投稿元:
レビューを見る
途中までは抜群に面白かったがラストがしっちゃかめっちゃかで、上手く消化できなかった。
もう一年後くらい読み直したらまた違う印象なのかもとも思う。
投稿元:
レビューを見る
著者の本で三冊目。
「天体の回転について」「玩具修理者」に続き、この本を読んでみる。かなりの長編で、途中、無駄に密度が高いところが難点。つまり、飛ばし読みでも十分な箇所がちらほら。
内容としては、玩具修理者的グロさに溢れている。
20年ぐらい前かな、寄生獣という漫画があったが、なんとなく、似ている。
投稿元:
レビューを見る
【再読】新刊当時に読んだときは、「なんじゃこりゃ?」的な読後感だったが、ここ5〜6年でリテラシーが向上したのか、今回の再読は文句なしの五つ星。
不慮の飛行機事故で光の国(?)の使者と合体(共生)を余儀なくされた主人公モロボシハヤトと悪の化身(?)「影」との血沸き肉躍る…ならぬ、粘液沸き腐肉踊る戦いを描いた、超スプラッターヒーローファンタジー。有り体に云うと、「ウルトラマン・ザ・スプラッター」。
このキッチュな世界観に乗っかって、作者独特の言語感覚も不気味さに拍車をかける…というか、スプラッタなシーンよりも、普通の会話シーンのぶっ壊れ感の方が気味悪い。
とはいえ、得意のスプラッタ描写も容赦なく、ヒロイックなシーンであろうとも、目玉は転げ落ち、剥き出しになった筋肉組織は膿を伴い律動する、といった態。
しかしナンと云っても、前半で展開される光の国の使者…ならぬ、プラズマ生命体「ガ」の独創が素晴らしい。特に長老とガの交接シーンは白眉。また忘れた頃に読みたい。
投稿元:
レビューを見る
「完全世界観構築SF」
すごい。この世界ほんとに完成されてる。
長編ゆえにできるサイエンスフィクション。
ガは地球にやってきて一人の腕に寄生する。
あれ、そう思うと寄生獣に似ているぞ。気のせいか?
戦いあるしね。たまたまかな。
表紙かっこいいぞ。
投稿元:
レビューを見る
変身ヒーロー物をハードSFの観点から書いた意欲作。長編ということとテーマに食指が動かなかったことで数年間敬遠していたが、いざ読んでみると非常に面白かった。SFあり、グロあり、の小林泰三ワールド全開。読んでいてとても楽しかった。
投稿元:
レビューを見る
乗客全員の命が絶たれたと思われた旅客機の墜落事故。壮絶な事故から生還した諸星隼人は、世界を襲う未曽有の危機に直面する。
一方、真空と磁場と電磁体からなる世界の住人「ガ」は、「影」を追い求める
あまり地球へと飛来する…
小林泰三の長編は初読。
「ガ」が住まう真空と磁場、電磁体からなる世界がとても刺激的で独創的だった。こういった奇天烈な世界設定は、著者ならではだと思う。
しかし、千秋の人間もどきは衝撃的だったなぁ…
そして、物語のラストのくだりは、泰三ファンだからこそ楽しめる内容だと思います。
投稿元:
レビューを見る
なんというか、情景描写が事細かです。
グロくてキモい。
ニオイまで感じられそうな描写です。素晴らしいと思います。
内容はSFなホラー。
なんですが、かなりウィットに富んでおり、にやにやしてしまうコトも沢山ありました。でも、グロくてキモい。
映画にしたら、スプラッタパニックホラーになるのかな。
面白かったし、ガーって最後まで読んでしまいましたけど、
敵の内容とか、人物の設定とかは、個人的な趣味でいえばもう少しほしかったなぁ、というカンジでした。
描写を楽しむにはとても良いのかも。
投稿元:
レビューを見る
―――旅客機の墜落事故。乗客全員が死亡と思われた壮絶な事故現場から、諸星隼人は腕一本の状態から蘇った。
一方、真空と磁場と電離体からなる世界で「影」を追い求める生命体“ガ”は、城壁測量士を失い地球へと到来した。
“ガ”は隼人と接近遭遇し、冒険を重ねる…。人類が破滅しようとしていた。
新興宗教、「人間もどき」。血肉が世界を覆う―。
日本SF大賞の候補作となった、超SFハード・アクション。
小林泰三は今まで短編しか読んでこんかったけど
長編としてキチンと成立しててめちゃくちゃ面白かった
ジャンルとしては…、ロジカルSFスプラッターホラー…かな?
