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タイトル、登場人物、風景、語り手の心情、どれをとってもドラマのようなロマンチックさを感じる。ミステリーの要素もすばらしく、いい作品だと思う。
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海をのぞむ美しい眺望で人々を魅了する“ジプシーが丘”。が、同時に呪われた地として皆から恐れられてもいた。この地で男女が出会い、恋に落ちた。だが、まもなく乗馬に出かけた女は馬から落ちて死亡してしまう。果たして、“ジプシーが丘”の呪いなのか?斬新な手法を駆使し、著者が自信を持っておくる異色作。
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やられたなぁ! 究極の“意外な犯人”。結構“壁”が高かった――クリスティ作品には、初めの方に“壁”があるものが多い、即ち、主人公の状況とか心理状態とかの描写が延々と続く箇所があって、退屈になってきちゃうんだよね。で、読み進み難い。でもこの“壁”を超えると、俄然面白くなってきて、後は一気に読み終えてしまう。この作品も、冒頭からミステリアスな雰囲気ではあったけれど、最初(?)の殺人が起こるのは物語の半ば過ぎた頃だもの。読みながら「これはミステリじゃなくて恋愛小説だったのか?」と思ってしまったくらい。けれど、読み終えた今、やはり、――繰り返し書いていることだが――クリスティにハズレなし。(2008-10-11L)
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ミステリのネタバレあり。間隔を開けます。
ヒロインの心情を思うと、うわあ〜となる。
主人公は、財産目当てでヒロインと結婚し、彼女を殺してしまうのに。ヒロインはそれを知り、受け入れていたようだ。
犯人は完全な悪に染まりきれなかったかのように、自滅してしまう。
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ページをめくる度に異なる世界に連れていかれる快感、目に浮かぶジプシーが丘の情景。
圧巻のラストに「幸福」の意味について考えずにはいられない。
ミステリーというよりはラヴストーリーだと思いたい。
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アガサクリスティの作品だと気がつかずに読んでいました。
てっきり男性が書いたものだと思って読み進んでいました。
途中で、表紙を見て、アガサクリスティだと気がついたときには、
すでに筋書きに嵌ってしまっていました。
よく考えてみれば、第一部の男性の表現に現実味がありませんでした。 ここで、あれっと気がつくべきだったのかもしれません。
マープル、ポアロ以外のもので、これまで読んだアガサクリスティの著作ではベストだと思いました。
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クリスティは有名どころから攻めてきて、初めて全く聞いたことないのに手を出したのですが、流石、有名じゃなくても面白かったです。
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3分の2読んでもまだエリーとマイクの話をつらつらと語るので、いったいいつ事件が起こるのだと不思議に思っていた。
すると、最後、ほんのちょっとのページ数であれよあれよと話が怒濤の展開を迎える。
正直びっくりした、まさかあのひとが犯人なんて全く思わなかった。
誰が犯人で誰が死ぬんだろーとずーーーっとながなが考えさせられたのはアガサクリスティの狙い通りなんだろうな。
アガサ自身が選ぶ作品ベスト10にも選ばれているようです。
気になったのは、翻訳の稚拙さ。
昭和60年の15刷の古いものを読んだけど、文法的に変で、読みにくい訳の部分が多かった。
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呪われた地としての伝説が残る『ジプシーが丘』で出会った男女の恋模様とそこで起こった落馬事故の謎をめぐる小説。
事故が起こるまでに本の三分の二が消化され、これはミステリーとして成立するのか、と少し心配にもなったのですが、そこはさすがクリスティー! ラストへ向かうにつれての怒涛の展開できっちりと締めてくれました。
主人公カップルの恋愛模様も読みにくいということもなく、ほかの登場人物たちも、余命わずかな建築家や、有能な女性秘書、主人公とどこか距離のある母親など、一癖ある登場人物が多くなかなか事件が起こらないもののそれを苦痛に感じることなく読むことができました。
ちょうど並行してクリスティーの小説の人間性について論じた本を読んでいたので、この本でも犯人の人間性やさまざまな言葉の意味を考えさせられることとなりました。
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最後の最後に「やられた!」と仰け反りたくなる小説。
なんだかよくわからないけど、読んでいて背筋がぞわぞわした。
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先日の出張のとき、帰りの新幹線と飛行機で読むものがなくなり買ったもの。有名だけど読んでなかったので。新訳。飛行機でも読み終わらず、昨晩読了。
どこを紹介してもネタバレになってしまう話。バックカバーの文章も事前に読むのは厳禁。ミス・マープルにほぼ同じ展開の短編があるそうです。そういう意味ではセルフカバー。とても面白いけど、ミステリーじゃないよねえ。恋愛ホラーかなあ。特に2人の登場人物(あの男とあの女)の台詞はすべて読み終わってからもういちど確認するととんでもなく怖い。
ちなみに作中でヒロインのエリーが歌うブレイクの「蝿よ」は Esperanza Spalding も名盤 Chamber Music Society のあたまの曲として歌ってます。いい曲ですよ。
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そんな…でもないかなー。
読み方を間違えた感じ。
推理小説ではなく恋愛小説として読んだら面白いと感じたかも。
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ロジャーが本性を出した瞬間に「ああ、そうだよな」って納得してしまった。頭のすみっこにあった違和感がさっと晴れた感じ。
客観的に見たら主人公たちの結婚は金目当てでしかないんだけど、一人称に騙されて「おかしいな」と思いながら読み進めてしまう。実の母に軽蔑されている時点でろくでもない男と気づくべきだよね。エリーがなんとなくロジャーとグレタの企みに気付いていそうだったのがまた泣けた。
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クリスティはなぜか10年に1度くらいの割合で読みます。
ブレイクの詩『罪なき者の予言』をネットで見かけて
この小説を手に取りました。
少し長い、と感じたもののところどころ
惹かれるセリフがあり読み切りました。
「まるで心から愛しているような目でなぜ私を見つめるの」
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好みの問題だけど個人的には不発。同じ叙述トリックの超有名作なら、立派に見える人が、ポアロが言ったように奥深くに弱い性格があるために間がさして重罪を重ねたことに人生の恐ろしさ+大胆で悪辣な犯行のギャップに胸を締め付けられる衝撃があったけれど、本作の主人公は初めから責任感も良心の呵責も希薄、楽して得したい犯罪者タイプで「あ、やっぱり?いかにもろくでなしだからね」だし、最後にエリー…と泣かれても自業自得。この主人公らしい終始ふわふわで読んでいてイラっとさせられる拙い叙述は、紫式部が登場人物によって歌を詠み分けたような人工的な感じ。不安定感に寄与するけど、いかにも「信頼できない語り手」で真相が予定調和。若干モチーフが似ていて要点が何かと正反対な「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の切なさや迫真感が本作には全くない。
母親や建築家、後見人等警告したり罪を見逃さない登場人物は良かった。ただ巻き込まれ被害で手口の証拠になった被害者の友人が財産管理人の元妻で建築家の異母妹なのは単に話が散らかっただけじゃない?
マープルの短編「舗道の血痕」のある種発展形で、短編では被害者を冴えない無人格な描写に留めたが、本作はかわいそうなお金持ちのお嬢さん。周囲が皆利益目的なことに慣れ、そこから逃れたい気持ちを利用され信頼した人達に騙されたことに途中から気づき命運悟っていた感が源実朝的悲劇ながらそこに焦点は当たっていない。
詩の引用タイトルが素晴らしい(本作は特に邦題)のに中身が残念。