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面白かった。
しかしやっと今回、最後まで読み終える事ができた。
いままで何度も読み始めては、ネッドがヴィクトリア朝へ送り出されるあたりで挫折していたのです。なんか全然話が分からない、みたいな感じで。
読み終えた今は理解できますが、あの辺りまではネッドがタイムラグでへろへろ状態、読んでいても訳が分からなくて当然なんですね。今回諦めずに読み進めてよかった。ボートで河を進み始めたぐらいからは、ドタバタ劇を笑いながら読みました。
これで新刊の「ブラックアウト」に取りかかれます。こちらもすごい楽しみ。
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http://park8.wakwak.com/~w22/509.htm
で紹介されてて興味持った。イギリス文学オマージュがいっぱいい出てくるんだって。
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設定や何やらがわからないままいきなり始まるので、読んだ最初は戸惑いますが読み進めるうちに設定や時代背景はわかります。登場人物はそれぞれ特徴があって、外国ものの長編だと頭がこんがらがる私でも誰それはどういう人物だったかすぐに思い出せるキャラの立ち方です。SF食わず嫌いな人(私もその一人)でも一冊まるっと読めちゃいます。訳者あとがきに「ヴィクトリア朝版バックトゥーザフューチャー」とありましたがまさしくそれ。
タイムラグとかネットとかカオス系とかのSFらしい用語は出てきてますが、SFという土台にユーモアのクリームたっぷり、恋愛のスパイスをちょっぴり効かせた美味しい本です。
これを読むと「ボートの三人男」も読みたくなります。
あと、あの人とこの人がくっつくんだろうなーという伏線もちゃんと張ってあって、唐突な感じはありませんでした。
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これぞSFって感じで、面白すぎて止まらなかった。
トシーが誰とくっつくかは、割りと早い段階で分かってしまったけど。
読み始めはわちゃわちゃしていて、設定についていくのがやっとだけど、考えてみればSFってこうだよなと思うとガンガン読める。
ある目的に向かってストーリーが収束していく感じは、わたしの読書における最高の快楽。
結構長いので、読むのに時間はかかったけど、よく計算されたストーリーだった。
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妙なタイトルだが、もともと、ヴィクトリア朝を舞台にテムズ川で川遊びをする三人の様子を描いたユーモア小説の名作ジェロ-ム・K・ジェロームの『ボートの三人男』の原題には、邦訳部分に続いてこの文句が入っている。ボートに乗っているのは三人と犬一匹だが、犬は勘定に入れません、ということ。タイトルはもちろんのこと、作品自体が『ボートの三人男』に捧げるオマージュになっている。
タイムトラベルという設定をとっていることから考えれば、まちがいなくSF小説。しかし、邦訳の「消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」という副題からは本格探偵小説の匂いがぷんぷん漂ってくる。余談だが、ヴィクトリア朝花瓶というのは、それ以前の名探偵による謎解き主体の推理小説からハード・ボイルド小説への変化を評した「死体をヴィクトリア朝花瓶から取り出して街路に投げ出した」という有名な一節から来ていると思われる。
「司教の鳥株」と呼ばれる教会内部を飾る美術品の紛失事件を調査するという点では、死体こそ登場しないもののミステリと言ってもいいだろう。お定まり通り最終章は謎の解明にあてられている。ウィルキー・コリンズの『月長石』や、クリスティのポアロ、ドロシー・セイヤーズについての度重なる言及はミステリの黄金時代へのオマージュでもある。SFとミステリを融合させつつヴィクトリア朝を舞台にしたユーモア小説を書くという何とも欲張った小説だが、ヒューゴー賞をはじめ、他の賞も受賞しているところからみても作者の狙いはあたったと言えるだろう。
21世紀、オックスフォード大学史学部の学生ネッドはロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の復元計画の資料集めのため、20世紀と21世紀の間を何度もタイムトラベルさせられ、ジェットラグならぬタイムラグに陥っていた。主任教授はそんな彼を休養させるためにヴィクトリア朝に送り込もうとするのだが、そこにはもう一つの隠された使命があった。それは、別の学生が時を超えて持ち帰ったある物をもとの時代に戻すというものだが、ひどいタイムラグの所為でネッドは、それを理解しないまま過去に送られる。
送られた先は例の三人男も登場するテムズ川。やたらとテニスンの詩を引用したがるオクスフォード大学生、魚の標本集めが趣味でどこでも釣りをはじめる歴史学教授、日本産の金魚を蒐集する館の主人等の奇癖の持ち主、執事は他家から盗む等のヴィクトリア朝ならではの独特の流儀、それにタイムトラベルの起こすズレなどが絡まり合い、抱腹絶倒の頓珍漢な騒動が巻き起こる。
人間だけではない。ヒッチコックがマクガフィンと呼んだ、ストーリーを展開する上で鍵となる物にあたる猫のプリンセス・アージュマンド。あるいはボートの乗組員の勘定には入れてもらえないが、脇役としていい味を出しているブルドッグのシリル。この二匹と登場人物のやりとりが、単なるドタバタにはない温か味のあるユーモアを醸し出しているところがさすがだ。猫好きなら、プリンセス・アージュマンドの振る舞いににんまりとし、犬好きなら、シリルの扱われ方に一喜一憂しながら、物語に引き込まれてしまうこと請け合いである。
食事作法や料理、女性の衣裳や使用人との付き合い方までヴィクトリア時代の蘊蓄満載で、話の中にはダンセイニ卿まで登場する。引用されるテニスン、シェイクスピアの詩、第二次世界大戦における暗号解読戦、エニグマとウルトラ等々、文学、歴史好きにもたまらない一冊。ゆったり流れる川にボートなど浮かべて、柳の木陰をのんびり滑りながら繙けば最高の休暇となるだろう。
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タイムトラベルSFラブコメミステリー。
意外とアクション。
SFな上に状況の説明が無いまま物語が始まるので、理解するまでちょっと時間がかかったけど