『九十九十九』と似てる部分もある
しょっぱなから最後まで肉弾戦による地獄絵図が続くねんけど
宇宙人"ガ"の生態や、地球上で起こる出来事が非常にロジカルに描かれてる
黙示録の世界観も入ってくるけど小難しいわけでもなく
誰もが知ってるあの「ヒーロー」へのオマージュに溢れてて
「彼」が実在すればどうなるのか?を真剣に検討した感じやな
終盤に分かる人にだけ分かるお遊びも盛り込まれてて
とにかく大満足の一冊やった
投稿元:
レビューを見る
人間と異種生命体の共生関係故の苦難、戦闘時の近隣被害、敵による人類の変異etc…をグロ要素を加えつつ書かれた小林泰三版ウルトラマン。
更に後半はデビルマンとなり、必殺技はマジンガーZ、そしてオチは"アレ"だったりします。
終盤は打ち切りの決まった少年漫画よろしく少々詰め込み過ぎな展開なのが惜しい。
『玩具修理者』未見の方は先にそちらを読むことをオススメします。
投稿元:
レビューを見る
小林泰三さんの長編を初めて読んだ。
序盤からわけのわからない単語を連発され、だいぶ辛かった。そこを乗り越えた後は楽しめたが、後半からスケールがいきなりデカくなり、そのくせ話自体はつまらなくなってきた。とくに、終盤のデパートでの戦闘は少年漫画のような展開が続き白けた。
私だけかもしれないが、主人公の変身能力から進撃の巨人を連想してしまった。
投稿元:
レビューを見る
SFでホラーで怪獣モノという著者の集大成のような長編。とは言え面白くて一気に読み終えてしまいました。
ウルトラマンなどのテレビの特撮モノは最初の15分、悪い怪獣が地球にやって来て…という下りが、ヒーローが出てきて怪獣を退治するラストよりも好きだったと言う著者の言葉が活き活きと生かされていると思いました(笑)いろいろなパロディも鏤められているので、それらを拾う楽しみも乙でした。ラスト、「ガ」の本当の名前も。
長編ということだけあり、持ち前の鋭利さが若干欠けているのがちょっと残念。
投稿元:
レビューを見る
宇宙人というのは何やかやといっても大体固体なわけで、これが期待になったりしてしまうと、もはや存在しているのも分からないというか、RPGの敵のような存在。実際のところ宇宙人がいたとしても、全く意味不明な存在の可能性の方が高いよなぁ、などと思う。
投稿元:
レビューを見る
「空想科学読本」の科学的正しさを元にウルトラマンを再構築した感じの内容。最後の「ガ」の行動が突然すぎて意図がイマイチ不明
投稿元:
レビューを見る
小林 泰三による侵略型SFホラー小説。思想を異にする2体の宇宙知的生命体が地球に降り、地球の生命体に寄生して戦いを繰り広げるというプロットはハル・クレメントが1950年に発表した侵略SFの古典「20億の針 (Needle) 」をベースに、ロバート・A・ハインラインが1951年に発表した『人形つかい』、1987年にアメリカで公開されたアクションホラーSF映画『ヒドゥン(The Hidden)』のホラー感覚、スティーヴン・バクスターが1991年に発表した宇宙高等知的生命体同士の対決SF作品「ジーリー (Xeelee) 」シリーズの世界観を始め様々なSF作品を一つの鍋に入れ、和製特撮映像作品を調味料に加えたトンデモSFスプラッターホラー小説。
本作を1966年に円谷プロが製作した「ウルトラマン」へのオマージュとする感想を多く見受けるものの「ウルトラマン」の初期段階からの基本設定は円谷プロのメインシナリオライターであった金城哲夫氏らがクレメントの「20億の針」を草案にしているので本書がウルトラマンのオマージュやパロディとするのは語弊があり、むしろ「仕切り直し」をした作品といえよう。しかし、読者のサービスやビジュアルを明確化する意味合いも込めて特徴的なフレーズを使って楽しませてくれるのは事実。
前作の「玩具修理者」から引き継いだ宗教における信仰心や教祖のカリスマ性の裏側に垣間見える人の弱い心やそれに入り込もうとするドロドロとした思想は即ち心への「侵略」であるとする部分をより明確化した作品であり、ジャック・フィニイの名作「盗まれた街」の日本版クライマックスは「影」との決着を描きつつも、プラズマ生命体、ダークマターを扱ったハードSF調の締めくくり方は、前半のハチャメチャなダイナミックさを徐々に抑え、しだいに美しく輝きだすかのような綴りで、それはまるでホルストの組曲「惑星」をフルで聞いた様な後味が楽しめた。
「ΑΩ」 Αアルファは始まり、Ωオメガは終わり。アルファは淘汰であり、Ωは再生。ぞしてそれは永遠に続くのだ。
投稿元:
レビューを見る
グロくて絶望的な世界描写が延々続く話かと思いきや、わりあいハッピーエンドで読後感が清々しい! 驚いた。
中身は、エヴァンゲリオンとバイオハザードとウルトラマンと『ジュマンジ』のごった煮といった様相を呈している。しかし、徹底的に作り込まれた設定お科学考証のおかげで、猥雑さも過剰にはならず、説得力がある。いやあ、じつに読ませる! 作者の力量のなせる技か。
ラスト2ページは、作者によるファンサービス! 「長いお話、ここまで読んでくれてありがとうございます♫」と作者が言っているような愛嬌のあるオチ。