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ミス・マープル第八作。動機に驚かされた。
悪意の無い悪と言ったらいいのか。
後から見返すと殺されるべくして殺された、
という感じではある。
最初から読んでいると、
昔の話が出てきたりしてニヤリとできてよい。
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マープルおばさんシリーズ好きなんですが、これはストーリーがピカイチね。
なかなか犯人がみえてこないけど、最後の解決とその裏のストーリーはなかなかドラマでした。
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母から勧められて。
想像していた通りの結末だった。
悪意がなくても人を傷つけることはあるし、一度やってしまったら引き返せないこともある。
報われない、悲劇的な最後だったが、詩で締めくくられていることもあり、読後感はすっきりしていた。
チェリーとナイトの今後が気になるところ。
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ミス・マープルシリーズの第8作目
【あらすじ】
著名な女優夫妻が買い取った邸宅のお披露目パーティーで毒殺事件が発生した。殺害されたのは地元の婦人であるため、女優を狙った毒入りカクテルを手違いで飲んだせいと思われた。しかし、調査を進めるうちに、過去のある事件が浮かび上がる。
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図書館で。
巻を追うごとにミス・マープルが年老いて行くのがやけにリアル。そして小さな町も様々な人の入れ替わりがあったりで時代と共に変化しているんだなあということがよくわかります。
今回のお話は悲しいお話ですね。
とは言え実子が出来たら養子はお役御免、となってしまうような女性もどうかなぁとは思いますが。それにしてもあんなに連続して殺人を犯すとは。一度も二度も同じって事なんでしょうかねえ。恐ろしい。
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パーティーの席上で起こった毒殺事件。被害者が飲んだのは、自分のグラスを落として割ったため、女優からもらったグラスの酒であり、それに毒が入れられていた。犯人が狙ったのは被害者なのか、女優なのか。当時現場に居合わせた関係者の目撃証言、2人を取り巻く人間関係を中心に捜査は進められていくが、やがて、第2、第3、第4の事件が起こる。
マープルものには、論理性を期待してはいけない。その推理は、過去の経験や人間観察による知恵に基づいて組み立てられた仮説であって、本事件もそう。ある人物の性格が事件の引き金になっている点が、クリスティーらしい。
捜査の課程で、女優を取り巻く過去の人間関係や様々な謎が明らかになっていくが、中でも大きな謎は、女優が被害者の話を聞いていた時の"鏡が横にひび割れた"ような茫然自失の表情。この謎に関しては、女優が黙して語らないままなので、真相はなかなか見えてこない。さらに、目撃者の証言などに2つの勘違いがあって、真相をより見えにくくしている。このような隠し方がクリスティーの巧妙なところなのだろう。
マープルの最後の説明だが、第2、第3の事件には触れられていない。この2つの事件で殺された2人がどの程度のことを知っていたのかは謎のまま。第2の事件の被害者を殺す必要があったのだろうか。
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著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
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実は1/3くらい読んだところで、動機含めて犯人がわかってしまった。まぁ、昔読んだのが記憶の片隅に残ってたのかもしれない。
それを差し引いても謎解きの爽快感が楽しめる名作。
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ミス・マープルシリーズ。セント・メアリ・ミード村で行われたパーティで起こった毒殺事件。殺されたのは親切で善良な女性。しかし実際に狙われていたのは、パーティの主催者である女優だったのか、という疑惑からどんどん事件がこんがらがっていきます。次から次へと怪しい人が出てくるし、そしてさらに起こる事件。さっぱり犯人の見当もつきません。
それなのに。真相は実にシンプル。毒殺トリックがあまりにシンプルすぎてあっけにとられるほどです。でもこの作品の一番の読みどころは、動機にまつわる物語なのでしょうね。思えばあからさまに語られている部分もあったのだけれど、それは真相を知って初めて気づくことで。タイトルの意味も、分かってみればとても重くて悲しいものでした。
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アガサ・クリスティーやコナン・ドイルは、正直"古い探偵小説"というイメージがあったので今まで手を出さなかったのだけれど、夏に2時間ドラマ化しているのを見て「今更だけど読んでみるかぁ」という気持ちになり目を通してみた、のだが、"古い"だなんてとんでもない!名作シリーズとして今現在もリメイクドラマ化されるだけのことはある。正直トリックらしいものはどこにもないし、噂話やゴシップ誌の情報だけで犯人の検討をつけるのはもはや妄想では?という域だが、娯楽として"探偵推理小説"を愉しむ場合には秀逸な作品だと思う。なにより必要以上に老人扱いされることに辟易するミス・マープルの心理や、新住宅地とそこに越してきた"新しい"人間への好奇心と警戒心が混ざり合った関心、新しいものと古いものがせめぎ合う時代の軋轢など、我々の時代でも珍しくない心理に対する魅力的な描写が沢山ある。ミス・マープルも作中で言っていたが、いつの時代も人間は変わらない。だからこそ名作が色褪せることもないのだなと思った。
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めずらしく犯行の動機がわかった。
たしかに、物事が起きてしばらくしてから、「あぁ、あの時の出来事ってそういうことだったんだ」と何かのはずみで気がつくことがある。
本人は悪気がなくても悪い結果を招いてしまった悲劇。
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お手伝いさんに「何もできない無力な老人」扱いされて、イライラを募らせるマープルがリアルで面白かった。これ書いたとき作者は72才だったそうなので、実感がこもってそう。動機のやるせなさと、それに説得力を持たせる人物描写が見事。
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殺されたヘザーの性格が「春にして君を離れ」の主人公ジョーンにそっくり。物語の冒頭マープルはヘザーの家の前で足をくじき介抱してもらったのだが、マープルのヘザーの印象は「いつもはっきりした自分の意見を持ちすぎて、ひとの眼には物事がどう映っているのか、どういう感じをうけているかが、悟れない、アリスン・ワイルドにそっくり」というもの。でアリスンは亡くなっている!
