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燃料電池の可能性を示す, 2004/10/11
燃料電池について、自動車用燃料電池を中心に説明している。内容は読みやすい。技術的に難解な部分が無いので、さっと頭に入ると思う。
また、本のサイズから、電車の通勤用の読み物としていいかもしれない。
興味深かった内容は、燃料電池で先端を走るバラード社(カナダの会社、ベンツなどと組んでいる)の特許が2010年頃に切れる。このころから燃料電池が急速に普及するのではと感じた。
また、自動車意外に家庭用、モバイル用の燃料電池についても少し触れている。また、本題から外れるが、高効率エアコンが灯油暖房より安価になると言っている点も興味深い。
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[ 内容 ]
近年の炭酸ガス濃度の増加は、地球温暖化・気候変動の原因として21世紀の最大の問題になりつつある。
そこで、大きな注目を集めているのが水素である。
水素は燃焼後、有害物質を排出せず、高効率の燃料であることなどの魅力的な化学的特性を備えている。
近年の燃料電池のめざましい技術革新の背景には、そうした事情がある。
燃料電池によるエネルギー革命の実態を、クルマを中心に考える。
[ 目次 ]
第1章 燃料電池とは何か(グローブ卿の発見;ベーコンの発明 ほか)
第2章 元祖・バラード物語(地質学者ジェフリー・バラード;カナダ政府の英断 ほか)
第3章 進化する自動車技術(京都議定書;IPCC ほか)
第4章 燃料電池車の最前線(ダイムラー・クライスラー社;GMの開発 ほか)
第5章 水素エネルギーと未来社会(三大市場;自動車産業の戦略 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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燃料電池にも、4つの型があるとのこと。
1 燐酸型燃料電池、PAFC, Phosphoric Acid Fuel Cell
1970年代から研究開発。 1980年代後半には実用化。
発電所として数万キロワット。燐酸(H3PO4)が電解液。燃料は水素、酸化剤は空気。
動作温度200度。
2 アルカリ型燃料電池、AFC, Alkaline Fuel Cell.
電解液として水酸化カリウム。酸化剤は酸素または空気。
ごくわずかでも二酸化炭素が混入すると、水酸化カリウムと反応。
潜水慣用電源として利用。宇宙でも利用。コーディッシュが始めて自動車に搭載したのがこの型。
3 溶融炭酸塩型、MCFC, Molten Carbonate Fuel Cell
電解質として炭酸塩を利用。動作温度が650度。白金などの貴金属触媒が不要。
燃料として、水素と一酸化炭素が利用できる。
1メガワットのパイロットプラント進行中。
4 固体電界質型、SOFC、Solid Oxide Fuel Cell
電解質が、固体イオン伝導性を持つ酸化ジルコニウム。
5 固体高分子型 PEMFC, Proton Exchange Membrane Fuel Cell.
出力密度が大きい。低音。小さい。
自動車用に開発。
ところで、自動車のOSの話があるが、国際規格になっている自動車用OSのOSEKの話がないのは残念。
また、OSEKのオープンソースとしてTOPPERS/OSEKがあることも紹介されていない。
この2つの話題があれば、もう少し、深い話になったと思われる。
燃料電池用の制御用OSとして、最小セットを利用する話も紹介がない。
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2003年の本だけれど、なかなか面白い。ハイブリッドやEVは生産時に多くの二酸化炭素を排出するので、結局ガソリン車同様に環境に優しくない、というのはやっぱり嘘なんだと納得しました。トヨタが水素電池の車を発売するようなので、ちょっとワクワクします。この本の中で予想するように、いつの日か駐車場で燃料電池車を発電所にして、駐車料金を払うかわりに電気代を駐車場から受け取るビジネス・モデルが成立する日が来ると面白い。
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1行に10回バラードと言っている。うざい、うざすぎる。
しかし、燃料電池車の技術変遷を学ぶにはいいかも。現在の状況と合わせて読むと技術の進展具合もわかる。