紙の本
解決編或いはクールダウン?
2017/06/08 13:15
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投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
矛盾螺旋で興奮したところで下巻に入ると、これまでの上・中の話を思い出しながらストーリーを完成させる考察に入り、冷静に読み進める形になります。上・中で作中のトップクラスの相手を倒し尽くしているので戦闘的には安心して読んでいる形です。最後までいってようやく空の境界ってこういう話かぁ、と感嘆するイメージです。中まで読まれているのでしたら少し退屈に思っても最後までいくことをオススメします。
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人気同人ゲーム「月姫」のシナリオライターが書いた同人誌「空の境界」が書籍として発売されました。
是非上下巻あわせて読まれる事をお薦めします。
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書くことがなかったから、これについて書いておこう。いずれ読む機会はあるだろうと探っていて、ついに読む機会を得たのが少し前。手元に本がないのはいつものことだが、読んだときに思ったことをつらつらと書き連ねることにする。ちなみに、いつもの事だがネタバレは一切ない。
まず、世間に溢れる理系文学少年(?)が書きたい書きたいと思っていた世界をついに商業という形で具現化してくれたな、と言うのが印象。不思議な事の仕組みだとか、魔法だの魂だのの世界における位置づけは、理系文学少年なら誰もがやりたいと思っていたことで、その行いは本来ネット小説の文化であったはずだ。それがネット小説から抜きん出てついに商業出版し始めたことは、一つの革新的出来事であるし、ある意味商業の幅が広くなったとも言える。
ここで言う理系文学少年が書きたかった内容とは、理系少年なら魔法だの奇術だのを世界に持ち込むとき、何よりもまずそのシステムを考えたくなるのが常だと思うが、その盛大に組み上げたシステムの事である。では、ここではそのシステムにどういう位置づけを置くかが問題になる。本書で言えばそれがお話の元になる者であり、決して物語の副産物にとどまらない。ましてや、奈須きのこの場合はシステム自体が主人公と言っても過言ではない。人物にシステムに関するトークをさんざんさせ、主人公とともにシステムを学んでいく。システムの説明が終演したとき(言い過ぎかもしれないが)同時に物語は終了する。つまり、主題はストーリーでなくシステムなのだ。
友人Yは似たような魔法の世界観を徹底的に説明させる小説(上記に記したやたらシステムを説明する小説?の事だ)がこの本のおかげで増えたと言うが、俺は実際表舞台に出ていなかっただけだと思っている。この本の繁栄によりそれを許容するマーケットというか編集者が現れただけだ。今まで隠されていた者が商業化して明るみに出ることはよいことなのか面白いが、この風はしばらく続くだろう。俺自身はこの世界観の押しつけ小説はあまり好みはしないが。
かと言って、この本が面白かったかどうかと問われれば、面白かったと答える。確かに奈須きのこの作り出すシステム(世界観と書けばよいのだが、皮肉を込めてシステムと書く)は実に面白い。斬新であるかどうかと問われれば、確かに斬新であるが、意外性は持たないと言っておこう。そして、やはり魅力的なのだ。だから奈須きのこの説明をだらだら書く性格も耐えられるわけで。かつ、奈須きのこのキャラクターは後で気づいたのだが、かなり魅力的なラインナップに仕上がっている。この奈須きのこの実力は『月姫』で恐ろしいほど味わったが、だがその分惜しいと思える点がある。お願いだから、奈須きのこには台詞の書き方を勉強して欲しい。それさえ解消されれば、俺は奈須きのこの不条理システムの世界も苦もなく読めるだろう。そう、キャラクターは魅力的なクセに台詞がどうしようもない、というのが俺の感想である。できればだが、説明しない事にトライしてみて欲しい。それに、だらだらと説明を書き続けるだけあって、長いし起伏が途絶えるし、疲れる。一気に読むことはできなかった。
まぁ、どちらかと��えば、俺は奈須きのこが一発屋であることを望んでいる。というのは、好きだから読みたいのだが、ひたすら疲れるから読みたくないというのが本音である。ギャルゲー『Fate/stay night』の時に相当疲れたのがキているようだ。
しまった、書きすぎた!
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ちなみにジャンルをミステリにしてしまいましたがミステリなのかな?そんなこともない気がするけど…。過去の話とか色々と交錯するからちょっと読みにくいかなとも思ったけど意外とそんなこともなく読みきれました。でもやっぱり何となくシリーズものの一部を見ている感じ。完結はしているけどちょっと不完全燃焼かなぁ…。
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もともと同人小説で爆発的人気だった作品であるということと、
作者奈須きのこが美少女ゲーム「月姫」のシナリオライターである、
ということしか予備知識がない。
そもそも同人小説を読んだことないし、その手のゲームもやったことないんだよなあ・・
ま、いいか。
それならごく一般読者の立場から感想を書いてみよう。
事故で昏睡から目覚めた少女、両儀式が記憶と引き換えに
「この世の存在すべてを殺す」能力を得、ナイフ一本を武器に怪事件や殺人鬼と戦ってゆく。
基本的な物語はこうだが連作形式で語られるエピソードは必ずしも順番通りでないし、
主観がめまぐるしく変わりそれぞれの回想で語られる場面を
読者は一本の流れとして織り直す作業を余儀なくされる。
エンターティメントとして軽く読める作品では決してない。
作品世界を読み解こうとし、登場人物の心理に潜り込もうとするなら
ひじょうに濃い読書体験が得られる作品だという印象を受けた。
おれの場合この作品は興味深く読めるものの、
上巻の異端者的な人物が追いつめられ凶行を繰り返し・・という展開と
魔術師・蒼崎燈子のドライすぎる台詞回しはなんというか精神的に疲れた。
この作品の登場人物たちはみな人間性を失った自分にとまどい、
誰かを呪っている。
この作品を読んで連想した作家が3人
京極夏彦(過剰な薀蓄やロジックで世界を作り上げる)
乙一(登場人物の乾いた感じ、推理小説的手法の匠さ)
菊地秀行(人知を超越した魔人の戦い、その表現)
とくに「矛盾螺旋」のエピソードなど人を狂わせるマンションや伏線の上手さは
ぞくぞくしたね。
感想をまとめると「とても内容濃くて読み応えあるけど精神的に疲れた」ってことかな?
