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短編集。
ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編が収録されております。
まさに“クリスティー・バラエティーパック”といった感じで、様々な毛色の話を楽しめる本書。
個人的に好きだったのは、パーカー・パインもの「ポリェンサ海岸の事件」。
タイトルに“事件”とありますが、実際は事件はなくて、パイン氏お得意のドッキリばりの仕込みによる“お悩み解決”のお話です。
“パーカー・パイン劇団”所属女優(?)のマドレーヌ・ド・サラの登場も嬉しいですね。
そして、異色の幻想譚「仄暗い鏡の中に」も、鏡に映った“ある光景”をきっかけにした、“世にも奇妙な物語”っぽい展開で、何となく『死の猟犬』あたりに収録されていそうなテイストの話で印象的でした。
因みに、本書に収録されているポアロものには、既視感のある作品もちらほら見受けられて、特に「バグダッドの大櫃の謎」は、“あれ?この話読んだ事あるけど?”と思った程で、こちらは『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている「スペイン櫃の秘密」の元ネタらしいです。
同じく「二度目のゴング」は『死人の鏡』の元ネタみたいですし、そして味アリキャラ、ミス・レモンも出てくる「あなたの庭はどんな庭? 」は、どうやら『もの言えぬ証人』の元ネタみたいです(これはちょっと曖昧)。
とはいえ、これらはこれらで独自の話としてちゃんと楽しめるので問題なしです。
あと、短いですが「ミス・マープルの思い出話」では、マープルさんの安定の安楽椅子探偵っぷりと、控えめな自慢(ポアロのようなあからさまな自慢ではないww)がナイスでした。
どの話もアッサリしてお茶漬けのように、サラサラっと読めちゃうので、暑くて体力のない時の読書にピッタリかも?と思った次第です。
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一押しは「仄暗い鏡の中に」。マープルも好き。
当たり前なのかもしれないけど、ポアロでも「ホームズみたいな」という喩えされるんだね。
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スーシェ版ポワロさんの次の回が「黄色いアイリス」なので先に原作を読んでみました。ドラマもどんどん見たいのになかなか進みません(^^;
9話収録のうち、先にドラマで観ていたのは3編。いずれも、脚本家の脚色のうまさが光る作品になっていましたね。
そして本書を手に取るきっかけとなった「黄色いアイリス」も、映像映えしそうな内容。どんな演出になっているのか、楽しみです。
短編はさくっと読めていいのですが、いかんせん長編よりも人物を覚えるのに苦労します。覚えた頃にはお話が終わってしまう……。
中でも気になったのはパーカー・パイン。調べたところ、このお話に登場したマギー・セイヤーズは悪女を演じることが多いんだとか。ドラマで大好きなミス・レモンも同名で出演しているそうで、次はパーカー・パインの短編集を読んでみようと思います。
それにしても、「二度目のゴング」はあの格闘技に出てくるゴングでいいんだろうか……??