自分が認識している現実の輪郭がわからなくなってくる。それがおもしろい。
いろんな読み方ができる本です。
収録されたどの話もすごく面白いが、特におすすめは表題作。
もし私が主人公と同じ立場だったらどうするだろうか?
きっと同じようにするだろうと思う。
最上の喜びと最大の悲しみをまるごと引き受ける人生に対する覚悟を持つ
みたいなものが、いまの自分の心にずんときた。
私が母親になったらまた違う読み方になるかもしれない
と、自分の母親のことを想った。
投稿元:
レビューを見る
最近あたりはずれが多くて、小説を読む気にならなかったけど、コレは本当におもしろかった。
感動!!!とまではいかないけど、驚きに溢れた奇想天外な作品でした。
物語は単純明快!?しかもそこには予想もつかないアイデアと密接に絡み付いた登場人物の描写が印象的、とかなんとか云う解説は必要ないかf∧_∧;
でも、最初は専門用語が多くて読みづらかったけど、読んで行くうちに引き込まれていく感覚がしたね☆☆
こんな感覚は久しぶり。
『あなたの人生の物語』はSF小説です。
SFと云えば、人間の知的好奇心をくすぐらせる作品。
と、同時に心で感じる前に頭で理解しなきゃいけない難解な代物。
でもコレは少し違う。
未来を過去のように感じる事が出来るようになった母親が、まだ生まれていない娘を愛するお話。
なんか素敵やん♪
まぁコレを手にするきっかけは、『トップをねらえ!2』の最終話がこの小説と同じタイトルだったからなのだが、
読めば何故『あなたの人生の物語』なのかがわかります。
わかるとは少し違うかな?
感じることが出来ますよ!
『トップをねらえ!2』を知ってる人も、または知らない人も一度読んでみてはいかがでしょうか?
投稿元:
レビューを見る
こんなにものすごくSFらしいSFを読んだのはひさしぶりだなあ、と感慨に耽る。
感触としては、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアに似てるかな?
表題作は、いったいどんなオチにするのかと思いながら読んでしまいました。普通は、落ち着くべきところに落ち着くので、いちいち先読みしようと言う気は起こらないのですが。
この短編集が、ちゃんと落ち着くべきところに辿りついていないと言う意味ではありません。
ただ、川を下って行って海に出ると思いきや、いきなり平行世界に飛ばされてしまうと言うか。
しかも、行き着き方自体は、ものすごく論理的で説得力がある、と言うような。
なんだかピンとこない説明で申し訳ありませんが、そんな感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
人類の理解、認識を超えた/変える新たな世界が
示された時、過去の認識に基づいた喜びも悲しみも
超越して受け容れることのできる世界が広がる。
全作宇宙を飛び回ったりしなくても
地球上(地球であろう所)にいても世界の広がりが
感じられ、想像力・創造力の豊かさが刺激的
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに読んだ青背(苦笑)←しばらくご無沙汰だったから
短編集なんだけど、とにかくどの短編も発想が凄いっていうか
私としては驚きの連続で
大変満足な1冊でした。
投稿元:
レビューを見る
久しぶりのSF。
がつーんと読ませてくれました。
うんうん、やっぱりいいねぇ。
表題作は、ちょっと感動。
天才数学者対天才物理学者のミステリーも、
この人に書いて欲しかったかも。
投稿元:
レビューを見る
すげぇよ!って言われてたほどの衝撃は無い。なんとなく予想がつく結末が多いので。
ただ表題作は強烈。一読の価値あり。こういうの大好きです。
個人的にはイーガン先生に軍配をあげます。