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「チムニーズ館の秘密」の続編なので、先に「チムニーズ館…」を読んでおくとより楽しめる。バトル警視が出てくる。最後まで犯人が分からなかった!結末を知ると、あぁなるほどという感じの一冊。
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ラストのどんでん返しに驚いたが、
犯人の動機にあまり納得できなかった。
伏線もあまりなかったように思う。
アガサ・クリスティ不調の頃の作品とのことなので
これから他の作品も読んでみたい。
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七つの時計
僕は学生時代、古本屋巡りが好きでクリスティ作品は出版社等拘らずに時間をかけて全て揃えた。残念ながら全てを読み尽くす情熱は無かった訳だが、何年も経って再びクリスティへの熱が再燃し、ハヤカワ版を買い直し読み進めるに至る。
当然、以前に読んでいて記憶しているもの、読んだがうろ覚えで何となく記憶にあるもの、全くの初見があり、今作は今回が初見だった。そして幸いにも見事に裏をかかれ、学生時代にかえった様な気分になった。ものの見事に虚をつかれた、どう分類していいかわからないミステリーを久しぶりに体感した気持ちだ。
(ミステリーに縛られる事なく楽しめる。トリックの分類は勝手に叙述トリック、もしくは読者の先入観を逆手に取ったものだと理解している)
何でもかんでも面白いと評価する訳ではないが、僕にとっては良作だ。楽しむ事が出来た。
今作は「チムニーズ館の秘密」の続編にあたり、前作から主人公は変更になっている。チムニーズ館の所有者ケイタラム卿の娘、バンドルを中心に構成されている。魅力的な人物達も健在であり、多少なりとも滑稽なユーモア溢れるパートもあり、起承転結がはっきりしている。前作においては中心人物が他に存在していた為バンドルの魅力は制限されていたが、今作ではとても行動的で魅力ある女性に描かれており主人公として理想的だ。序盤はスリリングではあるが、読みにくさもあり(登場人物が多く名前がわかりにくい。職業も似ている為、手こずる)中々頁がすすまなかったが何故この様な事が起きたのか。については読者の好奇心を見事に捉えていると思う。
前作後、チムニーズ館は他の人物に貸し出されており、ケイタラム卿達は数年ぶりに館へ帰還する訳だが、屋敷ではとある若い人物が睡眠薬の飲み過ぎで亡くなっている事件が起きる。
物語が進むにつれて、バンドルを巻き込み広がっていく事件と、秘密結社「セブンダイヤルズ」の真実。バンドルや仲間達の冒険は魅力的だが危なっかしくてハラハラしてしまう。途中から秘密を共有する仲間が増えていきながら、そしてそれぞれが自分自身を欺きながら政治に関わる人物達との社交に携わり少しずつ謎が紐解かれていく訳だが。冒頭にも述べたが真相が明らかになった直後、空いた口が塞がらないとはこの事であり、そういえばクリスティはこうだったなぁと再認識させられた作品。前作に比べてバトル警視の役割も大きく、彼の人物像が少しだけ垣間見れる。
途中までは「チムニーズ館の秘密」には及ばないなぁと思いながら読んでいたが、中盤から結末までで場合によってはこちらの方がいい?と思わされた作品。「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」と並び、「チムニーズ館の秘密」と「七つの時計」は二対一組で面白さが何段も上昇する。
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秘密結社。少年心をくすぐる単語だ。そんな秘密結社が登場する物語。長編物だとどうしても事件が起きてから解決までの間の中だるみがあるけれど、それを覆すラストの展開。クリスティ初期の作品だが、一読の価値あり。