最後の3分の1俄然面白かった。
時代を様々移動することもあり
緩急あって、映像化したら良いのに!と思える作品でした。
金魚を食べちゃうプリンセスアージュマンドと、愛嬌のあるシリルがとにかくかわいい。
『ボートの三人男』も読んでみたいなぁ。
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SFという枠に縛られず、やりたい放題いろいろと詰め込まれてます。
すごくおもしろい!!そして読みやすい。(ボリュームはあるけど)
ちりばめられたウィットの多さや、過去のイギリスの著名人(本の中の人物含む)がクスっとさせられる。
章の始めにあるあらすじを先に読んでるので、大体の流れは予想してるけど、
思いがけない展開になることが多く、そこがまた面白い。
読者の想像力をフルに活用させるような章立てになってると思う。
とにかくおもしろい。1週間かけてじっくり読ませてもらいました。
この人の本を他にも読みたいなぁ。
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時空ミステリー。
古典的なミステリーの技法を下敷きにしながらも、タイムマシンの理論とさまざまな古典からの引用が作者の膨大な知識量を物語る。
「航路」以来のコニー・ウィリスだが、相変わらず大著で文字が詰まっているのに、それを感じさせず読み進めてしまう。
誰もかれもキャラが立ちすぎ。テレンスが友達だったらいいなと思う。
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やっと読めた。
子育ての合間にとばしながら読んだので、解ってないところもいっぱいあるけど、面白いSF&ミステリー。
コメディでもあるかな。
とにかく最初の設定なとんでもないから、最初の方は何が書いてあるのかさっぱり解らなかった。
にも関わらず、なんだかんだと最後まで読ませてしまう魔力あり。
登場人物が右往左往する姿にクスリと笑いながら、謎の行方にドキドキさせてくれるお話。
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長かった…でも面白かった。
個人的に特に面白かったのは、ジェローム・K・ジェロームの
『ボートの三人男』をまさにオマージュする河下り(上り?)の辺りかな。
主人公があらゆる事象に一人称でツッコむ小気味よさは愉快で思わずニヤっとしまう。
全体としては先述の部分とプロットとなるタイムトラベルと、
終盤にかけたジェットコースターばりの決着部分は
全く別の作品かと思わせるくらい毛色が違って見えた。
そういう意味では一粒で二度三度美味しい作品かも(笑)。
繋がり的に次はウッドストックの『ジーヴス』が読みたい。
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オックスフォード大学史学部シリーズの3作のうちの真ん中の2作目。
このシリーズって、全く感じが違う。
私はこの2作目は全く付いていけなかった、残念。
最初に読んだ、「ブラックアウト」&「オール・クリアー」が一番面白かった。
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けっこややこしい話。
せめて、巻頭に登場人物の案内を入れてほしいなぁ。
でも、タイムトラベルものとしての魅力は十分。
もし将来、タイムトラベルができるようになったら
きっとこういうことは普通に起こるもんなんでしょう。
タイムラグ(時差ぼけならぬ時間旅行ぼけ)って考えが好きです。
バックトゥザフューチャーにもありますけど
ちょっとした出来事がその後に大きな影響を与えるわけですが
ここではそれを齟齬という表現をしていて
とにかくもう、話全体が齟齬だらけ。
中盤、トシーとヴェリティが出てくる辺りまでは何が…と思いますが
そこでようやく齟齬の正体が明らかになり、
トシーとテレンス、その他モロモロの方々が
しっちゃかめっちゃかに出会いだのケンカだのするわけだ。
で、肝心の主教の鳥株はどこに行ったのか?
などのいろんな謎が、最後の方でキッチリ明かされるので
ミステリ要素もなかなかのものでした。
だがしかし、一番いいと思ったのは
486ページ、チャプター26の最後の行。
タイムトラベルならではの、最高にステキな一文です。
惚れます。
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ドゥームズデイ・ブックとはうってかわって全編通して明るいコメディ。
みんなの願いは「ネッド寝ろ」。
脇役(動物含め)みんなが魅力的。
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オススメしていただいた本です。とても面白かったです。タイトルから、タイムトラベルものだとは分からなかったので驚きましたが、SFやミステリー、歴史ものや恋愛ものと様々な要素があって楽しかったです。登場人物たちも魅力的で、犬と猫もとてもかわいい。歴史の流れというものは、変えられないものなのかなとも思いました。スピード感がありました。
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933 ウ
史学生のネッドは、レディ・シュネプラルの命令で大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも探し出せと言われていた。しかし、「降下(タイムスリップ)」のしすぎで、重度のタイムラグにかかった彼は、ダンワージー教授の計いで、エリザベス朝で休養することになったのだが…。
風景描写が若干くどく感じるが、結局、「次どうなるんだろう?」と引っ張られて読み終わった。
タイムトラベル×ミステリー&ラブ・コメディといった盛り沢山なSF。
タイムトラベルSFはコメディになりうるな、と感心。
タイムパラドクスを解決するために、腐心するが、結局うまくいかず、ターゲットが間違った相手と恋に落ちたりする。が、それがすべてじつは、タイムパラドックスの解決のための行動だったりする。
それから現代では「古典」とされているものが、その時代に人には(当然ながら)新鮮なベストセラーだったり。そのズレも笑えたりする。
これを読むと「エリザベス朝」時代というのが、現代欧米人にとって一種独特で、憧れのある時代なのかなーと感じる。
日本で言うところの江戸時代、とか、平安時代みたいな。
「犬」も可愛いですが(ブルドック)「猫」も出てきます。