紙の本
奇想、天外より落ちた先の泉
2004/02/24 00:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鮎方高明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふわー、なんだか不思議なマンガでした。なんと言えばいいんだろう。腹を抱えて面白いって訳でもないし、涙が出るほど感動するって訳でもないのに、妙に心に引っかかるのです。腰巻に書かれている「奇想のカオス」というのは、意味が解らないながらも、確かにこのマンガを言い表しているなぁと、同じ帯に「幻想」という言葉も書かれているのだけれども、それよりもこの「奇想」というのが合う作品群でした。
奥付などから推測するに、これは連載されていた作品なのだろうけど、そこには一貫したストーリーや登場人物などは無くって、短編集のような趣もある(たまにチラリと過去の作品に触れているような箇所もあるけど)。共通して言えるのは、夢で見るようなお話だということと、そして登場人物たちはその世界を、夢で見るような日常世界のようでいて、それでもどこか歪んでいる世界を受け入れていて、不思議だと思っていないことなのかな(それがまた読者には、少なくとも私には不思議感を高めさせるのだけれども)。
んー、書けば書くほど言葉が足りないような、また言葉にすればするほどこの魅力はどんどん失われていくような気がします。ただ読むだけじゃあなくって、色々読み取ろうとすれば、たといそれが作者の思惑とは違おうが、自分ひとりで様々に感じ取れる、そんな感性が優先されるようなマンガです。不思議な話が好きなら、そして常識の通ったストーリーやオチが無くても大丈夫だと言うのなら、兎に角読めということなのだけど、人を選ぶ気がしないでもない。ただ気に入ったなら何度でも再読に耐えると思うので、マンガ喫茶などで確認してから買うのが吉かな。
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この人の世界の、自然の捉え方がすき!
ちゃんと眼を開けたら自分の外も中も世界はなんて素敵で不思議!
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「はなしっぱなし1」を借りたのが、五十嵐大介との出会いでした。貸してくれた先輩に感謝感謝。
自分で買ったのは、増版後の「上下」バージョン。
ひとつひとつ、何度も読み返したものです。
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五十嵐大介の漫画を読むとおもいっきり傷ついてしまう自分がいました。なのでこれを読んだきりでほかのを読んでいませんでした…。もったいねえ
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普段の月は太陽の光が反射して輝いてるんですね
だから「月のない夜」は太陽の光に惑わされず
月自身の発する光を感じる好機なのだ
(第13話「博物館で月見」)
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ストーリーは不思議すぎて、私のような阿呆には
いまいちなものもありました。
でも、やっぱり絵が凄いので画集として、あるいは
つれづれに引っ張り出して眺めるのにはいいと思う。
下巻も買おう。
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思えばアフターヌーン版の単行本を偶然手に取ったことから僕の五十嵐熱は始まった。
かれこれ10年以上前の話か…。
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五十嵐大介初期作品の復刻版。
書き下ろしもあり、絵の変遷などがわかってとてもよい。
観察と想像力。
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上・下 完結
不思議な話がたくさん。
八百万の神的な。
前々から五十嵐大介の漫画を読みたいと思っていたけど、
書き込みがすごい。
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五十嵐大介、このひとは凄い。このひとのアタマん中には宇宙がある。その宇宙はどんなに沢山の絵を描いても、どんなに沢山の本を読んでも手に入らない類のものだ。沢山のクスリをキメても、多分無理だろうな。聞けば東北で農業をしながら漫画を描いてるとのこと。素晴らしい。神に近い。
ブックオフにて上下巻105円で購入。
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上下巻。幻想短編集といった趣で、絵柄も各短篇ごとに違い、多彩な世界を楽しめる。都市よりも田舎の自然が多く描かれていて好き。
人魚や、どこからともなく現れる髪の毛、風に攫われる少女など、日常にぱっくり空いた異界への穴の恐ろしさ。がらくたの衛星、横断歩道に沈むサンダルなど、ちょっと不思議な、大部分の人が気付かない出来事…。
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短編集。
自然と生命、その中で生きる人間。翻弄される人間。
不思議空間と翻弄されまくりな僕。
氏の漫画を読むと生きてるって感覚がじわりと涌いてくる。
あえて挙げるなら『ミルラ』と『博物館で月見』かな。
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今は
地球の裏側の出来事も
起こると同時にわかるし
実際に行くにしたって
すぐでしょ
でも
昔は何週間もかかったって
いうんだから
それだけ地球が
小さく萎んじゃったのよ
その分 星が遠く
見えにくくなった
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日常のすぐ隣に現れる伝奇的な異形が、はなしっぱなしという民話の原型を思わせるスタイルによって、得も言われぬ面白みのあるタッチで描かれていく。
五十嵐大介氏の初期短編集だが、その後の多くの長編と比較しても、味わい深い作品集となっている。
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上下巻合わせて45話。
キラッと光ってバチッと弾けてしまう感じは
タルホの「一千一秒物語」に似ている。
続きが気になる終わり方だが、続きを見るにはたぶん代償が必要。
もしかしたら取り返しがつかない様な大きな代償が。
そんな不思議な怖さを感じる漫画です。
この終わり方が丁度良いのかもね。
続きは各個人の想像に委ねられるのです。想像万歳。