紙の本
中国王朝の栄枯盛衰を眺めながら、故事成句が生まれた時代背景を見てゆく面白さ
2004/10/18 14:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風(kaze) - この投稿者のレビュー一覧を見る
孔子や孟子、老子、荘子といった思想家が百家争鳴、次々に登場した春秋戦国時代。
項羽と劉邦のふたりの英雄が火花を散らした漢楚の戦い、その最終局面で生まれた成語「四面楚歌」。
曹操と覇を競った劉備の軍師、諸葛亮が、致命的な作戦ミスをした愛弟子を処刑した「泣いて馬謖を斬る」。
唐王朝の第二代皇帝、太宗と臣下との討論の場で生まれた「創業は易く守成は難し」(事業を始めるのは簡単だが、維持してゆくのは難しい)。
明るく逆境をくぐり抜けた北宋の大詩人、蘇軾の名句「春宵一刻値千金 花有清香月有陰」。
はるか五帝の時代から清王朝の滅亡まで、中国四千年の歴史をたどりながら、そのなかで生まれた代表的な故事成句が紹介されています。中国王朝興亡史の絵巻物をひもときつつ、故事成句が生まれた当時の世相や時代背景を知ることができるのですね。
読むほどに引っ張り込まれるような面白さを、本書に感じました。
巻末に中国の歴史年表が付されていたのも重宝しました。
ただし一点だけ、残念に思ったのが、書名にある「楽しい」という言葉。本書は決してとっつきにくくはありませんよと、それを出したかったのでしょう。でも、「楽しい中国史」というのは、いただけない気がしました。それよりはむしろ、「故事成句でたどる中国四千年の歴史」とでもしたほうが、本書のタイトルとしてしっくりくるように思いました。
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読みやすくて、ためになる本です。
「逆鱗に触れる」などの言葉がどうやって登場したかを歴史を見ながら教えてくれます。おすすめの一冊です。
それにしても昔の中国は本当に同じ事を繰り返してますね。栄枯盛衰盛者必衰なんですかね。日本もそうか。
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最初はたるかったが、読んでるうちに中国史の楽しさに惹かれていってのめりこんでよんだ。あんまり歴史も故事成句も頭に入らなかったけど…。
07/04下旬
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楽しくありません。笑 なぜなら、課題で無理やり読んだから。でもまぁ、中国史の良い勉強にはなったかな。故事成句の由来も知れたし。あ、意外とよかったのかも知れない。
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[ 内容 ]
中国四千年の歴史のなかに生起する数々の名場面。
そこには名君、暴君、英雄、詩人、はたまた美女たちが入り乱れ、多くの含蓄ある言葉が生まれました。
覆水盆に返らず、背水の陣、井のなかの蛙、登龍門…。
それら珠玉の言葉は古びることなく、今もわたしたちの生活のなかに息づいています。
故事成句をキーワードにたどる、ものがたり中国史。
[ 目次 ]
第1章 「覆水盆に返らず」―名君と暴君の時代
第2章 「呉越同舟」―乱世の生きざま
第3章 「水清ければ魚棲まず」―統一王朝の出現
第4章 「破竹の勢い」―英雄・豪傑の時代
第5章 「春眠暁を覚えず」―大詩人のえがく世
第6章 「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」―故事成句をあやつる人びと
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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古代から清王朝まで、淡々と綴った中国史。有名な故事成語の元になる逸話がわかる。個人的には「三国志」でおなじみ「死せる孔明生ける仲達を走らす」が好き。
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2012/5/28
222.01||イ (4階歴史・地理)
「馬か?鹿か?」:馬鹿の語源?
今から2千2百年ほど昔の中国で、悪名高い宦官(宮廷奴隷)から丞相(今の首相) にまでなり最高の権力者となった趙 高は、秦朝(中国を最初に統一した王朝)の2代皇帝 胡亥に鹿を献上し、それを「馬だ。」と言いました。皇帝はこれは「鹿だ。」と言い、まわりの家来たちも「鹿だ。」とする者と「馬だ。」という者がおりました。
その後、超 高は、自分に反対して「鹿だ。」と言った皇帝と家来全員を処刑したそうです。コワ~イ話ですね。
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中国史がなんとなく、頭に入ってきたかな?という読後感を得た。
ああ、あの有名な故事成語は、この時の話だったのね、と、記憶が整理統合されていく感じ、というと大袈裟かな?
歴史おんちが、歴史にとっかかるには、好適の一冊。
漢代までではじめから3章までが費やされる。
ページ数で見れば、半分以上が伝説時代から漢代までということになる。
ふと、先日読んだ宮城谷昌光が紹介していた、司馬遼太郎の言葉(中国史は逆ピラミッド)を思い出した。
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「故事成句」で、中国史をざっと学ぶ事ができる素晴らしい一冊だ。「鹿を以て馬となす」というのが印象深かった。「白眼視」というのも故事成句だ。竹林の七賢の某が、つまらない人物に対しては白目を見せて接したのが始まりらしい。
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・中国史を学ぶ手始めに読了。
・「蛍の光窓の雪(蒙求)」「完璧(史記)」「井の中の蛙、大海を知らず(後漢書)」など、意外なものも中国の故事。「珠玉の言葉は古びることなく、今もわたしたちの生活の中に息づいています(表4)」たしかに。
・ざっと王朝時代の終焉までの中国史をさらえた。
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面白い!故事成句の起源を学ぼうと読み始めたが、むしろ歴史の流れと人物の関係性が生々しく伝わってくる。三国志を読みたくなった。ただし、内容について詳しく触れている本ではないので、この本で関心を持った時代についての書籍への橋渡しと捉えた方がいいかも。ちなみに当初の目的については、ほぼ達成されず。