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養老センセイの環境論です。虫取りが大好きなオジイサマなせいか、文章の「好き放題」の度合いがいつもより高い気がします。それも、養老センセイのご愛嬌ということで。
内容は、他の著作と概ねどこかしらかぶっているような印象。他の著作から、環境論をひっぱってつぎはぎしたような内容だと思いますので、特別にオリジナリティを感じるということは(数冊読んでいる人なら)感じないと思います。
ですが、やはり、分かっていても改めて気づかされる点がいくつもあります。
「子どもは自然であるということ」「環境はシステムであるということ」「自然との共生には“手入れ”が必要なこと」等々、いつもの養老節が光っています。
特に、やっぱり僕は「子どもは自然である」という箇所に興味を持ちます。都市は自然を認めない。だから子どもが生きにくいんだと。「ああすればこうなる」という都市型の思考回路の中に、子どもは入ってこない。「ああしてもこうならない」から。それは、都市にとってはあってはならないこと。自然であるということ。つまり、子どもの問題と環境問題は同じであるということ。この主張は、養老センセイの数多の主張の中でも特に共感します。
「二十世紀の科学は、システムという視点を抜きにしてさまざまな問題を扱ってきた。システムの構成要素を一つ一つ取り上げ、それを追求してきた。そして、要素に分ける手法はコントロールのための科学を進展させるのに役立ち、一定の成果を上げてきた。しかし環境問題というシステム全体の問題に取り組むには、この手法はあまり役に立たない。個々の要素をいくら追求しても、システムは理解できないし、システムがどのように動いていくのかもわからないからである。これからの科学は、システムを扱えるものにならなければならない」(pp119-120)
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【グローバル化した経済=花見酒の経済】だそうだ。
AさんとBさんが樽酒(実:資源)の酒を飲み交わす(虚:経済)。
コレをつづけると樽酒がなくなる。
同量の資源を分けても、オオモトの資源は減っていく。
分かり易い例だなぁと思った!!
私の至らない要約を想像力で補えない場合は、立ち読みですね~♪
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環境問題は「自然環境」vs「人間社会」のような構造が一般的なようで。
しかし養老流だと「意識、脳」vs「自然、身体」になる。
「自然、身体」を「意識、脳」を超えたものとして認め、出来るだけルールを知る。
そして、「コントロール」ではなく「手入れ」によってvsが外されるとのこと。
そういえば…異常ばかり目立って、正常がわからない。
自然について全く知らない気がする。
根本的にソコがいけないと感じた。。
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養老孟司。
バカの壁、超バカの壁にはまっていた時に買ったもの。
難しいことを言っているのにあきない。
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環境問題のむずかしさは、なにが問題なのか、きちんと説明するのがむずかしいことにある。環境問題こそ最大の政治問題なのだ。都市化が進み、自然と人工が対立するようになった過程から、今後どうなるかまで、虫好きの養老教授が語る環境論。
「どうしたらいいかわからないことは、人生には山のようにある。それを認めたうえで、「辛抱強く、努力を続ける根性」が必要なのである。自然を相手にしていれば、ひとりでにそうした性格が育つ。それがないのが、都会人なのである。即座に答えが出ることを求めるからである。」
環境問題は、小学生の頃から耳にしていたけれど、いまいちリアリティを持てず、興味が持てなかった。だが、養老教授の毒もありつつもユーモアに溢れた熱いその語り口で語られたら、非常に興味が持てた。
「自然を単純に理解したと思うと、自然をコントロールしようという発想が出てくる。人体も含めた自然がシステムであり、カオス的変化を含めて、予測が完全にはつかないとわかれば、「手入れ」という発想でつきあうしかない。」
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環境問題を本質のところから考えた本。簡単に言えば、最近の環境運動への反対説です。説得力があります。
この著者、かなり理屈っぽいですが、よく物を考えているのだということがわかります。物事の本質を見るのは、大事なことです。
今、“騒がれ”ている環境問題がおかしなものだという論理を、納得することができました。
それでも環境擁護派の主張を応援したい気分もあるので、どうかこの著者が納得できるような反論を出してください。
[08.9.9]
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全人類(っていうか全日本人)必読書。
環境問題の話が中心だが、話題は縦横無尽に変わる。
最後に「学ぶことは変わることだ」との深い言葉がある。
また、読もうっと。
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[ 内容 ]
環境問題のむずかしさは、まず何が問題なのか、きちんと説明するのがむずかしいことにある。
しかし、その重大性は、戦争、経済などとも比較にならない。
百年後まで人類がまともに生き延びられるかどうかは、この問題への取り組みにかかっているとさえいえる。
だからこそ、環境問題は最大の政治問題なのである。
そもそも「人間社会」対「自然環境」という図式が、問題を見えにくくしてきたし、人間がなんとか自然をコントロールしようとして失敗をくりかえしてきたのが、環境問題の歴史だともいえる。
本書は、環境省「二一世紀『環の国』づくり会議」の委員を務め、大の虫好きでもある著者による初めての本格的な環境論であり、自然という複雑なシステムとの上手な付き合い方を縦横に論じていく。
[ 目次 ]
第1章 虫も自然、人体も自然
第2章 暮らしの中の環境問題
第3章 歴史に見る環境問題
第4章 多様性とシステム
第5章 環境と教育
第6章 これからの生き方
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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環境対人間と考えるのではなく、人間はもともと自然(環境)から生まれてきたことを覚えておく。自然は偉大であり、自然に人間は生かされている。
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20101014 大事な事は考える事、行動する事。どっちを優先するか?
