紙の本
知的遊びとして、楽しく面白い未来生物学
2004/06/13 17:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンピュータグラフィックを駆使して作成された、五千万年〜二億年後の生物の挿絵が、知的遊びとして、楽しく面白い。奇妙な生物の、迫真に満ちたイメージである。未来の想像生物学であり、SFの分野であろうか。国際的な専門チームが、生物学と進化論の基本原則に則って、科学的に予測した生物たちである、というが。
予測の手順はこうだ。プレートテクニクスによる大陸移動の予測→未来の地球地図→気候の予測→生息環境の予測→生態学、バイオメカニクス、生理学による進化予測。未来の植物や動物の生理的条件は、現在の動植物と同じと仮定。また、人類は消えたと仮定。五千万年後の氷河期の時代、一億年後の生物大絶滅後の時代、二億年後の一つの超大陸の時代、各時代の地域別の生物相が詳細に記述される。環境の変化と生物の絶滅、その空白を埋める新たな生物の進化。奇妙な生物の存在も、理論的に納得させられてしまう、ようだ。
もとはイギリスのテレビ番組ということだ。イギリスは往年の栄光はなくなったが、学問の基礎研究においては、今でも独創的な成果をあげている、ということである。なかなかユニークな発想と取り組みを、するものである。感心した。学問は、好奇心から始まる。日本の学者先生にも、子供たちの好奇心を刺激する、このような遊びを取り入れてほしいものだ。現在のパソコンやゲーム機では無理かもしれないが、将来コンピュータゲーム化できたら、更に楽しめそうだ。どこか挑戦してみる、ソフトハウスはないものか。
紙の本
Wildisbeautiful!
2004/02/04 00:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヒロクマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
はるか未来の地球を描いた物語の多くは、人類が戦争や環境の大変化で滅亡、もしくは滅亡の危機に瀕している、といった暗いテーマが目立つ。しかしそれは人類の立場から見た話であって、地球という大きな生命体として見た場合は、必ずしもそうではない。そう思わせてくれるのがこの本だ。
ここには500万年後から2億年後の地球の様子と、そこに現れる生物たちの姿が、科学的考証に基づきカラフルなCGイラストと、具体的解説によって活き活きと描かれている。
2億年後の地球では体重8トンのイカが地上に進出し、森の中を歩き回り、鳥類に変わって魚類が空を飛び回るようになるんだそうな。こう書くとものすごいホラ噺に聞こえるだろう。しかし、これまでの地球の生命の歴史を踏まえ、今後起こりうる環境の変化から予測される生物の進化は、なるほどね、とうなずけるものが多い。
実際ここで紹介される未来の生物たちは、たくましく、したたかで、それでいてちょっと愛嬌があって、こんな奴らを見てみたい!と思わせる魅力にあふれたものばかりだ。
人類の歴史なんて、地球の歴史の中で見ればほんの一瞬にすぎない。やはり最後に地球を征するのは、ここで紹介されているような生き物たちなんだろう。そしてそれこそが、地球本来の姿なのかもしれない。Wild is beautiful ! なのである。
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遥か未来の地球の生態系予想図。同じコンセプトであるアフターマンよりも、いっそう奇抜な生物達がひしめいている。哺乳類よりも昆虫や魚、鳥類が元ネタになっているものが多い。
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2億年後の地球上では、どんな生物が生息するのか。科学者たちの検証によって描かれた生物の姿。異形の姿に驚くが、想像力を刺激してくれます。SFのような感じで楽しめます。
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2億年後、地球を支配しているのは巨大なイカ?!現代のCG効果と調べぬいた生物学で語る、未来の姿。色んな意味で歴史がわかります(´⊆`*)
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未来の地球がどのように変化し、その環境に適応するため生物がどう進化するのか、ということをシミュレートした本。
常人の予想を上回る生物がわんさか出てきて面白いです。
読んでて楽しくなる本だと思います。
専門用語の注釈がついていて
それほど読むのも苦にならないし、登場する生物の絵が多く載っているので眺めるだけでも楽しい本です。
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相当に面白い本である。
人類が滅亡した後の地球生態系の変化を科学的に類推し、そこに生息する生物達に名前をつけて生態を記述するという試みは、それがどれほど科学的に疑問符がつく試みであったとしても面白い。
個人的には、空を飛ぶ魚、昆虫に飼育される最後の哺乳類といった辺りも印象に残ったが、2億年後に地上を闊歩する知的生命体がとして、イカの子孫があげられたのが、印象深い。
すごく好きな小説である山田正紀さんの「宝石泥棒」で、人類滅亡後の地球の支配者としてタコ の子孫が描かれていたのを思い出す。地上の動物がいなくなった場合、やはり地球を支配するのはその辺の動物なのだろうか....
