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ひとつの出来事を一人称から三人称へと巧みに変換しつつ、文字通り『反復』してみることで見えてくる側面。秘密の使命を負った主人公は次々と超現実的な状況に巻き込まれながら、ナチス政権崩壊直後のベルリンを彷徨う。殺人現場、双子の経営するホテル、SM的な要素を持つ少女のいる人形店…『愛人』(同書店で紹介)のデュラスと並ぶ、ヌーヴェル・ロマンの騎手アラン・ロブ=グリエが20年ぶりに書き上げた小説。映画『囚われの美女』も『去年マリエンバードで』も幻想的で美しくて大好きでした。ロブ=グリエ御大の作品を読むとき、仏蘭西語の素養が不足していることを悔やみます。この作品はキルケゴールの教養があるとさらに楽しめるのですが、訳者の平岡篤頼氏は懇切丁寧に訳注を付していらっしゃいますから、ロブ=グリエ入門としてもお薦めの1冊でございます
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今までの作品等のパロディが使われていたりするらしいが、全く読んでいなかったのと、文自体が少し難しかった。
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2/3くらいまでは、ウネウネと二つ名どころか
3つも4つも別名を持つ人達やら、そっくりさんやらが
絡みに絡んで、もう素面でないと追っていけない、
グルングルンな楽しさなんですが。
少女娼婦の拷問が始まった辺りからひいたっての〜
って惨くて…って話じゃなくて、大年増のワタクシにゃあ、所詮馴染みでもない美少女がどんな目に合おうが関心ないし、っていうね…
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話の筋が面白い小説は、先を知りたくて結構飛ばし読みになりがちです。
殺人事件も有り「B級エンタテインメント的」と訳者が言うこの小説は、
それを拒否します。
視点や名前がコロコロ変わり、飛ばし読みを邪魔します。
もしかして、キルケゴール『反復』と絡めた難しい解釈より、それが作者の目的?
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タイトルの反復って、自分の作品の練り直しというか、この人の書く作品は大体テーマや登場人物が決まっているらしく、なんとなーく書き連ねた感じ?表紙の成熟した女性なんか出てこないし、相変わらずローティーンの拷問器具を使った嗜虐が表現したくて、設定を殺人スパイみたいにしてるのかなー。内容はほぼ無いんだろうけど、前衛的とかいうくくりで、この人の作品を処理して向かい合わないのも乱暴な話に感じて。この人どうしようもないな、と思いながらも同情しちゃうじゃないですか。なんかそういう風に思えてきて。。。