紙の本
色褪せることはない代表作
2016/04/09 12:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kuma333 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アングラ演劇ブームもあり、天井桟敷の公演や映画も評判に。
寺山修司はカリスマ性があり、今も色褪せることはない。
「書を捨てよ町へ出よう」は最も寺山修司を理解しやすい。
紙の本
虚実皮膜の間で囁かれる言葉たち
2004/12/27 19:27
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投稿者:脇博道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誠実な言葉とも虚言の積み重ねともつかない本書を電車のなかで読む
事はおすすめ出来ない、というのは不条理な笑いが込み上げて来てし
まう事必然だからではあるが、ああ、歴史なんて信じない、という虚
構性を信条として徹頭徹尾生きぬいた寺山氏の本書にほとばしるこの
すさまじいまでの虚構あるいは真実の言語をどのように受け止めれば
良いのかまず読者はとまどう事であろう。まずタイトルからして剣呑
きわまりない事は自明である、というのは生涯書を捨てる事などあり
えなかった氏が捨てよというアジテートを表題に掲げる事自体矛盾で
あるわけで、そのあとに町へでようという言葉は氏にとって真実の言
葉には間違いないのであるが、街頭演劇という途方もない企てを実践
した氏にとっては町も虚構の場所にほかならず、というよりはむしろ
町が物語性に満ちた不断のテクストを生成する場であるわけで、して
みれば町とは常に書き換えられる書物であるという風にうがった読み
かたをすれば本書のタイトルも無限の円環を形造っているという話に
なるし本書を読了してから書を捨てよ、町へでようとは再び書物のな
かに没入する事にほかならないので本は閉じても円環は永遠に閉じら
れないなどという埒もない哲学的擬きの考察をしたところで、本書は
このような蒙昧な文体で書かれているはずもなく時速百キロの詩を指
向した寺山氏の文体はいっそあっけらかんと巷の事象をものの見事に
詩的言語として表現してしまうのであるから、無心の境地を装いなが
らこの奇妙でありながらどこにでもありそうで実は町の何処にもない
かのような素敵なエピソードの数々を思いきり肩の力を抜いて精読し
てから町へでて自らの物語探しを行なえば好むと好まらずにかかわら
ず必ずや見つかる事は本書が保障してくれているのであるから、決し
ておそくはないと小生は考える次第である。
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裏表紙より。あなたの人生は退屈ですか。どこか遠くに行きたいと思いますか。あなたに必要なのは見栄えの良い仕事でも、自慢できる彼や彼女でも、お洒落な服でもない。必要なものは想像力だ。一点豪華主義的なイマジネーションこそが現実を覆す。書を捨てよ、町へ出よう―。とびきり大きな嘘を抱えながら。
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彼はシブい。シブすぎる!っていうか、たまに意味わかんなかったり、理解できなかったりでつくづく自分の視野の狭さを思い知らされた。想像の世界と現実の世界を行ったり来たりしているような男の人だったのでしょうか。そんな印象をうけました。一応読んだし、こんなあたしもヤクザになれるかなぁ?君もなれる!
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自分には他の人にはないすごい力が秘められていて、無限の可能性があるんだ!って、根拠もなく信じることができていたあの頃に読んでおくべきだったな・・・。あの頃の自分ならば、この本に書いてあることを希望に胸膨らませて信じることができたかもしれない。この本を純粋に楽しむためには、私は年をとりすぎて、世界を、いや、自分を諦めすぎている。なので、今までの寺山作品よりちょっと距離を感じながら読んだ
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寺山修司にどっぷり浸かっていた時期があった。三上博史はこれを読んで家出をして、天井桟敷に入ったのだよね、確か。
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はじめてかった寺山修司さんの本?
この後古本屋で同シリーズが100円でいっぱいあったので全部買ってみたりした
時代によっておこる差もあったりしますが考え方にはっとする
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なんというか、何と表現してよいかわからないが、退屈な日常生活に疲れた青年たちを奮起させる特効薬的な魔力を持っている。他の文献によると、この本が売れた当時は家出して上京する若者が激増したらしい…。
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修司さんとの出会いの本。高校生の頃新宿で立ち読みして、凄く良いなと思ったんだけれど、地元で購入して読んだらそうでも?無かった。新宿マジックでしょうか。寺山修司の世界観はとても好きです。文庫化されていない作品にも良い本があるので、チェックしてみて下さい。表紙が林静一じゃなくなってしまったのが少し残念。
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角川文庫の表紙は、←これといまは違うのだけれど。。。
ハイティーンの若者向けの内容なんだと思います。競走馬と人間の人生を重ね合わせてみたり、裏町のさまざまな紳士たちの人生を紹介したり、自殺のように見えるが実は他殺であることがあるといった自殺の美学を指南したり・・・。
高校時代に出会いたかった本が、また一つ増えました。
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まず、ここに出てる表紙が違うよ。こんなんじゃなくって、かわいいhanae*ちゃん着物の表紙。本の感想は、2冊続けてだけど、ダメでした。寺山修司はこういうエッセイしか読んでないから総じて言える訳じゃないけど、期待していた分だけがっかりだった。競馬の話は全然分からないし、最後の自殺入門なんて下らないし気分悪い。時代が時代なだけに、今の時代には全然合わない。最後はもう斜め読み。もちろんブックオフ行き。
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おもしろいです。小説の中で展開されている、意味分からん価値観はきっと寺山修二がわざと持ち合わせて演技して見せて、今現在の、安易に価値観の決定をしようとする人間の、価値観に疑問符を打とうとしているのです。価値観が他の様々な情報に影響されすぎている社会を挑発しているのです。小説と映画、同名の二つの表現物に共通しているのは「煽り」です。
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「この世が辛いからという理由で逃げるようにする自殺は最悪だ」とか、「この世がバカらしいから死ぬというような自殺はこれまたダサい」自殺のすすめが、分からないけどなんだか分かる。
ハイティーン詩集もすき。
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地元の友人が寺山修司にはまってまして、じゃあ俺もってことで本屋へ走りました。未読のまま。うーん、読まなきゃ・・・。
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突飛だけれど完全には否定できず、下品と言うにはキレイ過ぎる、自称青春扇動者の記す価値観。
競馬狂や売春婦の口から語られる人生談議にも、いつの間にやら寺村修司のメッセージが挿入されていたりする。
個人的に表紙はこれじゃなくて旧版の着物の方が好きです。