内容は過剰なまでに濃いが、登場人物の自意識も過剰なんだよね。
美少女ゲームがわからんと言いつつも雰囲気知ろうと
奈須脚本のゲーム「Fate/stay night」体験版ダウンしてやってみたり
(面白そうだけどプロローグだけだもんな・・)
その手のゲーム雑誌近所の本屋で買ってきて読んでみたら・・・
げぇっ!こういう世界なんですか!?
あの本屋行きにくくなったなあ・・(今回この事に関しては自分を褒めてやりたいw)
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なんとなくタイトルで惹かれるモノがあったので、買ってみたんよね。
ワールド全開なんですかね。
微妙にもうちょっとなにか・・・うーん。
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矛盾螺旋までだけだったなら、あくまで荒耶宗蓮があまりに強すぎる世界観だった、と個人的に思う。けれど、以降の忘却録音、殺人考察(後)と全巻の(前)があるからこそ、全巻通して、両儀式・黒桐幹也の物語として成立して、荒耶宗蓮や青崎燈子などの超越者は対比の対象としての立ち入りに収まる事ができたと思う。
それだけでなく、両儀式と黒桐幹也のキャラクターの対比、そして『空の境界』の両義性が出来ている気がする。両儀式は事故によって「」の袂で死に触れすぎ、且二年間の昏睡が自身を自身と認識できないという、不安感にさいなまれる。さらに彼女の内にいた織というもう一人の自分が死んでしまった。それらによる彼女自身の自己に対するあやふやさ、危うさ、空虚感が彼女の『空の境界』である。が、黒桐幹也は存在そのものが『空の境界』なんだろう。あまりに誰でもあり、誰でもなく。誰に対しても優しく、しかし誰に対されても理解されない。あらゆる色であり、色が全く無い。それは、一種の超越者の領域だ。それ故に孤独すぎる。そしてあまりに彼岸の魂の持ち主となってしまった。そういう意味で、彼は『空の境界』という存在になってしまっている。彼らだけでなく、出てきた超越者と言われるものたち、特に魔術師はそれぞれ『空の境界』をもっている。強さで見えなくなった(見ようとしなくなった)弱さの象徴のようなものが彼らにとっての『空の境界』かな。
超越者だけでなく、誰もが心に空っぽの境界をもっている。その空っぽの部分をどうやって埋めていくのか。織を亡くした式が幹也によってその穴を埋めようとするように、自身を自身足らしめる、その穴を埋める何か。それこそが、人生に大事なんだろう。
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新伝綺ムーブメントの起点にして到達点!2年間の昏睡の後遺症として記憶を失い、この世のあらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”を手に入れた少女・両儀式(りょうぎしき)を襲う数々の怪異。死そのものを体現化した太極の結界。永遠を求める魔術師。そして、再来する殺人鬼 。式を苛む“殺人衝動”の赴く先に、真実を告げる記憶の境界が開かれる !?
だそうです。
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上下巻完結。表紙は下巻。コアなファンが多し。複雑な設定、複雑な登場人物。でも、一度はまったら、なんだか癖になるような、ならないような・・・。
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黒桐幹也が大好きです。特別である主人公よりもごく普通の人であろうとする黒桐の方が丹念に、そして魅力的に描かれている。これは結局黒桐幹也の物語なんだと思う。
蒼崎橙子の自分と同じ働きをしてくれる人がいるのなら自分はいなくてもいいんじゃないか、という考えに共感。
この2人以外も、登場人物がみんな寂しげな人だったと思う。
だから妙に、好き。
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私の読書ペースが遅く、さらには記憶力と読解力も無いせいもあるのでしょうが、付属のしおり裏にある時系列表がなければ辛い部分もありました。登場人物が物語に翻弄されているように、読者は筆者の著者の思惑の中で踊らされているのかもしれません。
もう少し時間をおいてから、今度はもう少し早いペースで一気に読み切ってみようと思います。一度読んだくらいでは何もかもが足りないような気がする作品です。
【2005年3月下旬読了】
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なんか狂っちゃった子(食べる人)名前判らんがすげー。
常軌を逸してる感じでスゲー!!意味わからないレビューですがすいません。
最後の、式と何とか君(また忘れた)の関係のところがよかった。
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下巻では筆が慣れて来たのか、次第に引き込まれていきました。
印象としてはブギーポップをベースに京極や森のテイストを取り入れたという感じ。
これらのどれかが好きな人なら割と読んで楽しいんじゃないかなと思います。
人間の心と肉体が孕んだ様々な問題に切り込む、大変興味深い箇所もありました。
最後は葉鍵系のゲームのラストシーンと似た雰囲気を感じました。(まあ作者がそういうゲームのシナリオを書いているから自然な成り行きなのでしょうが。)
式みたいな子はわたし、結構好きですよ。
物語はこれで完結なんだろうけれど、もっと他のエピソードも読んでみたいと思いました
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文章が好みではなかったので、心に入ってこないという意味で読みにくかったです。評判になって気になっていただけに残念。
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何かだるかった。だらだらだらだらといったいどこまで続くんだとしんどい思いをしながら読んだ覚えがあります。