紙の本
キャラクタがミステリします
2004/08/26 17:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小中高一貫のマンモス校、木ノ花学園を舞台に、「本格推理委員会」のメンバーが、古い校舎で起きた幽霊事件の謎に挑む。普通の高校生を主張する主人公と、やたら勘がいいその幼馴染。学園位置の才女や空手部の筆頭主。ちぐはぐでデコボコなメンバーは、けれどいつしか意外な真相を描き出そうとしていく…。第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。タイトルからして、ミステリフリークの疑惑の目が注がれそうな「注目作」ではありますが、中身だって一癖も二癖もある代物でした。
いかんせんキャラクター小説であることを中途半端に押し出してしまっているのが惜しい。主要人物は兎も角、殆どが「事件に関わる人物」であることを絡めて描かれているので、「本格推理委員会」であるゆえの魅力を描くことに関してはどっちつかずになってしまってるような気がするのです。折角、ミステリとキャラクターの看板を同時に掲げようという意欲で書かれた小説であるのだから、それぞれをもっと書き込んでいけば、もっと深みを出せたのではと、贅沢な欲をかいてしまいました。
主人公が「探偵」を志すために振り返る過去のエピソードは、もっと書き込んでも良かった。現在の事件の真相にも絡んでいる事実があったためだとはいえ、過去の事件の真相があるところで唐突に現れたのは、とても勿体無いと思う。しかしそうすると現実の「音楽室の少女の霊」の事件の存在感が薄れてしまうだろう感が否めないのがジレンマですね。
とはいえ、ミステリとしての意外な真相はバッチリ用意されています。終盤明かされるある事実に関しては、僕は全く気付けませんでした。ミステリとキャラクター、融合とまではいかずとも、巧くマッチされた小説だと呼べるのではなかろうかと思います。
(初出:CANARYCAGE)
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いまいち。
トリックは面白かったけど、それ以外はなんだかなあ、という感じ。
なんていうか、いまいち主人公に感情移入できないというか、世界に入り込めない感じ。
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タイトルとカバーに引かれて買った。本格推理と書いてあるからどんなものかと思ったら、ライトノベルだった。普通でした。
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「ミステリとして読むのでなければ」読みやすくて面白い。トリックも展開もややありがち気味であるし。まあ、よくあるミステリ風ライトノベルって感じ。 前半はキャラ紹介になっているので非常にだるい。中盤以降は物語が動いてくれるので集中できるのだが。あと、一部キャラが立ってなかったり出番が著しく少なかったりするのはいただけない。料理部長とか。 いっそのこと、「ただのカン」に事件の解決を全部任せてただのジュブナイル小説にしたら面白いのかもしれない、などと思った。
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表紙からもわかるとおりライトのベル風の設定です。妹萌えが好きな人には堪らないのでは?と書くとマニアックな話と思われそうですが、普通の人も素直に楽しめるほど優しい雰囲気のミステリです。人は一切死にませんし、謎よりも登場人物たちの心の傷をテーマに置いてあります。てことで題名の「本格推理」は嘘です。でも読んで少し幸せな気持ちに慣れる話だなって思いました。
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あまり期待していなかったせいか、推理と犯人解明がけっこう面白いと思った。たぶん、入り組んでるからだと思う。
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推理するのが大好きだった少年が、どうして推理を嫌悪するようになったのか。主人公と自分を結構ダブらせて読みました。
こういった感じの構成好きです。
ボイルドエッグ賞第二回目の受賞作。次の作品が待ち遠しい一人。
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結構前に読んだ一冊。表紙がもろライトノベルチックですが、登場キャラクターはまさにソレ。読後に、この表紙の子の髪・制服の色がなんだか忘れられなくなる。文庫サイズだったら良かったな。
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ライトノベルの神髄!!!!
推理もちゃんとしていてすごく面白いし、人物描写が素晴らしい!この作者の今後がすごく気になります。
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一応ジャンルとしてはライトノベルなのでしょう。「本格推理委員会」といっても、殺人事件を解決するわけではなく、学園で起きた小さな事件を解決するだけなのですが、一筋縄というわけにはいかず・・・。前半はなかなか軽くて明るい展開だったけど、意外にも後半には重たい展開になっていて、思わず泣いてしまった。
でも、全体的な内容としては期待していたほどじゃなかったなぁ。。。
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「本格推理」という題名に引かれて購入しました。
内容は「故意」と「偶然」が入り混じった事件を、学園のちょっと変わった理事長によって収集された本格推理委員会が解決していくというものです。その最中で主人公が友人たちの協力を得て、トラウマを乗り越えていきます。
初めは共通点を見出しにくかった事件を、そこここに置かれたヒントによって上手く結びつけられているところは面白かったと思います。推理物宜しく、あのセリフにはそういう意味もあったのか、という感じです。あとは、主人公の性格設定と委員会への態度の矛盾が、彼のトラウマによって合点がいくようになっているところも成程です。
不満な点を上げるとすれば、キャラクターの設定がいま一つ出し切れていない点でしょうか。まあ、学園を舞台にして先輩にアクションで大暴れされても変ですけれど。
この作品の特徴として、推理物としてはキャラクター達の心理的要素が大きく関わっている点が挙げられます。そのため、読者にとって客観的ではない情報があったりしますが、その心理的要素が作品に心地よさも加えています。話の締めも幸せそうですし。
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本格推理、ってなんなんだろう。過去の推理小説がまるで推理小説じゃないみたいな言い方。
たとえどんなに小さな理由だって人は人を殺せるんだと思います。
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内容(「BOOK」データベースより)
小中高一貫の大型校、木ノ花学園で事件は起きた。学園でいちばん古い校舎にある音楽室に、死んだはずの女の人が現れたという…。怪談の中心にいるのは、春休みに母を亡くした少女だった。事件を調べるのは、美人で巨乳の理事長木ノ花あざみによって作られた「本格推理委員会」だ。メンバーは学園一の知識を持つ委員長・桜森鈴音、空手部エースの先輩・楠木菜摘。そして委員会の最終兵器、全てを見通す「ただの勘」を持った木下椎である。あとは、俺・城崎修。普通の高校生、ただの使いっ走りだ。学校の怪談はやがて、過去の事件へとつながり、少女たちは心の歯車を狂わされていく。そして、理事長は言った。あなたが事件を解決するのだ、と。使いっ走りのこの俺が―。次世代青春小説&ミステリの扉がいま開かれる!第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。
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ラノベ的なノリなのかなーとさらさら読んでたらトラウマ乗り越えるあたりで不覚にもちょっとじんわり来ました。雰囲気的に小市民シリーズと通じるところがある気がします。
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もともと犯罪を扱うミステリって現実味がない作品が多かったりしますが、この作品はそんなミステリ界に救いを与えてくれるような作品だったと思います。
むしろ犯罪よりも主人公の心の葛藤のほうがメインに思えます。
貴方は相手を指して「犯人はあなたです」と宣言できますか?