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2億年後、人類の消えた世界ではどんな生物が生き残っているのか、ということがテーマ。
データや科学的論証から推測し、それをCG化しているんですが、これがなかなかおもしろい。
例えば体重が2トンもある陸生のイカとか、松ぼっくりのような鱗を持った猪(本書ではパカ)とか普通に考えただけだと想像もつかないような生き物がCGで描かれています。
少し科学的な条件や情報に偏り過ぎた感がありますが、門外漢である自分でもかなり楽しく読めたので、自然科学に興味がある人には、かなりお勧めです。
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5千年、1億年、2億年後の壮大な地球図鑑!!
元はNHKで放送されていたものを、本にしたらしいです。
これをリアルに未来ととらないで、1つの物語として読むと楽しさ倍増しました。
カラーで様々に進化した動物がいて、一種の図鑑みたい。(妖怪図鑑とかの類を思い出す...)
でもでも、大好きな一冊です!見ていて楽しい、読んで「へぇ〜」と思える。動物たちも、可愛いのからツッコミどころ満載の笑えるものまで数多くあって、めっちゃ楽しいんです♪
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「ページを開くごとに現れる生き物たちは、未来のワイルドな世界のほんの一部に過ぎないのだ」(16p)
ワイルド過ぎな動物たちが織りなす未来予想図。世界の学者達が根拠をもとに作り出したらしいけど…何でこんなへんてこな形の動物ばっかりなんだろう?
大陸が移動し、またひとつになるだろうという予想等、未来予想のひとつとしてはおもしろい、かも。
そして、確かめようもない未来のことをおもしろおかしく予想するためだけに組まれたプロジェクトなのかと思うとおもしろい。でも象よりデカいイカがのしのし歩いてくるのは勘弁!っていうかイカに見えないよ…
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地上に進出した体重8トンのイカ!跳躍する砂漠のカタツムリ!など500万〜2億年後の地球にいるであろう生物の話です。突飛に見える姿形ですがいないとも限らない。実際、5億4千万年前の「カンブリア紀」にいた生物は今の生物とかけ離れた奇妙なものだったそうです。
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物凄い未来に生き物たちはどういった進化を遂げているのか?魚が空を飛ぶ。未来はすごいことになっている。
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巨大陸生イカ「メガスクイド」が格好良かった。
空想科学の世界に思えた、500万年とか1億年後の話なので人類滅亡とか言われてもどうこうなく楽しめた。
強いて言えば地球上最後の哺乳類が蜘蛛の家畜になっていたのがちょっと・・・
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過去・現在の生物について書かれた本はたくさんあるけど
未来について書かれたというのに引かれて本書を手に取りました。
本書に登場する生物は空想上のものではなく、生物学と進化論の
基本的原則に則って描かれています。最新のCGで描かれた未来生物は躍動感たっぷりの迫力で
こんな生物がいそうだなと思わせてくれます。私には想像もできない世界と生物を見せてくれる
一冊でした。
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生命の誕生から現在、そして未来の生命の在り方予想をしてる本。いままでの歴史から考えるとン万年後には氷河期がきて生き物はこういう進化をしているだろうという予想をCGを添えて紹介している。いやいやこの形はありえないだろうと思っても、魚から進化した現在の生物のことを考えるとけっこう在りうる未来なのかも。自分としてはもっと夢が欲しかった(笑)。