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紙の本
「その場」から体感する力
2005/08/11 23:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:健佑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
野球選手と将棋名人の対談。
タイトルには「勝負脳を鍛える」とあるが、要は、戦略を立てる際の情報の集め方、心理戦の戦い方、失敗からの学び方、後輩の育て方などが書かれている。その点では、モチベーションアップ目的の本と大差ない。
私が唯一感心したのは、谷川浩司氏の情報収集方法にある。
将棋の世界では棋譜というものがあり、ネット上で入手可能だという。しかし彼は、記号化された記録物ではなく、対局の会場に出向き同じ時間を過ごす。すると、対局者の一手に込められた心理、思考、戦略などを感じる瞬間があるという。
対局者と同じ時間を過ごし、全身で感じたものを「情報」としていることが理解できる。「体感する力」もまた、能力なのだろう。
紙の本
真摯にひとに学ぶ姿勢こそが、まず大切ということであろう。
2004/07/06 18:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由良 博英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この手のタイトルで心理学者やコンサルタントの書いた本には、空念仏のようなものが多い。けれども、将棋と野球という勝負の現場で活躍するふたりの対談には、魅力あふれる箴言が満載だった。「素振り千本やるよりバッティングのうまいひとの練習を見るほうがためになる(要旨)」といった、古田選手の合理的な話の数々に首肯。小手先のテクニックでもスポ根でもなく、真摯にひとに学ぶ姿勢こそが、まず大切ということであろう。
※「心を読み、かけひきに勝つ思考法」(PHP/2002.7刊・改題)
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