投稿元:
レビューを見る
戦後まもなく自殺した作家の未発表手記を手に入れた主人公は、手記の謎を探るうちに思いがけない悪意と対決する羽目に陥る。貫井徳郎特有のいくつかのお話が入れ子になっているミステリでレトロで地味な雰囲気でやや読みづらいけれど個人的にはお気に入り。
投稿元:
レビューを見る
最愛の妻を亡くした大学講師。失意の底にある彼の許に持ち込まれた、戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは。二転三転する物語は、感動の結末へ。若い世代を中心に、今最も注目されている著者が満を持して贈る、渾身のミステリー巨編。今年度ミステリー小説界話題必至の1冊。
投稿元:
レビューを見る
恨み あるいは悪意だけで こんなにも手の込んだ復讐をすることができるものなのか、と暗い気持ちになる。
仕掛けは、掴んだかと思うとはぐらかされ、近づいたかと思うとするりと遠のき、読む者に歯噛みさせる。読み進んでも読み進んでも どこか落ち着けない心地なのである。その落ち着かなさの一因は 探偵役である主人公 松嶋の自信のなさ丸出しのキャラクターによるところが多いのだが、このキャラクターだからこその この物語なのである。
だがしかし、やっとの思いでたどり着いたところに もはや最愛の妻は居ないのである。
投稿元:
レビューを見る
前半・・・戦後直後の人が書いた文体で結構おもろい。
後半・・・読んでるときはおもろい。でも終わってみると普通かも。
最後・・・べただけどちょっと感動。泣きはしないけど。
投稿元:
レビューを見る
読んでて裏にまた裏があり、また裏に津がなり、ええ〜〜っと。2つの時代の入れ替わりがちょっと読みにくかったりもする。
投稿元:
レビューを見る
最愛の妻を亡くした大学講師。失意の底にある彼の許に持ち込まれた、戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは。
2段組の現在の部分に、作品途中に200ページほどの未発表手記が挿入されています。その手記の謎も面白き引き込まれるので、意外に一気に読み進むことが出来ました。主人公である大学講師の松嶋はなんとなくうだつの上がらない男だけど、ある意味、微笑ましい人柄です。ちょっとその人のよさも行き過ぎの面があって国文学者としては、失格かなって思えちゃいました(^^;。でも、どうして教授はこの講師にめをかけたのかな。。。
この人の良さというか、焦りと物事をいい加減にしちゃう癖があるのか、それが致命傷になる予感がして、案の定、物語はそういう方向に流れていきます。
でも、全体的にテンポもいい話なので、重苦しいテーマのわりには、集中力が途切れない作品になっています。ただ、ラスト近くの謎解きに関しては、ちょっと二転三転が強引な面もあって、涙を誘う感動のラストが取ってつけたようになったのは惜しいです。それさえなければ、きっと「このミステリーがすごい」でも、ベスト20には入ったのでは?
それにしても、女性が男性を好きになる心理って、なかなか奥深いものがあります(^^)
投稿元:
レビューを見る
貫井徳郎の作品らしい傑作。妻を事故で失った男の再生物語な訳ですが、色々なストーリーが絡み合い2転3転して、辿りつくラスト…うーん、こういうラストには弱いですなー。貫井徳郎の良さが出てる作品ですね!
投稿元:
レビューを見る
すんごい分厚いけど面白くってどんどん読めちゃった!
やっぱりこの人の文章って好きです。
どんどん話が盛り上がってきて「これが真実か」と思ったら実は違ったというのが何回か繰り返されて。。。
どんでん返しってまさにこんな感じ!
ミステリーというよりも、人間模様という感じですごく楽しめました。
最後の手紙は感動した!
投稿元:
レビューを見る
戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは―?最愛の妻を事故で亡くした大学講師。失意の底にある彼をさらに翻弄する何者かの悪意。長編ミステリアスロマン。
投稿元:
レビューを見る
話は面白くてどんどん読み進んでいくけれど松嶋と佐脇が結びつかず、手記の論文を発表してからあとは???な気持ちのまま読んでいたが、なかなか良い話だった。
投稿元:
レビューを見る
戦後まもなく自殺した作家の手記と主人公の境遇をうまく絡めつつ、
話が二転三転して、なかなか犯人にたどり着けないもどかしささえ楽しかった作品。
私なんかは安易に二転目(?)の人が犯人だと思っていて、松嶋先生は優し過ぎるよ〜なんて思っていたら、まだどんでん返しがあったんですね・・・(^-^;
というか、学会に発表するならもっと念入りに調べてからにしようよ、と思わずツッコミをひと言。
投稿元:
レビューを見る
2008.7.15
大学講師の松嶋のもとに、戦後に5作の小説を残し自殺した、佐脇依彦の手記が。
事故死した妻、早都子との一人娘、里菜と暮らすためにも、ステップアップをと
調査をし、論文を発表するが・・・
分厚い本なのに、どんどん読めて、おもしろかったです。
その人物が初登場した時点で、真犯人が予感できてしまったのが残念でした。
投稿元:
レビューを見る
長編ミステリーです。私の中ではとっても以外なセレクト。一気に読めました。オチが個人的に肩透かしだったため、★ひとつマイナス。
投稿元:
レビューを見る
貫井さんの代表作・・を今更ですが読みました。
さすが代表作!!面白かったです!
手記だけでも一つのストーリーとして面白いのに
それがさらに謎となり主人公を翻弄していくという
2重の面白さ!!!ハラハラドキドキで一気読みでした。
主人公の純真さにイライラっとなるけどそれは客観的に
見るからで実際なら自分もコロっと騙されるだろうなと。
そして最後は感動でした。じわーっと泣けました。
サイレントヒル2というゲームのラストの手紙を思い出しました。
これは・・世の中の男性諸君に読んでもらいたいですね。
男にはたかが風俗。女にはされど風俗(笑)
文中にある「温度差」にすごく共感しました!!!
投稿元:
レビューを見る
自殺した作家の手記から、彼に一体何か起こったのかを突き止める……だけの話かと思いきや、とんでもないところに事件は波紋を広げ、息もつかせぬ展開になる本作。これは読み始めたら止まらない一作。
なんともやりきれない箇所が多く、人間の弱さだとか悪意だとかをまざまざと感じさせられる。だけど最終的にはものすごく救われる物語。かなりお薦め。このタイトルは巧いなあ。
それにしてもこの主人公……ホントに馬鹿だねえ(苦笑)。ま、愛すべき「馬鹿さ」ではあるのだけれど。「いい加減気づけよ!」と何度もツッコミ入れっぱなし、もどかしくって仕方がない。しかし彼を選んだ咲都子は見る目あるよなあ、と感心。どうやら私も「変わった趣味」ととられそうな予感。さらに志水はいまいち好かないので、性格が歪んでるんですかね私(爆)。