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宮部氏の描く世界には、リアルな悪意がある。我々の生活に置き換えるのが容易な、生々しい人間の欲望、真理がある。現実世界との共時性の高さが、作品を単なるファンタジーでは終わらせないのだ。
また、表現の美しさは格段にレベルアップしているように思えた。p119の韻を踏んだ人影の描写。p138の少女の描写。細かく挙げればキリがないが、文節が織り成す絶妙なリズムが、私のからだをさざ波のように震わせる。読んでいて心地よくなれる、そんな文学。レベル7期の彼女の文章はやや硬く、導入するのに時間がかかってしまったが、ここ数作は暖かい文章が増えたような気がする。
ミステリーも良いけれど、氏にはまたこういった作品を書いてもらいたい。
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「かなり秀逸」であるという評価の高いゲームのノベライズ。
何故頭に角がある子供が生まれるのか。
贄とは何か。
それを求める霧の城とは何か。
そして霧の城に封じられた少女は何者か。
真実を知りたいがゲームが出来ない環境にあって、小説本の出版は非常にありがたかった。
最初に贄の少年のことが語られ、次に霧の城の少女のことが語られ、そして最後に全ての真実が明らかになります。
どんでんがえし(?)がいくつもあって、その中で少年は自らの真実を選択し、成長していく様は、見ててジーンときました。
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頭に角の生えた生贄の少年。鋼鉄の檻で眠る囚われの少女。二人が運命を変えることを「霧の城」は許さない-。同名コンピュータゲームに触発された著者が、その物語世界をノベライズした作品。『週刊現代』掲載に加筆
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同名コンピューターゲームに触発されて書いた小説、ということで、ゲームの後に読んだほうがいいかもしれません。生贄の少年が、囚われの少女と共に霧の城からの脱出を目指す。というもので読んでいてゲームの感覚が多々ありました。
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私はゲームっぽくないと思ったんだけどね、知り合いはゲームっぽくて読みにくかったそうだ。綺麗だけど、なんつーかそれだけ…まぁ宮部オリジナルってワケじゃないしね…ドリームバスターの続きが読みたいなぁ…
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一応宮部みゆきはそこそこ読んでいるので、こちらも読むべしと慌てて廉価版ICOを買って攻略ページ見ながら二日でクリアして……(笑)。個人的には面白かったが、言葉なきゆえの深みまではさすがに表現しきれなかったか…と思った。ゲームでは心地よく「なぜ?どうして?」を自分で空想を広げることができる。(分からなくてもぞもぞするような嫌な感じはない。)なので、このようなファンタジーらしいファンタジーではなく、なにか、が、もっとあったのではないかとゲームでは期待させられるのだ。でも、面白いよ、普通に。
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PS2用同名ゲームのノベライズです
「角の生えた子どもは生け贄にならなければいけない」。
そんな掟のある村に生まれたイコには2本の角が生えていた。
イコが13歳になった年、神官に連れられ、孤島にそびえ立つ霧の城へと"ニエ"として連れて行かれる。
イコは"ニエ"としての天命を迎えるはずだったが、運命により城の中で自由の身となる。
城の中をさまよい歩くうち、1人の少女と出会った。言葉の通じない2人。
でもイコはそっと彼女に手を差し出す。「一緒に城から脱出しよう」。そこからイコと少女の冒険が始まった。
厚さから大作としてかなりの期待を持ってました。
結果評価どおりでしたが・・・
物語はプロローグのイコの村以外殆ど城の中です
複雑な城の設定なのか、説明描写が非常にわかりづらく大変でした
あと回想シーン的なものが異常に長くて長くて
本筋はイコと少女の話のはずなんですが、非常に少ないです
途中かなり中だるみも手伝ってか相当苦痛かも
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心に残る箇所と退屈な箇所の繰り返しで残念ながら
ものたりなさを感じてしまった。
もうちょいじっくり読めば違うかな?
著者のネームバリューで期待感が大きかったのも
事実ですが。。。
もう一回機会があれば読んで見ます。
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ゲームのノベライズであり、作者の独自解釈でもある物語。
ぶっちゃけネタバレありの二次創作だと思うので、プレイしてから読むのが吉。
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同名のPS2のゲームのノベライゼーション。さすがに宮部みゆきだけのことはあり、ストーリーテリングは達者。大部の本を最後まで飽きさせずに読ませる。しかし、キャラクター描写が平板なのは大きなマイナス。また、大前提として「霧の城」という<ゲーム=場の設定>ありきなので、オリジナルのゲームの経験の有無によって読者の評価は全く異なってくると思う。
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ゲームのノベライズはストーリーを忠実に書き起こすか、まったくのオリジナルになるかのどっちかになりがちだけど、絶妙なバランスで組み合わせてあった。
もとのゲームの舞台が、本当に城の模型を作ってからシーンを切り取ったんじゃないかってほどしっかりしてるのでニエの広間〜正門の詳細な風景描写と、その後のヨルダの過去話のリンクが、城のどの部分で起こったことなのかがよくわかる。
ただ、「手をつなぐ」ことの重要さがあまり描かれなかったのと、登場人物の大半が自虐的なのが残念。
(2004/06/16)
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登場人物の描写や、風景の描写が実に美しい。物語の謎を紐解いて行くたびに世界が広がりを持つ。文章も読みやすく、美麗。
ジャンルの差別を持たずに読むと、名作であることがしっかり分かる。
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初めての宮部みゆき本。
ゲームをやったことはないけれど、幻想的な雰囲気に酔って、一気に読めてしまう本。
現実逃避にもってこいです。
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ICO 静けさと憂いの漂う、大好きなPS2のゲームを元にしたノベル さすがにゲーム好きの宮部みゆきだけあって、雰囲気を壊さず読み込ませるが、ゲームの世界観が自分の中に出来上がってしまっていて違和感もあり
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帯より『構想三年。同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント!』