そのすぐ後、有名女優の家でパーティがあり、客として呼ばれたヘザーは出された飲み物を飲み死んで(殺されて)しまう。
マープルの親友ドリー・パントリーもその場にいて、ヘザーと言葉を交わした女優は直後、凍りついたような表情になったと言う。テニスン作「レディ・オブ・シャロット」の「鏡は横にひび割れぬ、ああ、わが命運もつきたりとシャロット姫は叫べり」のようにね、と言う。
ダーモット警部の問いには「あの妻は親切なことは親切だけど、思いやりはなかった、だんな様の面倒はみてるけど、亭主が何を考え、何を感じているか、しりもしなかったろうと思うわ、それでは男にとっては淋しい生活になるものよ」といい、きっと亭主はすぐ再婚するだろう、と言う。
「春にして君を離れ」は1944作。こちらではジョーンは一瞬己を回想したものの、最後には元のもくあみで終わらせている。が18年後の1962作の本作では殺してしまっている。この独りよがりのおめでたい女、というのをクリスティは憎んでいる。自身の母親かあるいは自分自身にもそれを見ているのか?
「クリスタル殺人事件」(1980)としてエリザベス・テイラーが女優役で映画化されている。役柄としてあっている気がする。見てみたい。
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タイトルがなんとなくおどろおどろしい。今回はタイトルが比較的、筋にからんできてえいる。一度読み終えてから、途中まで走り読みしたのだが、たしかに枝の部分にとらわれなければ犯人は簡単にわかるかも。しかし2つ目以降の殺人はあまり意味がなかったか。最後の犯人の死は、そうしないと収まらないだろうが、寂しい。
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言わずと知れたアガサ・クリスティのマープルシリーズ。
今回の舞台はミス・マープルの暮らす、セント・メアリ・ミード村。
友人のバントリー夫妻がかつてくらしていたゴシントン・ホールに、有名な女優夫妻が引っ越してきます。
村にも新興住宅地ができるなど、時代の移り変わりを感じながら暮らすミス・マープル。
ゴシントン・ホールでのパーティーの最中に、顔見知りの女性が変死したというニュースを耳にし、事件の真相を探り始めます。
今回は安楽椅子探偵の本領発揮といった感じで、周囲の人からの情報を基にして、自宅で推理を進めていくスタイル。
個人的にはこのスタイルが大好きなので、読んでいて楽しかったです。
マープルシリーズの中でも好きな作品ですね。
誰がやったのか、動機は何なのか、最後まで読者にも考えさせる構成で、読後にしんみりとした余韻が残るお話でした。
また、時代とともに変わる村の様子や家事の方法など、背景描写にも考えさせられるものがあります。
ミス・マープルのことをやたらと「おばあちゃん」扱いする女性に対して、ミス・マープルが苛立つ様も描かれていますが、高齢の方の目線で見るとこんなふうに見えるのかもと、勉強になる部分もありました。
人生では、望んでも得られないものもあれば、失うものもある。
望まない環境の変化にさらされることもある。
ただ、それに対してどのように向き合うかは選ぶことができる。
今回のお話を読んで、わたしはミス・マープルのようでありたいなと思いました。
◇おすすめポイント
・情報をもとに自宅で推理を進めていくミス・マープル
・動機や犯人について、推理を楽しめる
・先輩女性の人生観を読んで学べる
◇こんな方におすすめ!
・ミス・マープルが好き
・安楽椅子探偵ものが好き
・自分の人生について悩みを抱えている