20120403 どうも聞いたことのある話題が多いと思った。このテーマは自分の悩み所なのかもしれない。
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(「BOOK」データベースより)
環境問題のむずかしさは、まず何が問題なのか、きちんと説明するのがむずかしいことにある。しかし、その重大性は、戦争、経済などとも比較にならない。百年後まで人類がまともに生き延びられるかどうかは、この問題への取り組みにかかっているとさえいえる。だからこそ、環境問題は最大の政治問題なのである。そもそも「人間社会」対「自然環境」という図式が、問題を見えにくくしてきたし、人間がなんとか自然をコントロールしようとして失敗をくりかえしてきたのが、環境問題の歴史だともいえる。本書は、環境省「二一世紀『環の国』づくり会議」の委員を務め、大の虫好きでもある著者による初めての本格的な環境論であり、自然という複雑なシステムとの上手な付き合い方を縦横に論じていく
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環境について。
対比がなされている。
自然と人間、環境と経済、環境と政治…人間はともかくなんで政治?と思うでしょうが、読めばわかります。しっかり対比になってます。
ほんともう、なるほど納得の一冊。
環境問題について考えるなら、これを読まなければ。
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今の日本はあなたにとって活きる価値のある国でしょうか。
年々絶滅する生き物が増えています。一見人間には関係の無いような事が実際には大きな影響を及ぼす可能性があることを頭に入れておくべきです。
少し古い書籍ではありますが日本人が知っておくべきこと、これからすべきことのヒントが多数記されており今読んでも十分に通用する内容となっています。
当書では日本が置かれている状況や日本人が陥りやすい非合理的な考え方を根本から覆す方法が具体的に掲載されています。あなたも「ああすれば、こうなる」思考から抜け出しましょう。
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環境問題に関する論。やや極端な表現がちらほらあるが、他の本と違い、明らかに書きたい放題書いている感じで、先生の本心が垣間見えたかも。
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養老孟司のいちばん大事なこと 養老教授の環境論を読みました。養老孟司が環境論の方面から自説を展開しています。人間や自然と言うものは自分たちで作ることはできないのだから、そのまま存在できるようにすべきであり、人間が勝手に変えてしまってはいけない、という論拠には諸手を上げて賛成してしまいます。この本を読みながら思ったのは都市に住んでいる人たちは、ジブリのアニメに登場する空飛ぶ島ラピュタのように既に地上を離れてしまっているのではないか、ということでした。シータの「人は地面を離れては暮らせないの」という主張を思い出してしまいました。自分が絶対に正しいと言う主張は原理主義である、とか、都市で生活する人たちには環境問題である子育ては難しい、などという主張は面白いですね。
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サブタイトルのとおり、養老教授の環境論。
養老先生の語る、自然と人工物の定義に感心した。
「人工とは、人の意識がつくり出したものであり、自然はその逆。」こんなシンプルな定義の中にすべてが詰まっている気がした。
・人の身体は、人の意識によってつくり出されたものではないので、人間は自然。そして人の身体はひとつの生態系である。
・自然をコントロールするのではなく、環境原理主義のように全く手をつけるのをやめるでもなく、「手入れ」をすることで自然とうまく付き合うこと。
・環境問題は、古代から存在する「都市化・文明化」に密接した問題である。
ちょっと無理やりなところもあったけれど、全体的にとてもすっきりしていて、環境問題の基本的な部分がわかる本だと思いました。