紙の本
決してめくらないで
2005/04/17 22:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハスゴン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の本は、馬鹿らしいと思われがちだが今回の趣向は?と思うのもあるが最近のミステリーの傾向のように無駄に長い作品が多いなか久しぶりにミステリーの面白さを味わいました。ただし買った人は先を急ぐばかりにペラペラめくらないで下さい。
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『六枚のとんかつ』で第3回メフィスト賞を受賞した作者の3作目。
『六とん』よりはバカミス度合いは下がり、発想が面白いので、読めるはず・・・だが、途中で放棄してしまった。
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驚愕のおバカ・ミステリ『六枚のとんかつ』でメフィスト賞を受賞し衝撃のデビューを飾った蘇部健一の、新機軸を感じさせる短編集。今回はタイトル通り「動かぬ証拠」がテーマ。最後の最後に掲載されたイラストが証拠となって事件の謎を解き明かす。作者はこの方式がずいぶん気に入っているようで、オチがイラスト、という手法は『六とん2』等他の作品にも継承されているようだ。
よく考えたらオチがイラスト、というのは小説というものの在り方そのものを破壊しているようにも思えるが、作者としては別に既存の形式を否定しようとかそういう意図がある訳ではないらしく(あるかも知れないが)、単に読者を驚かせようとしてやっているようだ。
確かに、オチがイラストだからといって実写やコミックで同じことをやっても話が成立しないものも多いから、「オチがイラストの小説」という形式にした意味はあったのだろう。ただし別にイラストにする必要もないのではという作品もあったりするのだけど、まあそこらへんを突っ込んだらキリがなくなるので飲み込むしかないかな。
本書では11編が収録されており、半下石警部と山田刑事のコンビが様々な難事件に挑む。それぞれの話は独立しているのでどの話から読んでも問題ないが、真ん中から読もうとするとパラパラしているうちにオチであるイラストが見えてしまう可能性があるのでやはり最初のページから読むことを推奨。小説を読むだけなのに凄い縛りがあるもんである。いずれ電子書籍の時代が本格的に到来したらこういう問題は解決されて、本当に蘇部健一の時代が襲来してしまうのかも知れない。というかあとがきを読む限り電子書籍でこそ蘇部健一の本領は発揮されるのではないかという気も。などと思考はとめどなく脱線してしまうが。
本書に収録されている作品はしょうもない事件が多く、突っ込み所も多すぎるので恐らく真っ当な読書家やミステリファンなら怒りだしてしまうと思うが、この作者はそういう部分に魅力があるというなんでもありな作者である。こういう作家を発掘してこういう作家に育てた講談社はある意味凄いことを成し遂げたのかも。
文章のレベルは決して高くない。ミステリとしての完成度も高くない。物語は薄っぺらいとどうにもこうにもだが、作者が大真面目にやっている節がある(狙っている可能性も拭えないが)ことと、過剰に自虐的なことも相まって不思議な面白みがある。
そもそもオチがイラストなのはいいのだが、イラストを見なくては事件の謎が解けないのだから、謎解きの楽しさはあんまりない。オチを知った後で、ああ、あれはこの伏線だったんだなと思い返しながらニヤニヤするのが楽しみ方だ。
ただ、確かにそれは思いつかんかった!というような驚きのトリックもあるので、油断していたら不意打ちを食らう。
「逆転無罪」なんか僕はオチのイラストを見てもしばらくは意味がわからず戸惑ってしまった。なるほど、そういうことなのね。ちなみにこの作品は犯人の視点で物語が始まるという倒叙のテイストもある異色作でもある。
その他にも、細かい所にネタが仕込まれていたりして楽しみ方は様々。世間��には1番目に収録されている「しゃべりすぎの凶器」が評価が高いとか。確かにちゃんと伏線も張られており、最後で全ての全容が読者の胸にすとんと落ちるという意味では完成度が(比較的)高いようだ。また「再会」なんかはちょっとほろ苦いオチが待ち受けていたりする。
名探偵なのか頼りないのかよくわからん半下石警部たちのキャラもそれはそれで面白い。設定では「ひとたび事件となれば、彼の頭脳はつねに切れ味鋭い働きを見せた。足を使う捜査は少しも厭わなかったが、彼の本領は完全に知的捜査にあった」とされているのが後から読むと苦笑。
とはいえ藤岡真も解説で褒めちぎって(?)いるし、まあ、肩肘張ったミステリばかりでは疲れて仕方がないので、たまにはこういうおバカミステリもいい。毎日読んでたらさすがに嫌になるかもしれないけど。
しかしこの本に収録されているイラスト、妙に味があるんだが。
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みんなの評価はどうであれ、私はかなり蘇部さんのミステリは好きですよw 最後の絵オチって斬新だし、ばかばかしいけど憎めないし、半下石警部と山田くんの掛け合いも面白いし。
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「イラストで真相が明かされる!」につられて読む。期待が大きすぎたかも知れない…。でも、物足りないというか『イラスト』の意味は?みたいな話が多数。試みとしては、凄く面白い(ハズ)なので、同じような趣向のものがあれば読んでみたい。
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コロンボ形式で、最初に犯人側からの視点→刑事側からの視点→真相が最後のページに絵で示されるという異色短編集。好き嫌いが大きいと思うが、私は好きではない…すまぬ…という作品。
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最後のページに「明らかな証拠」または「犯人を追い詰める切り札」が一枚のイラストで如実に示される、という変わった趣向となっています。特に文庫版には……ああ言えないのがもどかしい。
「ええっ!」と素直に驚かされる結末や、「んん?」と解り難い結末、とこの短編集も玉石混交ですが、私の個人的BEST-3は以下の通り。
「しゃべりすぎの凶器」
「宿敵」
「天使の証言」
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物語のオチがイラストで提示される形式のミステリーみたいな話
途中からどんなイラストが描かれているかを予想する感じになる。
そして、イラストを見てその話が
インパクトのあるイラストを出したいがために描かれた話だったことに気付く。
一番好きなのは逆転無罪かな。
オチの頭の悪さが素敵。
転校生は宇宙人はオチのイラストまで途中で想像できたが、
まさかカラーで来るとは思いませんでした。
読んで、よく食べて、よく寝て
翌日にはスッカリ内容を忘れていたい。そんな短編集
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これをミステリーといっていいものかよくわからないけど、各編ラストのイラストで「動かぬ証拠」がわかるというオチの短編集。
冗談みたいなオチだったり、ツッコミどころ満載のオチだったりするので、本格ミステリー指向で読んではいけない。コミック、くらいの感覚で読めば、笑ってすますことができる・・・と言いつつ最後まで読んでしまったのだけれど、東野圭吾さんが読んだら怒るんじゃないかと余計なことまで考えてしまいます。まぁ、なんというか堂々たる反則もここまでくればあっぱれ、という気分。
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最後の「変化する証拠」、犯人が誰か、オチを見ても分からなかった。容疑者が時間つぶしに行く場所がダイエーである。このセンスに脱帽だ。
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バカミスの極致ですね。
本を投げつけたくなるものもありはしますが、どれもそこそこに楽しめました。
嫌いではありません。
「宿敵」が一番好きかな。
「しゃべりすぎの凶器」「逆転無罪」などこの趣向なればこその佳作だと思います。
しかし、くだらないなあ…